2020.01.10
人事ポリシーを適切に運用できている企業は、
残念ながらそれほど多くないというのが現状です。
ではなぜ、せっかく策定した人事ポリシーを活かすことができないのでしょうか?
人事ポリシーを明確に策定している企業は、残念ながらそれほど多くはありません。そして、その人事ポリシーを活かして人事施策を打ち出し、社員に人事ポリシーを浸透させられるように適切に運用している企業は、と考えると、さらに数が少なくなります。なぜ、せっかく策定した人事ポリシーを活かすことができないのでしょうか?
人事ポリシーとは、企業の「社員に対する考え方」です。企業として、どのような社員になり、どの方向を向いて企業とともに成長してほしいのか。その根本にある考え方で、一度策定すれば企業としての成長の方向性が変わるなどの大きな転換タイミングがないかぎり、なかなか変わることがない。考えがぶれないための軸のようなものになります。
様々な人事施策は、この人事ポリシーからつながっていきます。たとえば「若手からの育成」を人事ポリシーの中で掲げているのであれば、新卒の採用や新入社員の育成に力を入れることになるでしょう。
この人事ポリシーは評価の基準にもなります。人事ポリシーという形で明確に掲げておくことで、評価基準をわかりやすくしておけば、評価に対する納得感も強まるでしょう。
詳しくはこちらの記事でも解説しておりますので、ぜひご覧ください。
人事ポリシーとは
ただ、人事ポリシーは「策定したら終わり」というものではありません。実際に運用し、社員に浸透させる必要があります。そのためには人事ポリシーに則った人事施策が必要になりますが、よく私たちにいただくお悩みのひとつが、「人事ポリシーを策定したはいいもの、どのように人事施策に活かせばいいのかわからない」といったものです。
たとえば、「成果」「行動」「能力」「職務」の中で、「行動」に重きを置いた人事ポリシーを策定した企業があったとします。この企業は、評価は「育成」を目的としてやっていきたいと考えました。
そこまでは決めることができましたが、いざ具体的な人事施策を考えようと思っても、なかなか良いアイデアが出ません。「行動」を重んじた人事施策とは何か?どのような人事施策が社員の育成につながるのか?いきなり言われてもイメージがつかめない、というのが正直なところでしょう。
このように、人事ポリシーを策定した後の具体的な活用方法がわからないというお悩みを抱えている企業は少なくありません。確かに0から1を生み出すのは難しいもの。そこで、キーとなってくるのが「既存の人事施策」です。
人事ポリシー策定後、なかなかいい施策が思いつかないなと感じたら、まずは今行っている人事施策を見直してみることをおすすめします。たとえば給与の仕組みや評価制度、採用、人材育成など、現行の人事施策が人事ポリシーにマッチしているかを確認しましょう。
もしマッチしていない施策があれば、即廃止・・・というわけではなく、どのように扱うか議論をする必要があります。とくに社員に影響が出る部分であれば、安易に制度をなくしたり変更したりした結果、人事への信頼感が落ちることもあり得ます。「社員へのご機嫌取り」目的のみで残すのも考えものですが、どちらにせよ社員への説明(場合によっては説得)は必要になりますので、徹底的に議論を行いましょう。
こういった既存の人事施策の振り返りは、人事ポリシーが変わったり、新しい人事施策の提案が出たりする度に行うことをおすすめしています。人事施策を運用しているうちに、施策自体の方向性が変わってしまっていたり、形骸化してしまっていることがあるからです。
人事ポリシーを策定したからそれに則った新しい施策を考えよう!とすると、なかなか具体性がつかめず、詰まってしまうことも多いと思います。そんな時は、このように既存の人事施策を足がかりにしてみてください。たとえば、「年功序列の給与制度ではなく、成果やパフォーマンスで評価をしてそれをもとに給与が決まる」という人事ポリシーがあるはずなのに、「勤続手当」という勤続年数に応じて自動的に昇給する手当がある――など、昔の名残をなかなか見直せずにいる企業も少なくありません。人事ポリシー策定後は絶好のタイミングです。隅から隅まで見直してみましょう。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
いい人が採れない。定着しない。すぐ辞めてしまう…。採用活動が成功しないときは、ぜひとも見直していただきたいポイントがあります。それは自社が発信している採用広報の情報です。実は、ここがズレてしまっている会社が多いのです。その採用メッセージ、求める人材に届いていますか?
テレワークが主体となっている企業において、新入社員研修の新たな方法が求められています。会社の事業理解やマナー研修、ビジネス基礎知識に関する研修などについて、リモート時代に求められる人事のの取り組みはどのようなものなのでしょうか。そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、テレワークにおける人材育成の方法について提言します。
人事制度の基本的な構成は「等級制度」「評価制度」「給与制度」の3つです。
面倒だからと策定を後回しにしている会社も多いですが、
社員を会社に必要な人材に育成するために、人事制度は欠かせません。
今回の記事で人事制度に意味を理解して、なるべく早いうちに策定しましょう。
採用担当者が就職活動にやってきた応募者に好印象を抱いてもらいたいと思うのは当然の気持ち。しかし、多数に嫌われようともターゲットを見定めてアピールすることも必要なことです。
今の日本には仕事そのものにモチベーションを持てない人がたくさんいます。
その理由は「働くこと」を押し付けられていると感じているから。
解消するには「目の前に広がる選択肢に気づいてもらい、
どれかを自発的に選んでもらう事」が重要です。
人事異動は、多い人と少ない人がいます。また、多い人には2つのタイプがあります。どちらにしても人事担当者は戦略的に人事異動を行うことが重要です。今回は「人事異動シリーズ」第1回。『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、人事異動に関する基本的な心得を紹介します。
テレワークやDX対応、ジョブ型、70歳定年、早期退職、黒字リストラなど、今、人事の課題は山積みになっています。この「第4次人事革命」において、人事担当者がやるべきことは何なのでしょうか? そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、日本企業の人事施策の変遷を振り返りながら、歴史から学ぶべきことをお伝えします。
近年、メンタルヘルスが引き金となった深刻なトラブルが相次いでいます。会社の責任で「うつ病」などの精神疾患になってしまった社員がいた場合、人事はどのように対応をしたらいいのでしょうか? そこで今回は、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、人事担当者が知っておくべきメンタルヘルスの対処法について解説します。