2020.04.03
人事が効果的な採用や配置をするための手段として
注目されている「人材ポートフォリオ」。
人的資源を可視化できるため、
どのような人材がどれぐらい必要かが見えやすくなります。
ではどのように活用すればよいのでしょうか。
従来の日本社会では、「総合職の正社員」という働き方が一般的でした。一人ひとりが長い期間その会社に勤め、フルタイムであらゆる業務を行うことが想定されていたため、人事は育成や配置に注力する傾向があったのです。
しかし、多様な働き方が社会的に認められるにつれて、企業もさまざまな働き方をする人材で構成されるようになります。こうなると、以前までの育成や配置に注力していた頃と違い、流動的な人材の動きを企業が常に把握する必要がでてきました。
こうした動きの中で、企業がより効率的に人材の動きを把握し、採用や配置をするための手段として注目されるようになったのが、人的資源を可視化できる「人材ポートフォリオ」です。
人材ポートフォリオとは、企業の人的資源の構成を可視化し、経営戦略の過不足を知るために用いられる手法です。
「組織成果を追求する側と個人成果を追求する側の軸」と、「変革創造を行う仕事の側と運用を行う仕事の側の軸」という2つの軸を交え、4つの分類を作成。どの人材がどの分類にあてはまるのか分類分けし、それぞれの分類にどれくらいの人数が必要なのかを可視化します。
どのような分類に分けるかは企業によって異なりますが、たとえば、「クリエイター型」「マネージャー型」「スペシャリスト型」「オペレーター型」という人材のタイプで分けたり、もしくは「専門職」「コア人材」「継続的定型化業務」「時期的定型化業務」といった従事する業務の難易度によった分類分けをしたりします。もちろん、これは人材ポートフォリオの一例ですので、実際に人材ポートフォリオを考える場合には自社の特徴を鑑みて設計するのが望ましいです。
こうして整理分析することで、どのタイプに正社員を配置しどのタイプの業務をアウトソーシングしたらよいかが明確になります。
では、実際に人材ポートフォリオを活用する場合、それぞれの分類にどのような人材を配置するのが効果的なのでしょうか。
フォー・ノーツでは「スペシャリスト」「コア」「マネージャー」「オペレーター」の4つの分類をしています。そちらを例に考えてみましょう。
■スペシャリスト
高度な専門性を用いて、業績向上に貢献する人材タイプです。その人のスキルに重点があてられるため、中途での正社員の採用やアウトソーシングも積極的に活用されます。
■コア
組織運営や人材育成を中心とした業績向上に貢献する人材タイプです。コア人材とも呼ばれ、企業の基幹とも言える業務を担うため、厳選された正社員が当てはまります。
■マネージャー
オペレーション人材よりも専門的な力を用いて業績向上に貢献する人材タイプです。
中長期的にプロジェクトの課題解決を求められることがあり、業務全体への理解が必要になるため、新卒採用を通して育成した人材を配置する企業がほとんどです。
■オペレーター
枠組みが定型化された業務を確実に運用することで業績に貢献する人材タイプです。アルバイトや派遣人材を採用したり、アウトソーシングが活用されることもあります。
こうして人材タイプに応じて分類分けを行うことで、どの人材をどの程度採用すればいいのか、また今いる人材をどのように育成していけばよいかが分かりやすくなります。
一方で、実際に人材ポートフォリオを設計・運用する場合、人事部をはじめとした多くの社員に負担がかかることを理解しておく必要があります。人材ポートフォリオの軸を設計するには、自社の経営戦略や事業内容を加味しながら、多くの意見をまとめなければなりませんし、いざ活用するにも報酬や異動といった現在の制度の見直しも進めなければなりません。
社員への負担を抑えながら自社の人材マネジメントの手法を見直したいと思っているのであれば、人材ポートフォリオの設計サービスを行っている企業を活用するのも一つの手段です。フォー・ノーツでもご相談を承っておりますので、ご入用の際はお気軽にご連絡ください。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
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ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
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人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
「人事の仕事」と言われてすんなりイメージできる人は少ないはず。
その理由は、人事の仕事の特性と会社の求めることとのギャップにありました。
このギャップに気づけないと、
会社からの期待に応えられない人事担当者になってしまうかもしれません。
人事制度の中でも人気のある「研修」。
自社の弱いところにピンポイントで対策ができるので、重宝されていますよね。
しかし研修は実施すればそのまま成長につながるわけではありません。
しっかりと考えないと、研修が様々な無駄を生むもとになってしまいます。
総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社は、代表取締役社長・西尾太の著書『この1冊ですべてわかる 人事制度の基本』出版記念特別セミナー【聞いた後でジワジワくる‼西尾太の「地味な」人事の話】を2022年11月17日、TKP東京駅日本橋カンファレンスセンターにて開催いたしました。本記事は、このセミナーの内容を再構成・加筆をしてお届けしています。今回のテーマは、人事ポリシー。人事制度に関する「考え方」を明確にする理由について説明します。
人手不足や物価高など、日本を取り巻く厳しい状況の中、多くの企業が適切な人事制度を取り入れることに積極的になっています。私たちも全国を飛びまわり、日本各地の企業で評価制度構築のコンサルティングや管理職の研修を行っています。実は評価制度がうまく運用できていない企業には、ある共通点があるのです。
「これはルールだから」と融通のきかない人事担当者は嫌われるもと。
とはいえ、人によってルールを変えていてはルールとして機能しません。
柔軟に対応することが大切ですが、
ではどのようにバランスをとればよいのでしょうか?
人事部門に配属されたものの、
いったい自分に何が求められているのかわからない……。
会社が人事一年目の社員に期待しているのは、
とにかく「コミュニケーション」です!
人事は、様々な情報を取り扱います。
若手人事だとその万能感かプレッシャーからか、「勘違い」を起こすこともしばしば。
今回は、若手人事がうっかり陥ってしまう「勘違い人事」のパターンをご紹介します。
新卒でも、中途入社であっても、人事未経験で人事部に配属されたとしたら、
どのような考え方を持ち、何をして過ごすべきなのでしょうか?
今回は若手人事担当者の心構えについて解説します。