2019.07.05
会社が大きくなるについて、「社員からの批判」は増えていきます。
そういった批判にはどのように対処していくべきなのでしょうか?
そもそも、対処する必要がないのでしょうか?
悩んだときは、その批判が会社に与えるインパクトを考えてみましょう。

会社の規模が大きくなるにつれて、人事としての仕事は増えていきます。その結果、それまでは気づくことができていた人事上の問題点がどんどん見えなくなってくる、といった事態に陥りがちです。しっかりと問題を把握し、対処していくことが大切ですが、従業員の数が多くなればなるほど、また異なった問題も増えていきます。
それが、「社員からの批判」です。会社が拡大すればするほど、社員からの批判は増えるもの。その批判ひとつひとつに対応していくと、確かに従業員からの信頼は厚くなるかもしれませんが、膨大な時間がかかってしまいます。さらに、結局解決できなかった場合、「人事は無能」という烙印を押されかねません。ではそういった批判には、どのように対処していけばよいのでしょうか?
ずばり言うと、数多く寄せられる批判にいちいち耳を傾けていてはいけません。なぜなら、全ての批判に引っ張られてしまっては、前に進めなくなってしまうからです。
会社が成長し、社員が増えるに伴い、クレームの数も増えます。これは単に比率の問題です。例えば社員の10人に1人クレーマーがいるとしましょう。その比率で言えば、社員が100人いたらクレーマーも10人になります。クレーマーが1人しかいなかった時は、1対1で済んでいたやりとりが1対1×10になります。さらに、トイレや休憩室などでの愚痴大会も始まります。3人以上集まれば、「あいつムカつく」などの陰口に発展しかねないのです。
とはいえ、それらの問題に気づき次第即対応しなければならないかというと、一考の余地があります。その愚痴大会が不満のいい捌け口となり、実際の業務には支障を出さないかもしれません。一方で、愚痴を言い合っているうちにますます不満が募り、大きな問題に発展する可能性もあります。一概に対処しなければいけないわけではありませんが、放っておいていいわけでもないのです。

こういった批判をする、つまり不平や不満を持っている社員に対処するか否かは、「会社の経営にインパクトを与えるかどうか」が判断の基準の一つになります。不平・不満が募っていることで会社に与える影響は?逆に、仮に批判をした人たちがその不平・不満のせいで退職することになったらどのような影響があるのか?より悪い結果になると想定される方をケアすれば良いと考えられます。
一見すると会社や自分たち(人事)のことしか考えていない冷たい判断のように思われるかもしれませんが、人事の役割は、あくまで人事領域において、経営に根差した考え方を浸透させ、影響力を与えることです。先程も申し上げたように、細々とした批判をいちいち気にしてぶつかっていたら時間を取られてしまいますし、精神的にも蝕まれてしまうことでしょう。また、全ての意見を聞こうと思っても、「あっちを立てればこっちが立たず」というもの。全ての不平・不満を潰すということは不可能なのです。
少々話を戻し、不平・不満を持っている社員がその不平・不満が理由で退職することになったとしましょう。一般的にはまず、その企業の“看板”が強ければ、1人の社員が辞めるインパクトは弱まると言えます。大企業は、誰が辞めてもうまく回るからこその“大企業”で、それがすごいところでもあるからです。
一方で、中小企業で、1人の飛びぬけたスタープレーヤーがいる会社は、そのスターが抜けると売り上げがガタ落ちになる可能性があります。「経営にインパクトを与える困った問題」というのは、まさしくスタープレーヤーが売り上げをかなり引っ張っていて、その人に人事上の問題がある時です。こういった時は大変ですから、早急に対処すべきと言えます。至急、上役や経営陣、管理職に相談しましょう。
人が100人いれば、100通りの考え方があります。全員が同じ方向を向いて、会社を成長させるべく頑張っていたとしても、本当に些細な理由で人事に対して不平・不満を持つ人が出てくるのは自然なことです。人事担当者はその一つ一つを、対処するべきかどうかしっかりと精査しなくてはいけません。つまり、煙情報(まだ発火はしていないけど、その危険がある情報)などの収集は怠ってはいけないのです。人事担当者の役割として、ぜひ頭に入れておいてください。

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会社がある程度の規模(社員数50〜100名程度)に成長してくると、評価や給与に不満を感じる社員が増え、優秀な社員ほど離職してしまう傾向が見られます。そんな状況になったときに必要となるのが、評価制度や給与制度などの人事制度です。しかし、人事制度の失敗例は、数限りなくあります。制度は運用できなければ意味がありません。なぜ制度を導入しても失敗してしまう企業が多いのでしょうか?
「そろそろ評価の時期だから、気にしておかなきゃ」
このように考える人は、評価する管理職にも、評価される社員にも少なくありません。
「評価の時期だけ自分の評価を気にする」――果たして、それで良いのでしょうか?
人事制度の中でも人気のある「研修」。
自社の弱いところにピンポイントで対策ができるので、重宝されていますよね。
しかし研修は実施すればそのまま成長につながるわけではありません。
しっかりと考えないと、研修が様々な無駄を生むもとになってしまいます。
人事が効果的な採用や配置をするための手段として
注目されている「人材ポートフォリオ」。
人的資源を可視化できるため、
どのような人材がどれぐらい必要かが見えやすくなります。
ではどのように活用すればよいのでしょうか。
創業したてのベンチャーから成長後期、大企業クラスの規模に至るまで、
会社には様々な変化があります。そしてそれは、人事部も同じ。
今回は各ステージごとの人事部の立ち位置の違いと、
人事が陥りがちなことをお伝えします。
予期しない退職報告や退職希望にあたふたしてしまう「びっくり退職」。退職者には辞める前にいくつか特有の"兆候"が見えるものです。昔と比べて若手社員の退職が当たり前になった時代だからこそ、人事の恥とも言える「びっくり退職」に陥らないように、人事担当者には退職者が出す兆候を見逃さないスキルが求められています。
若手・中堅クラスの社員に、会社はいったい何を求めているのでしょうか?
会社が求めているものを知れば、あなたの評価も上がるはずです。
リストラが増えています。コロナ禍の影響だけでなく、実はそれ以前から70歳までの雇用延長努力義務などを見据えて「黒字リストラ」と言われる施策をとる企業が増えていました。終身雇用や年功序列も終わりを迎えようとしています。40歳を過ぎたら希望退職を勧められてしまうかもしれません。今、求められているのは、いざという時に他にも行ける力です。今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、「どこでも通用する力」を育む、評価基準のつくり方を解説します。