人事がブレると、どうなってしまうのか?あまり想像ができないかもしれません。
しかし、人事のブレは採用、育成などの
「人」に関わる事柄に大きな影響を与えるため、
「人事の基盤」としてしっかり策定することが大切なのです。

「今年から〇〇を導入しよう!」
この言葉の裏には人事のブレが潜んでいることがあります。
人事ポリシーのような基盤を策定しないと、人事の意思にブレが生じ、漠然とした理由や目的で制度などを作ってしまいがちです。この漠然とした理由や目的によって、予想していなかった失敗が起こり、目標が達成できないだけでなく、企業に甚大な被害を与えることもあります。
<ブレる人事 その1、インセンティブ制度>
例えば、社員の満足度が低い企業が、離職などの防止のために、インセンティブ制度を導入したとします。果たして、満足度の低下は解決するでしょうか。確かに、給与が上がることは、満足度の向上に大きな影響を与えます。しかし、そのインセンティブ制度はうまく機能しないことも多くあります。
多くの企業は、一人の仕事より、チームでの仕事が多いものです。とくに業績の根幹を担うほど大きな事業の場合、チームで行う仕事ばかりではないでしょうか。そうなると、インセンティブを誰にどう与えるのかが非常に難しくなります。
例えば、個人にインセンティブを与える場合。まずインセンティブの対象になりやすいのはリーダーでしょう。しかし、そのリーダーが実はあまり仕事をしていなかったのであれば、他のメンバーは不満をもちます。では、最もそのプロジェクトにおいて仕事をした人にインセンティブを与えることにしたとします。誰が最もその仕事に貢献したか、私情を挟まずに適切な判断を下せる人がいるでしょうか?もしかしたら、自分が一番仕事をしたことをアピールするために、足の引っ張り合いなども発生するかもしれません。それは企業にとってもチームにとってもマイナスのことですよね。
では、チーム全体にインセンティブを与えたらどうでしょう。おそらく、それが最善の手段です。最初は満足度が高まると思います。しかし、中小企業において、1つのプロジェクトのインセンティブを数人に与えるというのはかなりの負担です。
また、インセンティブ制度の最大の落とし穴が、「いずれインセンティブを与えられることに慣れてしまう」という点にあります。最初のうちは喜んでいても、「なんだ、またこの金額か…」という慣れが生じてしまうのです。
単に社員の満足度を上げるために給与を上げるたり、賞与を上げたりするのでは、一時的な対策にしかならず、むしろコストがかかる一方になる場合も少なくはありません。まずは自社の人事ポリシーを参照し、インセンティブ制度を組み込んでも問題ないか考えることが大切です。
<ブレる人事 その2、内装のリフォーム>
人事は「人」そのもののことだけを考えればいいわけではありません。「人」の周囲の環境も関わっているため、真剣に環境改善に取り組むことが大切です。
環境と言われてまず多くの方が思い浮かべるのが、社内の内装です。実際に社員の満足度向上のために手を入れている企業も多く存在します。とくに、採用面接を多く受けたことがある方は、「こんな素晴らしい空間で仕事ができます」というアピールをしている会社を結構見聞きしたのではないでしょうか。
この内装のリフォームの目的は様々かと思いますが、大きく言えば「社員が過ごしやすい環境を作り、仕事の効率アップを図る」というものだと思われます。しかし正直に申し上げると、内装の綺麗さは一定以上あれば、仕事効率にはあまり変化がありません。始めはキレイだと感じても、いずれ慣れてしまうものなのです。
もちろん成功している例もあります。会社の新たな形として、最近多くの会社が導入しているのが、バーです。会社内にあるため、「誰に聞かれているかわからない」という意識があり、居酒屋のように愚痴や不満を言う場ではなく明るく前向きなことを話す場として有効活用されています。
単純にキレイに見せるためのリフォームは、仕事のモチベーションアップにはほとんど意味を成しません。内装にこだわる際は、目的を持って考えるようにしましょう。
<ブレる人事 その3、新卒採用と中途採用>

新卒を採用するか、中途採用を募集するか。その問題に頭を悩まされている人事担当者は少なくないでしょう。とくに明確な思いもなく、なんとなくでどちらをか採用する、あるいは新卒と中途の割合を決めているのであれば、一度立ち止まって考えることが大切です。
「他の企業の色に染まっていない社員が欲しいから」
「中途と比べると定着しやすいから」
このような理由で新卒採用に力を入れている企業もあると思います。しかし、本当に新卒は中途に比べて素直で、企業のために尽くしてくれる人材ばかりでしょうか?答えはNOです。
また、現在、新卒採用は売り手市場です。大人気の大手企業ならいざしらず、採用に悩んでいるような中小企業に大企業にひけをとらないような優秀な新入社員が入社する確率は非常に低いと言えます。その確率にかけ、莫大な時間とお金をかけて新卒を育てるくらいなら、そのリソースを中途を育てる仕組みや環境に投資した方がよい、という見方もできます。
では、採用に悩んでいるような中小企業は中途採用の方に注力すればよいのでしょうか?残念ながら、その答えもNOです。
中途採用で多くの企業が求めるのが「即戦力」。採用翌日からバリバリ働き成果を上げる?そんな夢のような話があればいいのですが、我々の見てきた中途即戦力採用の成功率は約4割程です。中長期的な視野を持ち、目標を具体的に語れる人でないと、蓋をあけて後悔することになります。
新卒も中途も、一般的な評判を鵜呑みにして採用を行うと痛い目を見ます。「何となく新卒/中途を採用した方がよさそう」といったブレた理由で採用を始めれば、失敗につながる可能性が高いでしょう。
ブレる人事は、流行や著名人の意見に流されてしまいがちです。とくに、外部の人が新たに行った施策や、効果的だと謳っている制度にばかり目を向け、内部の意見に耳を貸さないような姿勢の人は要注意。実態にそぐわない施策ばかりを導入しても、全く成果が出ずにコストだけかかり続けることになりかねません。
もちろん、外部の人が考えた施策を絶対に導入してはいけない、というわけではありません。その取捨選択のために必要となるのが、「人事ポリシー」なのです。
人事ポリシーとは端的に言えば、企業の「人」に対する考え方です。人事ポリシーの策定するということは、人事という職務に当たるための基盤を策定すること。基盤がブレてしまえば、その基盤の上に立てられた施策は崩れてしまいますよね。
人事の仕事は給与の決定から評価、採用、社員育成など非常に多岐に渡りますが、その全ては「人」に関わるものです。基盤がブレれば、その上に立つ人自身も不安を感じてしまいます。振って湧いたような施策や思いつきによって揺らがないよう、中長期的人事戦略を明文化した「人事ポリシー」の策定をしっかりと行いましょう。

人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?

中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。

ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!

テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。

人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
新型コロナウイルスの影響によって消費が落ち込み、飲食店やショッピングモールなどの営業自粛も相まって、業績が低迷している企業が増えてきました。 こうした緊急事態、かつ長期戦が見込まれる時こそ、企業は数年後の展望を見据えた事業戦略を立てることが大事です。 こうして立てられた事業戦略をもとに今後の人事戦略を考えていきましょう。
テレワークやDX対応、ジョブ型、70歳定年、早期退職、黒字リストラなど、今、人事の課題は山積みになっています。この「第4次人事革命」において、人事担当者がやるべきことは何なのでしょうか? そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、日本企業の人事施策の変遷を振り返りながら、歴史から学ぶべきことをお伝えします。
人事制度の基本的な構成は「等級制度」「評価制度」「給与制度」の3つです。
面倒だからと策定を後回しにしている会社も多いですが、
社員を会社に必要な人材に育成するために、人事制度は欠かせません。
今回の記事で人事制度に意味を理解して、なるべく早いうちに策定しましょう。
人事部門とは会社の将来を決める「人材」に関する部署。
だから、あるべき姿は経営者と同じく長期的な視点で仕事に取り組むことなんです。
人事10年目は経営と現場の橋渡しとして、会社の将来をより良い方向に導いていくことが求められます。
学生が企業を「選択する」立場となった就職活動。しかし、多くの学生は選ぶ基準が分からずブランド力や知名度のある企業に流れてしまいがち。そんなときに試されるのが採用担当者の”営業力”です。
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きちんと理解しておかないと、後でトラブルに発展する可能性も。
人事担当者がぜひ押さえておきたい、「試用期間」に関する基礎知識とは?
人事5年目に必要なことを、フォー・ノーツ代表の西尾がお伝えします。
人事5年目ともなれば仕事ぶりも板についてきたはず。
このフェーズでは今やっている仕事に意味や理由を、
周りに説明できる能力が求められます。
さらにステップアップしたいという方は、5年後、10年後の会社の姿を考えて、
それまでに何が必要かを考えて行動してみましょう。