「年功序列」の考え方が染み付いている日本企業は少なくありません。
しかし、働き方が多様化し、ジョブ型の給与体系の企業も増えている昨今、
そのままでは優秀な人材が入ってこず取り残されてしまう可能性が高くなります。
今回は、西尾による講演をもとに、日本企業の「年功序列」について考えます。

2019年10月17日木曜日に、人事プロデューサークラブ主催で「人事プロデューサー・フォーラム 秋の陣 2019」が開催されました。今回のテーマは【採用で取り残された国「日本」 人事は今、何をすべきか?】。第1部では株式会社メルカリジャパン CEO 田面木氏による講演を、第2部は人事プロデューサークラブ/人事の学校 主宰 人事コンサルタントの西尾による講演が行われました。
今回の記事では、第2部の西尾の講演「年功序列から脱却できるか?日本に求められるチャレンジ」の講演内容をもとに、日本企業における人事の現状をご紹介いたします。
近年、優秀な人材に対してはたとえ新卒であっても高い報酬を出す、と様々な企業が発表しています。それだけ「優秀な人材」の価値が上がっている、言い換えれば「優秀な人材」をなかなか採用できない、ということでしょう。
そもそも、新卒は何故給与が低いのでしょうか?まだ実務の評価ができない、経験がない、など様々な理由があると思われますが、では入ってきた新卒が1年目に多大な業績を上げたとします。果たしてその業績に見合った給与を2年目から支払ってくれる企業は、どれだけあるでしょうか。もしかしたら、「まだ早い」と昇給をためらっている企業もあるかもしれません。この理由こそまさに、「年功序列」の考え方によるものです。
しかし、世界の大半の国は、日本のような年功序列の人事給与体系ではなく、その人自身の能力・スキルを重視するジョブ型給与体系のもと、能力・スキルのある人材の力を最大限発揮させようとしています。また、日本においても様々な企業がジョブ型給与体系に移行してきています。先程の例にあげた優秀な人材が、そのような現状を目の当たりにしても、年功序列の企業にいてくれる保証はどこにもありません。むしろ、正当に評価をしてくれる企業にさっさと転職してしまうはずです。
このように、日本の年功序列の給与体系は優秀な人材の流出を加速させます。いずれ、世界から取り残された三流国に成り下がってしまう恐れがあるのです。
「年功序列」の考え方が染み付いている企業は少なくありません。実際、西尾が講演中、聴講者の皆様に「御社は、年功序列ですか?」と伺ったところ、大体4分の1の方が「はい」の意味で手を挙げられました。それから給与体系や評価、役職のことなどについて伺っていくうちに、「年功序列だと明示していなくても、実情は年功序列である」という企業も非常にたくさんあるということがわかっていきます。
例えば、御社に「担当部長」や「担当課長」はいらっしゃるでしょうか?
組織の長ではない「部長」や「課長」はいらっしゃるでしょうか?
組織の責任を負っていない「マネージャー」はいらっしゃるでしょうか?
このような質問を投げかけるとやはり手が挙がります。しかし、その中には「年功序列ですか?」の質問に手を挙げなかった方もいらっしゃいました。年功序列でないのであれば、組織の責任を負っていないマネージャーはなぜ生まれたのでしょうか?今一度、その役職について背景を、考えてみる必要があるでしょう。
「あなたはこれだけの成果を出しているので、報酬としてこれだけの金額を支払います」
それが健全な給与の形であると、私たちは考えます。逆に言えば、給与額に見合ったパフォーマンスができていないのであれば、金額の検討が必要でしょう。
ちなみに、年齢別に平均年収を出したところ、最も平均額が高いのは大体55~57歳と言われています(労務行政研究所「2019年版 モデル賃金・年収と昇給・賞与」より)果たして本当に55~57歳が最も良いパフォーマンスを発揮できる年齢でしょうか?正当な評価の場が設けられたのでしょうか?疑問を持たざるを得ません。
競争から取り残されたくない!優秀な人材が欲しい!
だから年功序列の制度を辞めたい!
年功序列ではなく、一人ひとりのパフォーマンスによる結果を鑑みて、適切な評価を行うために必要な仕組みづくりが必要になります。そのために有用なのが、「評価制度」です。企業の人事ポリシーや理念に則った、人の私情が入らない評価制度を作り、運用することで直ちに年功序列は撤廃することができます。
もちろん今まで成果に見合っていない給与しかもらえていなかった社員は給与が上がりますが、一方で成果以上の給与をもらっていた社員は給与が下がります。中には、管理職から外される社員も出てくるかもしれません。おそらく日本人の性格上やりづらいため、年功序列の考え方が根付いている企業が少なくないのでしょう。
「やりにくい」を盾に変わらないことを選択し、取り残されるか。それとも年功序列を廃し、積極的に優秀な人材を確保していくか。日本企業は、その岐路に立たされています。果たして、御社はどちらを選択するでしょうか?

人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?

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約70%の企業が副業を禁止していると言われています。
そもそも副業はなぜ禁止されているのでしょうか?
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このたび、代表西尾の著書「人事の超プロが明かす評価基準」が増刷となりました。
人事担当者の中にも、本業で培ったスキルを副業で活かしたいという方は多くいらっしゃいます。まずは、自分のスキルをアピールするためには「〇〇ができます!」と言えるように言語化しましょう。また、普段の仕事の中でも「自分は外でどんな価値提供ができるか」を想定することは、自分のスキルを整理し上手く売り込むために重要なことです。
年功序列による評価制度が崩れつつある現在ですが、
20代には20代の、30代には30代の、40代には40代の求められているものがあります。
自分の年代に求められているものは何か、しっかりと把握して評価につなげましょう。
人事部門とは会社の将来を決める「人材」に関する部署。
だから、あるべき姿は経営者と同じく長期的な視点で仕事に取り組むことなんです。
人事10年目は経営と現場の橋渡しとして、会社の将来をより良い方向に導いていくことが求められます。
新型コロナウイルスの影響によって消費が落ち込み、飲食店やショッピングモールなどの営業自粛も相まって、業績が低迷している企業が増えてきました。 こうした緊急事態、かつ長期戦が見込まれる時こそ、企業は数年後の展望を見据えた事業戦略を立てることが大事です。 こうして立てられた事業戦略をもとに今後の人事戦略を考えていきましょう。
退職者が出ると多くの現場が人手不足に陥り、
業務がうまく回らなくなります。
この状況を改善しようとよくやりがちなのが補填的採用。
でも実は、こうした場当たり的な採用はお勧めできません。
2009年の開講以来、述べ5000人以上の人事担当者が受講し、「人事の原理原則を体系的に学べる」と人気の講座「人事の学校」がリニューアルしました。2022年5月18日より新たにeラーニングサービスを開始。PCやスマートフォン、タブレットなど各種デバイスで受講可能となるなど、人事担当者がより気軽に学習できるよう生まれ変わりました。本記事では、「人事の学校」主宰・西尾太にインタビュー。リニューアルの理由や人事担当者の皆さんへのメッセージをお伝えします。