2019.05.24
最近の検証で、職場に「ホーム感」を抱いている人材は、
業務でのパフォーマンスも高い傾向が分かってきました。
・「ホーム感」とは何なのか
・なぜ職場に「ホーム感」を抱いている社員はパフォーマンスが高いのか
この記事では以上の2点を解説していきます。
採用活動は書類選考、筆記試験、面接といった様々なフェーズで構成されています。その中でも、多くの企業が重きを置いているのが、面接ではないでしょうか?しかし、最近の検証では、入社時の面接の評価と入社後のパフォーマンスの間には、ほとんど相関性がないことが分かってきています。
一方で、パフォーマンスと相関関係にある社員の特性も徐々に明らかになってきました。その特性とは、会社や職場に「ホーム感」を抱いているかどうかです。この記事では、『「ホーム感」とはいったい何なのか』、『なぜ「ホーム感」があるとパフォーマンスが向上するのか』といった点を解説します。
まずはこの記事のテーマである「ホーム感」についてご説明します。「ホーム感」の根底にあるのは、心理的安全性です。心理的安全性とは簡単に言うと「余計なプレッシャーを感じていない」状態のことで、心理的安全性を感じていると、職場でも素の自分が出すことができます。
そして最近の研究によって、職場に「ホーム感」を抱いている社員の方が、業務パフォーマンスが高い傾向にあることが分かってきました。その陰には、人間にそもそも備わっている長期的視野と短期的視野の関係性があると考えられます。
人間には抽象的かつ戦略的な思考ができる長期的視野と、とにかく目の前のことに対処するために特化した短期的視野があるとされています。
具体例を挙げると、短期的視野は朝寝坊をした時です。必死で身支度を整えて向かったものの、大事な荷物を忘れてしまった……、という経験はまさに短期的思考そのもの。目的まで一直線に突っ走った結果、それ以外のものが見えなくなってしまったのです。
一方、長期的視野の具体例は、将来必要になるものを買う時です。今すぐはないけど近い将来に必要となるものは、性能や値段などを見比べながら、じっくりと考えた上で何を購入するか決めると思います。
ただ、長期的視野に立った判断の方が優れているかというとそうではありあません。例えば打ち合わせの現場に着く直前でボールペンを忘れたことに気が付いた時は、長期的視野に立って吟味などしている場合ではありません。さっさとコンビニで購入するべきでしょう。
このように、長期的視野と短期的視野はどちらか一方ではなく、そのバランスと切り替えが重要です。しかし、ことビジネスの場面で言うのであれば、最大限のパフォーマンスが発揮できるのは長期的視野に立った時のようです。
なぜなら、短期的視野にたってしまうと、普段はしないようなミスを起こしてしまうからです。皆さんにも身に覚えがあるのではないでしょうか。締め切りが目前に迫った時や、上司からプレッシャーをかけられている時に限って余計なミスをしてしまうことがありますよね。その理由は、余裕のない中で頭が短期的視野に切替わってしまい、一点しか見えない状態になってしまっていることにあるのです。
もちろん業務内容や職種によっては猪突猛進型の短期的視野が重宝されることもあります。しかし、少なくともクリエイティブな仕事が要求される職場においては、戦略的で自由な発想ができる長期的視野の方が、少ないミスで高いパフォーマンスをあげることができるのです。
そして、長期的視野に立って物事を考えるためには、その場所が自分にとって安心・安全であるという確証、つまり「ホーム感」がなければなりません。逆に、職場に「ホーム感」を抱くことができれば、その安心から高いパフォーマンスを発揮する長期的視野に立つことができます。これが、会社やチームに「ホーム感」を抱いている社員の業務パフォーマンスの高い理由です。
稀に、「会社と社員の価値観の合致など必要ない。結果さえ出ていればそれでいい」という経営者や人事担当者がいますが、価値観の合致は、その職場への「ホーム感」を醸成させるための最低条件です。全く考え方や生き方の違う人がいる場所で安心・安全を覚える人などいないからです。
職場に「ホーム感」を抱いてくれるような社員に入社してもらうために、まずは価値観の合致する人を採用する。これが、採用活動に価値観の合致が求められる理由です。「結果を出しさえすれば価値観なんかどうでもいい」ではなく、「価値観が合致していないと結果は出せない」ということを覚えておいてください。
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「採用担当者は選ぶ側であり、求職者よりも立場が上である。」
このような意識で採用活動をしている方は少なくありません。
しかしこの意識こそが、本当に必要な人材を逃す原因になるしれないのです。
人事が効果的な採用や配置をするための手段として
注目されている「人材ポートフォリオ」。
人的資源を可視化できるため、
どのような人材がどれぐらい必要かが見えやすくなります。
ではどのように活用すればよいのでしょうか。
求めるものがはっきりしていなければ、何をしても「ブレる人事」になります。
ブレない人事を実現するに、会社が求めるものを人事ポリシーで示しましょう。
人手不足になってから採用を進める補填的人事はおすすめできません。
そもそもなぜ退職者・離職者が多い会社が出てきてしまうのでしょうか?
そして、補填的採用ではない対処法としては、どういったものがあるのでしょうか?
脱・年功序列とは、社員のパフォーマンスを適切に評価し、パフォーマンスに応じて給与を比例させる仕組みを構築することです。人事担当者は、人事ポリシーをもとに、一貫性のある評価制度や給与制度を構築する必要があります。脱・年功序列を成功させるためには、3つのポイントが重要です。総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP )の著者・西尾太が、脱・年功序列を実現する人事制度の作り方をお伝えします。
「頑張っていること」を評価したい、
という気持ちを持つのは悪いことではありません。
しかし、その気持ちを本当に評価に反映してしまうと、
社員の不満の元になってしまいます。
企業理念の浸透がなかなか進まないのは、
社員とのコミュニケーションが上手くいっていないからかもしれません。
自分たちの伝えたいことをしっかりと伝えられるようになるためには、
どんなことに気を付けていればいいのでしょうか?
コロナ禍で否応なく進む在宅勤務制度。しかし、その一方で接客業など、どうしても出勤が必要な職種があるのもまた確かです。同じ社内に在宅勤務ができる職種、できない職種が混在している場合、しばしば人事に寄せられるのが「自分は(職種上)在宅勤務ができないのに、同じ社内で在宅勤務している人がいるのは不公平だ!」という声。 さて、そうした声が起こる理由は何なのか?人事担当者としてはどのように対処すべきか考えてみましょう。