2021.01.29
1年間で退職した人の割合を表す離職率。「離職率が高い=悪い会社」「離職率が低い=良い会社」と言った認識が世間では一般的になっていますが、果たして本当にそうでしょうか。 実は、離職率だけをみて、その会社の良し悪しを判断することは非常に危険です。 重要なのは離職率の「数字」ではなく、「どんな人が辞めているのか」という離職率の「中身」です。 今回は、人事担当者として「離職率」というテーマとどう向き合い対応するべきなのかをお話しします。
「離職率が高すぎる」――そうはいっても、そもそも具体的にはどの程度だと「高い」と言えるのでしょうか。
長年、人事領域で仕事をしてきた私としては、「離職率が20%以上」になると「高すぎる」と感じます。この場合、4月にいた社員の20%以上が1年後には辞めている、ということになりますね。これほどまでに高い値となっている場合は、ぜひとも離職率を下げるための施策を打つべきでしょう。社員の入れ替わりが激しすぎて、ノウハウが蓄積されない、社員が成熟せず現場からの手離れができないという問題が顕著にあらわれてしまうほどの数字です。
逆に「離職率が低すぎる」というのも問題がある可能性があります。「離職率が2~3%」といった企業は一般的に「良い会社」と思われがちです。ですが、実際には働かない社員でも給与が自動的に上がる、だから辞めないというぬるま湯のような状態に陥っているかもしれません。適切な新陳代謝が行われなければ優秀な若手が昇進する機会がなくなり、社内が「淀んでしまう」恐れがあります。離職率があまりに低い企業では「社内の緊張感がなくなっている」「働いていないが、給料だけ高い高齢の社員が多い」などの問題を抱えていないか検証する必要があります。
私は、一般的な企業では「離職率が10%ほど」が妥当な数字だと考えています。しかしながら、結論を急いではいけません。妥当な「離職率」は、業界・創業年数等様々な要素が絡んでくるので、企業それぞれによって異なります。
離職率が妥当であるかは、一概に数字だけで判断することはできません。
では何を基準にして「離職率」の適正・不適正を判断すれば良いのでしょうか。まずは一つの正解として、「どんな人が辞めているのか」に焦点をあてて考えてみることをおすすめします。
さあ、「離職率」の適正・不適正を考える上で大切な観点である「どんな人が辞めているのか」を具体的に見てみましょう。歯に衣着せずはっきりと言ってしまえば、有能な社員が辞めるのは良くない事ですが、仕事をしない自社の仕事に向いていない社員が辞めるのは悪い事ではありません。
自社の仕事に向いていない社員が、長期に渡っていつまでも社内に残ってしまっていることや、有能な社員が次々と辞めてしまうほうが、離職率の高い低いよりもよほど問題です。
この問題を解決する手段としては最適なのが「評価制度」にメスをいれることです。評価、すなわち報酬の基準を明確にし、それに基づく新たな給与制度を制定することで、有能な社員が評価され、自社の仕事に向いていない社員が評価されない状況を作り出すことが出来ます。そうすると、有能な社員は仕事にやりがいを感じ、離職率が低下。自社の仕事に向いていない社員は自分が能力を発揮できる環境を求めて転職活動を始めるなど、良い循環が生まれます。
ただ、この方法は社員全体に大きな影響を与えます。万が一、有能な社員をきちんと評価できない状況が生まれてしまった場合などは本末転倒となりますので、評価制度の変更・導入は専門家の意見を交えながら慎重に行うべきだと思います。
「人事は急には動けない」というのは、人事で活躍する皆様であればよくご存知のとおりです。一度、間違った制度にハンドルを切ってしまうと、方向性を修正することは容易ではありません。
人事担当者として求められることは、「有能な人材を育てられる制度」や「企業の進むべきベクトルに合った社風を作り出していくこと」です。その結果として、有能な社員が長く働きたくなる環境が構築されるわけです。お気づきかもしれませんが、そもそも、「社員に長く働いてもらうこと」は、人事が取り組む目標ではないのです。
「20%の自社の仕事に向いていない社員が辞めている会社」と「3%の有能な社員だけがこぞって辞めている会社」を比べれば、後者の企業のほうが問題を抱えていることは一目瞭然です。コロナ禍で激動の今だからこそ、組織改革のチャンスです。離職率という数字に振り回されることなく、「組織が抱える問題の本質」を見抜く力を養いましょう。

人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?

中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。

ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!

テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。

人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
「人事の仕事」と言われてすんなりイメージできる人は少ないはず。
その理由は、人事の仕事の特性と会社の求めることとのギャップにありました。
このギャップに気づけないと、
会社からの期待に応えられない人事担当者になってしまうかもしれません。
約70%の企業が副業を禁止していると言われています。
そもそも副業はなぜ禁止されているのでしょうか?
副業のメリット・デメリットや
これからかかせない”副業制度”導入に必要なポイントを説明します。
企業内の評価は、一般的に「上司が部下を評価する」ものですが、被評価者を上司・同僚・部下が評価する「多面評価」(360度評価)という方法もあります。私たちの会社でも問い合わせをいただくことが多く、実際に多くの企業が導入しています。ただし、この評価方法には多くの問題点もあります。メリット・デメリットを改めて検証してみましょう。
総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社は、代表取締役社長・西尾太の著書『この1冊ですべてわかる 人事制度の基本』出版記念特別セミナー【聞いた後でジワジワくる‼西尾太の「地味な」人事の話】を2022年11月17日、TKP東京駅日本橋カンファレンスセンターにて開催いたしました。本記事は、このセミナーの内容を再構成・加筆してお届けしています。今回のテーマは、「会社が社員に求めるものとは?」。人事制度の構造とキャリアステップについて解説します。
いままで受け身の姿勢で仕事をしてきた人事が、急に主体的に動かなければならない
仕事を任されたとしてもうまく動けないことがほとんどでしょう。
そうした時に「社外の人事のプロ」に依頼することで
これまでの「受け身人事」の性質から脱却することができるかもしれません。
コロナ禍で黒字リストラが増える中、従業員シェアやワークシェアリングなどの雇用を守る取り組みが注目されています。どちらも有効な施策ですが、長期的に継続するかどうかが鍵となります。そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、雇用を守るために人事担当者がすべきことについてお伝えします。
今再び注目を集める「ジョブ型雇用」や「成果主義」。 決して新しい考え方ではありませんが、これからの働き方を考える中では重要な要素です。これらの導入には、ジョブディスクリプション(職務記述書)が必要ですが、策定や運用には多くの困難が存在します。 今回は代表西尾から、これからの時代の働き方や評価についてお伝えしていきます。
本来、喜ぶべきボーナスですが、
予想額を下回ると却って社員の不満になります。
社員に納得してもらうためには評価基準の開示と、
それをしっかりと反映させることが重要になります。