2026.01.27
人事担当者には、普遍的に求められるコンピテンシー、スキル、知識があります。キャリアステップごとにそれらを理解して身につけていくことは、これからますます大切になっていきます。今回は、前回に引き続き「人事担当者が最低限持っているべき」コンピテンシーについて紹介します。

「目標を設定し、計画を立案し、進捗を管理する」。人事担当者は、この一連の流れを自分自身で回せるようにしなければいけません。給与担当も、採用担当も、教育担当も、それぞれ達成すべき目標があり、給与計算の完了、採用計画の作成、研修のスケジュール管理など、それぞれに求められる成果があり、守るべき納期があります。
私の新著『中小・ベンチャー企業〝ぼっち人事〟でも0から学べる人事の本』(西尾太/アルファポリス)でも触れていますが、ひとりですべての人事業務を担う〝ぼっち人事〟の方や“限られた少人数”で人事をこなしている方々は、これらのほぼすべてに求められている成果や納期があることでしょう。
自分には、「どのような成果が求められているのか」「その目標を達成するためにどんな計画が必要なのか」「その計画は予定どおりに進められているのか」を振り返ってみてください。
ビジネスの基本は、PDCAサイクルを回すこと。Plan(計画)→Do(実行) →Check(評価) →Action(改善)の4工程を繰り返すことによって、業務を継続的に改善していきます。さらに管理職になると、自分だけではなく、チームや部門全体のPDCAサイクルを回すことが求められます。
人事担当者はまず、目標設定・計画立案・進捗管理のコンピテンシーを身につけ、自身のPDCAサイクルを確実に回せることを目標にしましょう。
では、どのようにして目標設定・計画立案・進捗管理のコンピテンシーを身につけたらよいのでしょうか。「目標設定」は、大きく分けると2つのポイントがあります。
まずは、上位目標(本部・部・課など)に基づき、自らの目標を設定すること。通常は半年や1年単位(3ヶ月という会社もあります)で設定します。場合によっては、中長期的な目標の通過点として半年や1年でどこまで到達するかを設定することもあります。
そして、目標を設定するに当たっては、「その目標が到達可能」であり、目標をどのくらい達成できたのかを、できるだけ「客観的な数値として測れる状態」にする必要があります。
目標とは、達成基準が明確であればあるほど把握が可能となります。いつまでに、どこまでいくかが明確であれば、そこに到達するための計画や道筋が明確になっていきます。
一方、漠然とした目標は、後で達成できたかどうかの把握や評価が難しくなります。つまり、到達点を明らかにすればするほど、目標は達成しやすくなるのです。単にこうなればよいという漠然としたイメージではなく、絶対達成するという目標を明示することが大事です。
採用担当の目標は「〇〇人を採用」など数値化しやすいため設定しやすいといわれますが、給与担当の目標で悩むという話はよく聞きます。この場合、まず「そのオペレーションをしっかりと完了する」ことを目標にしましょう。
また、まだミスがある場合には、それを低減すること、効率がまだ高められるならば、その効率性(○日で完了するなど)を上げること、給与規定などの規定改定等を目標に掲げるのも一法です。この場合の達成基準は「規定改定の役員承認を得る」などを達成すべき状態として把握するとよいでしょう。
次は、「計画立案」のポイントを見ていきましょう。計画とは、そのとおりに実行できれば目標を達成できると算段して考え抜かれたものをいいます。目標達成のための計画立案においては、まずは具体的なスケジュールに落とすことが大事です。
途中のマイルストーンやベンチマーク(確認ポイント)を設定し、その計画には「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「なぜ」「どのように」「いくらかけて」どうするのか(5W2H)が示されている必要があります。
そして、立案された計画は、独りよがりなものではなく、実行可能なものとして組織内で共有されていなければなりません。日次・週次・月次・四半期などにおいても到達点が明示されており、計画どおりに進んでいない場合、それが常に把握でいる状態になっていることが大切です。
また、計画には、目標達成を疎外するリスクを織り込んでおきます。物事は往々にして予定どおりには進行しないものです。どれほどリスクを想定できているかが目標達成のカギになります。
その想定されたリスクが発生したときには、当初計画した「プランA」のほかにも、「プランB」「プランC」といった複数の選択肢が用意されていることが望ましい状態です。
最後に「進捗管理」のポイントを見ていきましょう。計画の進捗を管理するためには、マイルストーンを設定し、その一定の時点で常に計画との「乖離(かいり)」度合いを検証することが大切です。乖離とは、本来あるべき姿や期待からかけ離れていくこと。計画との乖離があった場合の打ち手も用意しておきます。
そして、計画を実行するうえで優先順位をつけておき、必ず実行しなければならないことが、きちんと実行されているかを常にチェックします。一部に負荷がかかっていたり、逆に負荷がなさすぎたりという状況に適切に対応し、計画的に物事が進行しているかを監視することも重要です。
当初設定していた日次・週次・月次ごとの会議やミーティングを必ず実行し、計画に抜け漏れがないかを確認します。データなどから計画値と現在値を常に把握し、計画と現状の乖離が激しい場合は計画の修正を行い、その際に再度優先順位(緊急度・重要度)を見直し、必ず目標を達成するように管理していくことが求められます。
以上の「目標設定」「計画立案」「進捗管理」は、「タスクマネジメント」と呼ばれ、人事に限らず、ビジネスパーソンとして必ず求められるコンピテンシーです。「仕事ができる人」の必須条件ともいえます。各項目のポイントをしっかりとチェックしていきましょう。

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社員の育成というと「研修」を思い浮かべる方が多いですが、
実は研修よりも効果的な育成方法があります。
それは、現場を理解した上での評価制度の策定及び改善です。
PDCAサイクルを回しメンバーの成果評価につなげていく際、大きな効果を発揮する仕組みがMBO(目標管理制度)です。ただし、適切に運用するには2つの注意点があります。人事評価をするすべてのマネージャーの必携書『この1冊ですべてわかる 人事評価の基本』(西尾太/日本実業出版社)から、その改善策を紹介します。
「離職率を下げる」という目標を持っている会社は少なくないでしょう。
その目標を持って私たちにご相談いただく企業様は、
ブラック企業でもなく、労働環境が悪いわけでもない、ごく普通の企業様ばかりです。
ではなぜ人が辞めてしまうのでしょうか?
その理由は、「人事ポリシー」にありました。
創業したてのベンチャーから成長後期、大企業クラスの規模に至るまで、
会社には様々な変化があります。そしてそれは、人事部も同じ。
今回は各ステージごとの人事部の立ち位置の違いと、
人事が陥りがちなことをお伝えします。
人手不足が深刻化する中、ますます重要になってきた採用活動。人が採れない原因は、採用方針にブレがあるからかもしれません。また採用できても早期離職に至るケースも増えています。求める人材像について、いま一度、確認してみることが大切です。今回は、「協調性/主体性」という観点で考えてみましょう。
採用担当者は採用する側だから、優位に立場である。
そういった意識を持っている人事は少なくありません。
この少子化の時代、その意識を捨てて自社を売り込む立場の目線を持つことが大切です。
キャリアステップが必要なのはわかるけど、
どのタイミングで導入するべきかわからない。
今回はこの疑問に、フォー・ノーツ株式会社の曽根がお答えいたします。