人事担当者には、普遍的に求められるコンピテンシー、スキル、知識があります。キャリアステップごとにそれらを理解し身につけていくことは、これからますます大切になっていきます。今回は、前回に引き続き「人事担当者が最低限持っているべき」3つのコンピテンシーについて紹介します。

人事担当者に不可欠なのは、共感力、傾聴力、チームワークなどの“受信力”のコンピテンシーです。前回のコラムで、そのようにお伝えしました。今回はその続きです。これらと同時に必要になるのが、“発信力”です。発信力には、大きく分けて3つのコンピテンシーがあります。
1つめは、「主体的な行動」。これは、自ら考え、動くことです。指示を待つことなく、今何が必要なのかを考え、自ら判断し、やるべきことを自分で考えて実行する。それによって周囲を引っ張り、チームとしての動きも作っていきます。
主体的な行動は、20代後半において特に重要となるコンピテンシーです。20代後半は、それまで吸収してきた知識やスキルを活かして、自分で考え、自ら積極的に行動すべき時期。人事に限らず、一般的にも20代後半におけるビジネスパーソンの評価ポイントは「主体性」があるかどうかです。
主体性と協調性は、どちらも社会人の基本となる非常に重要なコンピテンシーですが、新人時代にどちらをより重視するかは会社によって異なります。協調性を重んじる会社もあれば、自ら積極的に駆動する人間を求める会社もあります。
しかし、一人前と見なされる20代後半になると、どの会社も「主体性」をより重んじるようになり、その有無によって評価に大きな差がついてきます。20代の成長モデルは、次のように考えられます。
【20代の成長モデル】
(1) いってもわからない人…………………困った新人
(2) いわれたらわかる人……………………普通の新人
(3) いわれなくてもわかる人………………できる新人
(4) いわれなくてもやる人…………………一人前
(5) やるべきことを自ら考えやる人………一人前、チーフ
現在のあなたは、どのタイプでしょうか。ぜひ(5)をめざしてください。主体的な行動の第一歩は、上司や周囲に対して「どうしましょう?」と尋ねるのではなく、自分自身で「こうしたいのですが、よろしいでしょうか」と問いかけ、能動的に動くこと。自ら考えない、指示を待つ、受動的な態度は、人事担当者にとっては特にNG行動です。
]
2つめは、「企画提案力」です。これは、より良い企画を提案すること。理解しやすく説得力のある提案書・企画書にまとめる。文章だけでなく、図や表を用いて視覚的に伝える。そして、できるだけ多くの企画を提案する能力を指します。
企画・提案をしない。自分の仕事ではないと思っている。文章だけで伝えようとする。わかりにくい。説得力のある提案書・企画書をつくれない。図や表を描けない…。これらは、人事としてのNG行動。
企画・提案を数多くする。効果的に行う。文章だけでなく、プレゼンソフトなどを活用して効果的に図解化して伝える。理解しやすく説得力のある提案書・企画書をつくる。これらは、人事業務のどのような場面においても必須の能力といえます。
企画提案力を高めるために必要なのは、エクセルやパワーポイントを使って物事を図解化するスキルです。説得力のある提案書・企画書を作成できなければ、どんなに素晴らしい企画を立案できても上司や周囲には伝わりません。
図解化を習慣づけ、プレゼンソフト、表計算ソフト、関係性を示す図解表現、わかりやすいグラフなどを織り込むスキルを習得していきましょう。ホワイトボードに現在起こっている課題を全部書き出し、線でつないでみたり、分解したりする作業をしていくうちに身についていくはずです。
3つめは、「プレゼンテーション力」。これは、伝えたいことを的確に表現できるコンピテンシーです。聞き手が求めることを理解し、わかりやすく要点をまとめ、プレゼンテーションソフトや資料などを用いて効果的に情報を伝えることを指します。
人事担当者は、研修、面接、会社説明会などの場面で、多くの人から理解と共感を得られる効果的かつ魅力的なプレゼンテーションをすることが必要です。プレゼンテーションでは、企画提案力に加え、身振り・手振り・声の抑揚・顔つきなど、視覚的なあらゆる手段を使っていくことも重要となります。
話し方がしどろもどろで、言いたいことが伝わらない。プレゼンソフトや資料が整わず、言葉だけの説明でわかりにくい。場の雰囲気にそぐわない、一方的で退屈なプレゼンを続ける…。これらは人事担当者としてのNG行動です。
相手が少数でも多数でも、伝えたいことを的確に効果的に伝える。プレゼンソフトや、身振り、手振り、目線などにより効果的にプレゼンを行う。聞き手の様子や状況を見て、伝え方を適切に変えていく。このような人事担当者をめざしましょう。
プレゼンテーション力を身につけるには、プレゼンテーションの基本的な知識と練習が不可欠です。新人の段階でこれらすべてを身につけるのは難しいですが、入社2〜3年目にはできるようにならなくてはなりません。プレゼンテーションの基本に関する書籍を読むなどして必要なプレゼンテーションスキルを学び、練習し、実践していきましょう。
以上の3つ、「主体的な行動」「企画提案力」「プレゼンテーション力」が、“発信力”のコンピテンシーです。採用担当なら、いい人を採るにはどうしたらいいのか自ら考える。教育担当なら、どんな研修をやったら効果があるのか、企画・提案する。そして、上司の指示を待つのではなく、「こういうことをしましょう」「こういう問題を解決しましょう」とプレゼンテーションをする。自ら積極的に学んで、“発信力”をどんどん高めていきましょう。

人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?

中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。

ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!

テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。

人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
年功序列をやめたい、人件費を適正化したい、給与とパフォーマンスを比例させたい—。人事担当者の多くが、そんな悩みに直面しています。新しい雇用制度として「ジョブ型」を検討する企業も増えてきました。そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、古い人事制度から今の組織に沿った人事制度に見直したいときに注意すべきポイントや構築手順について解説します。
日本の労働生産性は、先進国で最低レベル。人事担当者の間でも「うちは生産性が低い」「残業を減らさなきゃ」といった話がよく聞かれます。働き方改革を進める中、生産性を上げるには、人事担当者はどのようなことに取り組むべきでしょうか? そこで今回は、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、労働生産性を上げる方法について解説します。
人手不足が深刻化する中、ますます重要になってきた採用活動。人が採れない原因は、採用方針にブレがあるからかもしれません。また採用できても早期離職に至るケースも増えています。求める人材像について、いま一度、確認してみることが大切です。今回は、「協調性/主体性」という観点で考えてみましょう。
社員から人事評価について不満が出てきた時、それは「問題点を洗い出すチャンス」でもあります。社員の側に立って話を聞くことで不満の原因はどこにあるのかを探し出します。伝えてもらえるのは良いことなのだと思い、しっかりと向き合うことが大切です。
新卒でも、中途入社であっても、人事未経験で人事部に配属されたとしたら、
どのような考え方を持ち、何をして過ごすべきなのでしょうか?
今回は若手人事担当者の心構えについて解説します。
年功序列による評価制度が崩れつつある現在ですが、
20代には20代の、30代には30代の、40代には40代の求められているものがあります。
自分の年代に求められているものは何か、しっかりと把握して評価につなげましょう。
人事担当者には、普遍的に求められるコンピテンシー、スキル、知識があります。キャリアステップごとにそれらを理解して身につけていくことは、これからますます大切になっていきます。今回は、人事担当者が最低限持っているべき4つのコンピテンシーを紹介します。
人事は受け身姿勢になりがちです。
しかしこれからの時代、受け身人事のままだと
仕事がなくなってしまう可能性があります。
ぜひ今回の記事で、「人事としての姿勢」を見直してみてください。