2020.07.25
新型コロナウイルスの影響によって消費が落ち込み、飲食店やショッピングモールなどの営業自粛も相まって、業績が低迷している企業が増えてきました。 こうした緊急事態、かつ長期戦が見込まれる時こそ、企業は数年後の展望を見据えた事業戦略を立てることが大事です。 こうして立てられた事業戦略をもとに今後の人事戦略を考えていきましょう。
人事戦略を考えるためには、まず自社の事業戦略を把握しておくことが必要不可欠でしょう。
企業は将来の事業戦略を立てるために、自社が今置かれている状況を数字で把握し、事業戦略に落とし込んでいきます。
業績低迷時にまず考えられるのは、今の業績低迷は短期的なものなのか?それとも中長期的なものなのか?ということです。
すなわち、この業績低迷は半年程度で元に戻る一時的なものなのか、このままでは悪化の一途をたどることとなる構造的なものなのか。この見極めが大事です。
新型コロナウイルスの影響で業績が悪化している企業の場合、その原因はおそらく感染拡大で人々の行動様態が変わったことによる構造変化にあるはずです。
最も顕著なのがリアルからオンラインへの移行といえるでしょう。
飲食店に食べに行く代わりにデリバリーを注文する。通勤せず全社リモートワークの勤務形態になる。
特にフェスや観劇、スポーツイベントといった大人数で集まるイベントなどは、開催そのものが敬遠され、消滅していく可能性もあります。一度消滅したものは、新型コロナウイルス感染症が落ち着いても復活しない可能性すらあるかもしれません。
こうした中で企業は消費者のニーズをつかみ、それにマッチした事業戦略を立て直すことで、自社の回復をはかります。
とはいえ、すでに業績が低迷している企業においては、同時に徹底したコストカットも必要になります。
要は「取捨選択」であって、自社が保有する様々なリソースの中から何を選び取るのかの選択を迫られます。
企業が守るべきリソースには、会社・社員・顧客・応募者(未来の社員)・株主などが挙げられます。
人事部として考えるのであれば、第一に守らなければならないものは会社でしょう。
企業の置かれている状況にもよりますが、会社を守ることにより、社員の雇用を守ることができます。そして社員を守ることが顧客を守ることにつながります。
もちろん、若くて熱い人事担当者の中には「会社よりもまず社員を守るのだ!」という考えの人もいるかもしれません。もちろん、それを間違いだとは言いません。その志は立派なことです。
しかしどのような場合においても、まずは自社が本当に守るべきものは“誰”なのか、優先順位を明確にしておきましょう。
会社自体が倒産すれば、あなた自身を含め多くの社員が路頭に迷うのです。時には給与カットなどの苦しい道を選ぶことも、雇用を守る、すなわち社員を守ることにつながるのだと理解しておくとよいでしょう。
反対のことも言えます。
数年後の自社の事業戦略を把握した結果、もし新規事業に若手社員が必要ならば、今むやみやたらと採用を抑制することは裏目に出ます。
新規採用や中途採用なくして、本当にその新規事業は成り立ちますか? 今後の自社の展望を見据え、人事戦略を考える必要があるでしょう。
守るべきものは、すなわち資産とも言えるものも含まれています。
企業の資産には例えば、設備や店舗、技術やノウハウ、顧客との関係、資金などがあります。
さて、現状この中から“なに”を優先して守らなければならないのでしょうか?
ここで大事なのは、これらの資産を天秤にかけたときに重いほうを優先して守らなければならないということです。
例えば、顧客と営業との関係性が重要な資産である会社のケースを考えてみましょう。
この会社が真っ先に営業職のリストラを行ってしまったとすると、結果的に最も大切な顧客とのリレーションを失いかねません。
今、苦しいからと安易に退職勧奨やリストラを行ったり、採用活動を停止することはお勧めできません。
事業戦略と人材配置、採用計画を連動させましょう。人材というものは、そう簡単には育たないのです。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
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この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
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プロの人事力
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労務分野の法律や制度に関する「お勉強」が
人事担当者の第一歩だと勘違いしてしまっている方は少なくありません。
しかし実は、人事担当者には専門的な知識など必要ないのです。
この記事では人事担当者に求められる知識を解説していきます。
2009年の開講以来、述べ5000人以上の人事担当者が受講し、「人事の原理原則を体系的に学べる」と人気の講座「人事の学校」がリニューアルしました。2022年5月18日より新たにeラーニングサービスを開始。PCやスマートフォン、タブレットなど各種デバイスで受講可能となるなど、人事担当者がより気軽に学習できるよう生まれ変わりました。本記事では、「人事の学校」主宰・西尾太にインタビュー。リニューアルの理由や人事担当者の皆さんへのメッセージをお伝えします。
「オンライン会議に臨むときの服装」や「ZOOMの背景」など、テレワークには注意すべきポイントがいくつかあります。
テレワークでは身だしなみについては決まったルールがありませんが、客観的にみて「今の身だしなみが周りにはどう映るのだろう」と考えでふさわしいか否かを検討するのがよいでしょう。
年功序列による評価制度が崩れつつある現在ですが、
20代には20代の、30代には30代の、40代には40代の求められているものがあります。
自分の年代に求められているものは何か、しっかりと把握して評価につなげましょう。
このたび、代表西尾の著書「人事の超プロが明かす評価基準」が増刷となりました。
脱・年功序列の実現で最後に必要になってくるのは、人事担当者の「想い」です。社会や顧客への想い、株主への想い、取引先への想い、そして共に働く人への想いがなければ、様々な抵抗に屈して改革は頓挫します。制度を変えて運用に成功している企業とそうではない企業の違いは、その原動力となる人事担当者の想いの強さにあります。総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP )の著者・西尾太が、人事担当者に必要な3つのマインドセットについて解説します。
近年、メンタルヘルスが引き金となった深刻なトラブルが相次いでいます。会社の責任で「うつ病」などの精神疾患になってしまった社員がいた場合、人事はどのように対応をしたらいいのでしょうか? そこで今回は、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、人事担当者が知っておくべきメンタルヘルスの対処法について解説します。