2020.05.15
人事にエースを配置する企業はそれほど多くありません。
しかし、会社が成長し続けるかぎり、社内に顔が広いエースに
人事全体を引っ張っていってもらわなければならない瞬間が必ず訪れます。

会社におけるエース級の人物は、よく営業職に配属されるといいます。
売上に直結する部分なので、優秀な人材を配属したいのは当然のことでしょう。
優秀な人材を配置することで営業という部署自体も成長し、さらなる会社の成長が見込めます。
一方で、売上に直接つながらない人事職にエースを配置しようとする会社は、残念ながらそれほど多くありません。
しかし、人事は社内における営業のようなポジションにいます。事実、優秀な人事の条件のひとつが、様々な部署とやり取りができるように社内で顔が広く、円滑なコミュニケーションをとりやすい立ち位置にいることです。
人事も、人事として成長するためにはエースとなるような人物を配置する、もしくはエースとなるような人物を育てることが必須であると言えます。
ただ、もちろん会社のステージによって人事にエースを配置した方がいいかは判断が必要です。
業務内容が変わったり、会社が成長したりするタイミングは、人事制度を見直すタイミングです。
評価制度を見直すことももちろんですが、会社の成長に伴って、経営陣の手を離れて人事に任せる「人事の仕事」が増えるかもしれないので、新しい体制をつくらなければならない可能性があります。
とくに、今まで人事がオペレーション業務しか任されていなかった場合は注意が必要でしょう。
なぜなら、オペレーション業務を担っているだけでは人事の本質がわからず、人事制度を運用するプランを作ったり、人事の企画を立てたりすることはできないからです。
いわゆる「受け身人事」になってしまっているため、急に主体的に動くことができないということですね。
このような時は、無理矢理社内で人事制度を作ろうとするよりも、社外の人事のプロにサポートしてもらう方が良いでしょう。
今まで人事制度の作り方を丸投げされていた人事が、プロによる制度作りを隣で見ながら必要なノウハウを学ぶことができます。
人事のプロがいるなら、その人に任せっきりにしてしまってもいいのではないか・・・と思う方も多いかもしれません。
ただ、社外の人事のプロにお手伝いしてもらうのは、人事制度の土台ができるまでです。
そこから先は、社内のエースを人事部に配置し、出来上がった人事制度を引っ張っていってもらう必要があります。
この場合のエースは、顔が知られている上に、視野が広く各部署の現状を把握しているような社員が良いでしょう。
そのコミュニケーション力をもって、各部署と円滑にやりとりしたり、会社の実情を人事制度に反映したりすることができます。
以上のことから、優秀なエースを人事に配置するタイミングは、人事のプロにサポートを頼んだタイミングであると言えます。
社内のエースと社外のプロの二本柱こそが、受け身人事で過ごしてきた人事が生まれ変わるための鍵です。
社内のエースが人事にやってくると、今まで受け身人事一筋だった人はなかなか太刀打ちできません。
受け身人事を脱却しなければ、他の主体的に動ける人に取って代わられるかもしれないのです。
では、どのように生き残っていけば良いのでしょうか?その方法は2つあります。
1つめの方法は、当然のことながら、自分も社内のエースになる方法です。
社内のエースが、社内の様々な部署で経験を積んで人事にやってくるのなら、自分も同じように、人事以外の部署で仕事をして経験を積まなければならないでしょう。
その道程は大変ですが、社内で重宝される人材になることは間違いありません。
もう1つは、オペレーションのプロを目指す方法です。
近い将来、オペレーション業務はアウトソーシングでまかなわれるという見方があります。
実際に、既に導入している企業や導入を検討している企業は少なくありません。
ただ人事の部門では、このようなオペレーション業務の中に問題に発展しうる火種や会社が抱えている課題の兆候が見られる可能性があります。
例えば、全く部署も異なる男女が、常に同じタイミングで長期休みをとっている、男性の方は既婚者だったはずだが、もしかして――といった、毎日その仕事に携わっていないと気づけないような異常を見つけられることがあるのです。
こういった人材は人事の中では重要なポジションであると言えます。
社内のエースを人事に配置することは、会社の成長のためには必要不可欠ですが、人事内での不和などに発展してしまっては元も子もありません。
人事担当者全体の意識を改革しながら、人事制度を整えていくことが大切です。

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