2019.07.19
一見華やかに見える人事というポジション。
しかし実際は、アヒルのように水面下でばたばたと、
時に土まで巻き上げる勢いでもがきながら前進しているものです。
人事の仕事に関するありがちな誤解と、必要とされる意外な知識について解説します。
何かと人前に出ることが多いように見える人事。しかし、それ以外にも細々とした仕事があります。例えば、人事部ではない他の社員とのコミュニケーションをはかることや、裏方として資料を作成するなどの業務です。実際にやっていることは一言で言うと「泥臭い」ので、人事の華やかな面だけに憧れている人や、なんとなく「人事がいいなぁ」という人には向かないかもしれません。
何よりも始めにやるべき仕事は、社員とのコミュニケーション、すなわち「営業」です。人事担当者から、各部門と積極的にコミュニケーションを作りに行くことが求められます。
人事は自社の経営戦略を社内イベントや人事異動、配属などを各部署に落とし込んでいくのが仕事です。そのためには、各部署との調整、ひいては部署内の調整を避けて通ることはできません。部署にお願いする調整は、中にはお願いしにくいもの、融通をきいてもらわなければいけないものもあるでしょう。たとえばもし名前しか知らないぐらいの間柄の人間とであれば、その調整もしづらいものですが、何度も話したことある、お互いにどんな人間か知っているような相手にであれば、頼みやすさは段違いです。そのような関係性を作るために、各部署に営業しに行きましょう。
まずは、各部署の部長とコンタクトを取ることが大切です。なぜなら、実際に調整のために動いてもらうのは現場のメンバーだとしても、各部門のメンバー全員に均等に直接話しかけるのは現実的ではないからです。まず部長に話を伝えて、各担当者に内容を落としてもらった上で話しかけたほうが、スムーズに事が運びます。
普段から気軽に話せるような雰囲気作りも大切です。「少々お話が……」などと改まって話しかけると、話しかけられた方も「誰か辞めるのか? 降格か?」と身構えてしまいます。そのためにも、時間がある時は社内をうろうろして、部長と世間話などもできるような関係性を心がけましょう。自分の顔を覚えてもらって、ちょっとしたことでもコミュニケーションを取れる状態にしておけば、各部門のメンバーに指示・命令や打診をする時も、スムーズに連携してもらえます。
意外に思われるかもしれませんが、人事して上に行くためにはマーケティングや統計学の知識が必須です。
マーケティングの知識は、「採用」に必要になります。
採用の一連のプロセスは、自社の採用サイトや自社のメディアが世の中にどのくらい露出しているのかを把握するところから始まります。それぞれのPVやクリック数、コンバージョンや課金方法を把握し、どこからどのくらいの求職者が流入していて、実際に社員1人が自社に入社するまでの採用コストはいくらなのかを見ます。これらの手法は、マーケティングの基本となるものです。
また、実際に人事制度を回していく上で、求められるのが統計学の知識です。人件費、労働分配率を算出した上で、自社の前年比と、競合他社や業界水準と比較して適正なのかをモニタリングする必要があります。
いずれについても、数字とプロセスを追いかけて、数字が想定と乖離した時にそれに対してどのような方法があり、実行するとどう改善するかといったPDCAを回す能力が求められます。
人事として、現場から一歩上に行くためには、このような数字を見る力と、コミュニケーション能力が欠かせません。人事の仕事は、社内研修のフロントに立ったり、面接官をしたりなどの人前に出る仕事に目が行きがちかもしれませんし、「数字が弱くてもできそうだ」と思うかもしれません。しかし、そういった仕事はあくまでも、人事の中の部分的な業務です。より上を目指すならば、数字に弱いとお話にならないということを覚えておくとよいでしょう。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
脱・年功序列とは、社員のパフォーマンスを適切に評価し、パフォーマンスに応じて給与を比例させる仕組みを構築することです。人事担当者は、人事ポリシーをもとに、一貫性のある評価制度や給与制度を構築する必要があります。脱・年功序列を成功させるためには、3つのポイントが重要です。総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP )の著者・西尾太が、脱・年功序列を実現する人事制度の作り方をお伝えします。
求めるものがはっきりしていなければ、何をしても「ブレる人事」になります。
ブレない人事を実現するに、会社が求めるものを人事ポリシーで示しましょう。
人事ポリシーを適切に運用できている企業は、
残念ながらそれほど多くないというのが現状です。
ではなぜ、せっかく策定した人事ポリシーを活かすことができないのでしょうか?
人事がブレると、どうなってしまうのか?あまり想像ができないかもしれません。
しかし、人事のブレは採用、育成などの
「人」に関わる事柄に大きな影響を与えるため、
「人事の基盤」としてしっかり策定することが大切なのです。
年功序列による評価制度が崩れつつある現在ですが、
20代には20代の、30代には30代の、40代には40代の求められているものがあります。
自分の年代に求められているものは何か、しっかりと把握して評価につなげましょう。
「しらけ」を感じた社員は、
仕事へのモチベーションやパフォーマンスを大きく低下させます。
最悪の場合、そのまま退職につながることも……。
今回の記事では、社員に「しらけ」を感じさせないために必要なことをお伝えします。
「なぜ自分は人事部に配属されたのだろう?」
人事部に配属されることの意味は、新卒と中途採用によって変わってきます。
今回は、入社してすぐに人事部に配属される人の傾向について解説いたします。
テレワークが主体となっている企業において、新入社員研修の新たな方法が求められています。会社の事業理解やマナー研修、ビジネス基礎知識に関する研修などについて、リモート時代に求められる人事のの取り組みはどのようなものなのでしょうか。そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、テレワークにおける人材育成の方法について提言します。