2018.10.19
キャリアステップの策定は、人材育成と離職率の低下に欠かせない施策です。
しっかりとしたキャリアステップを描き、浸透させ、社員の成長を促しましょう。
「社員の離職率が高い」
「社員の育成がうまく行かずなかなか成長しない」
このような悩みを抱えている企業は数多く存在します。
離職率や社員の成長を高めるのは簡単な話ではないように聞こえるかもしれません。しかし、これらの問題は少しの工夫で改善することができます。そのキーとなるのが、「キャリアステップ」です。
キャリアステップとは、ある職位や職務に就任するための必要な業務経験とその順序のことです。たとえば「部長になるためにはこのような経験を積む必要がある」ということを明確にします。離職率を下げるため、また、社員が成長するためには企業で働く上でのキャリアビジョンを明確にする必要があります。その結果、社員が常に高いモチベーションで仕事ができるようになるのです。
社員の離職率や成長の問題には、給与のアップや賞与、インセンティブを与えることなど、金銭面を重視した解決策が図られることも少なくありません。確かに一時的には効果を生み出しますが、新たな問題が生まれることも多いので注意が必要です。
「キャリアステップを明確に」とはいっても、それにかかる手間(コスト)に見合った良い影響を企業が享受できなければ、「あまり意味がない」と感じてしまうでしょう。キャリアステップの有無により、企業はどのような影響を受けるのでしょうか。
キャリアステップは、企業が数年後の未来に社員に求める力を可視化します。逆に言えば、キャリアステップのない企業では、どのような成長をし続け、どのような能力を持っていればいいのかが不明確なままです。いわば、出口がどこにあるかわからないまま迷路をさまよい続けるようなもの。その迷路に標識を置き、「昇進」や「昇給」などの出口の名前を設定するのが、キャリアステップの役目と言えます。
しっかりと道順を示すことによって、企業が望んでいる成長とは異なるベクトルで成長する、というすれ違いも少なくなります。つまり、社員と企業が揃って同じ方向を向いて成長をし続けるということです。そうすると社員はモチベーションが高いままでいられますし、遠回りもしないので効率的に成長をすることができます。
離職率に関しても同じことが言えます。未来の自分のあるべき姿が具体的に想像できれば、離職率は低下していきます。有望視していた若手が、「この会社や仕事内容は好きですが、ここにこのままいても成長できるかわかりません」といった理由で会社を辞めていく「残念な退職」の数は少なくなるでしょう。
さらに、企業全体への影響は他にもあります。離職率の低下や社員の成長は、つまるところ長期間同じ企業で働き、なおかつ同じベクトルで成長できるということ。チーム内の関係が向上するだけでなく、上司や部下が互いに関心を高め、より深い関係を築くことができることもできます。「名ばかりの上司」といった悪い評判や関係を悪化させるような行動なども、自然と減っていくのではないでしょうか。
社員の関係が変われば、社内の雰囲気も大きく変わります。より良い人間関係を築くことで、より、社内の雰囲気も良くなり、気分良く仕事ができ、効率も上がっていくでしょう。
キャリアステップは、企業に様々な面で好影響を与えます。とはいえ、あくまで社員全体に浸透させることができた場合です。どのような機械でも歯車が一つ外れるとうまく機能しないように、キャリアステップも浸透できていなければ、100%機能することは難しいでしょう。
では、どのようにすればキャリアステップが社員に浸透するのでしょうか。
まずは、人事ポリシーを策定することです。人事ポリシーには企業の「人」に対する考え方が明確化されています。それにより、最低限社員全体での目指す方向性も決まり、キャリアステップの基盤が作られます。
その上で、キャリアステップを策定し、常に数年後の自分のあるべき姿を意識させられるよう新入社員の研修内容をよりキャリアステップに合わせた内容に変更したり、ベテランや若手問わず役職に合わせた研修を行ったりなど、企業の人事ポリシーに合わせた研修を行うことが必要です。社員と企業が効率よく成長できるよう、ブレない人事ポリシーを策定しましょう。
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いま再び注目を集めている「ジョブ型雇用」や「成果主義」は決して新しい考え方ではありませんが、これからの働き方を考える中では重要な要素です。 その実現のためにはジョブディスクリプション(職務記述書)が必要とされています。しかし、ジョブディスクリプションの策定や運用には、様々な課題も想定されます。 「働き方」「雇用のあり方」「管理のあり方」「評価のあり方」「給与・処遇のあり方」といった「考え方」そのものをどこまで変えるのか、といったことをよく考える必要があります。 今回は代表西尾から、これからの時代の働き方や評価についてお伝えしていきます。
転職市場が活性化している昨今、「出戻り制度」を設ける会社が増えています。
しかし、人事担当者は安易にこうした制度に飛びついてはいけません。メリットとデメリットを理解して判断することが重要です。
新卒でも、中途入社であっても、人事未経験で人事部に配属されたとしたら、
どのような考え方を持ち、何をして過ごすべきなのでしょうか?
今回は若手人事担当者の心構えについて解説します。
学生が企業を「選択する」立場となった就職活動。しかし、多くの学生は選ぶ基準が分からずブランド力や知名度のある企業に流れてしまいがち。そんなときに試されるのが採用担当者の”営業力”です。
人事ポリシーとは会社の「人」に対する考え方を表明したものです。
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自社に即した人事ポリシーによって意識をすり合わせることができれば、
複数の課題が一気に解決することも珍しくありません。
「そろそろ評価の時期だから、気にしておかなきゃ」
このように考える人は、評価する管理職にも、評価される社員にも少なくありません。
「評価の時期だけ自分の評価を気にする」――果たして、それで良いのでしょうか?
バブル崩壊後、企業は採用を抑制し、ジョブ型雇用に切り替えようと試みました。
しかしその試みが上手くいった企業は少ないのが現状です。
ジョブ型雇用が注目を集める昨今、
会社は過去の教訓を活かしどのように動くべきなのでしょうか?
新型コロナウィルスによる業績低迷で、多くの企業において給与支払いの負担が大きくなっています。給与を削減する対応策の一つが、従業員をある期間休ませる一時帰休。 今回は、この一時帰休についてその仕組みと特徴をご説明いたします。