人事担当者に求められるスキルは多くあります。なかでも重要なのは、コミュニケーション能力です。採用・評価などの業務に限らず、給与担当者でもコミュニケーションは重要になります。人事担当者、そして人事マネージャーに必要な3つのコミュニケーション能力について解説します。

人事担当者に求められるものは何でしょうか。新たに人事部門に配属された方々から、よくそのような質問をいただきます。人事の業務ではさまざまなスキルが必要になりますが、なかでも重要なのは、コミュニケーション能力です。
私は、人事はコミュニケーション職だと考えます。営業にとって大切なのが「社外に向けたコミュニーション」だとすれば、人事は「社内に向けたコミュニケーション」です。
採用活動や人事異動、人事評価など、社内外の人々と多く接する業務ではもちろんですが、あなたがもし「勤怠管理・給与計算担当」だったとしても、社内の人とコミュニケーションをしなくてよいわけではまったくありません。私は、社員の変化に最初に気づくのは、給与担当者だと考えています。
勤怠の変化、転居の事実、扶養家族の変更など、それらは仕事に影響のある変化かもしれません。育児短時間勤務のはずの社員が遅くまで社内に残っているかもしれません。その異常に気づけるのも給与担当者です。
前回の記事<社員の離職は「早期キャッチアップ」で防止する>でもお伝えしましたが、社員の小さな変化や何らかの異常は、会社にとって大きなリスクとなるメンタルヘルスやハラスメントなどの労務問題、またそれらに起因する離職や休職につながることも少なくありません。社内の異変にいち早く気づくことができる給与担当者の役割は、実はとても大きいのです。
もちろん人事だからといって、必要以上にプライベートに深く入り込む必要はありません。しかし、その社員は誰かに話を聞いてほしがっているかもしれません。人事担当者は社員の変化を察知できるよう、アンテナをいつも立てておかなければなりません。時には本人と面談して善後策を考える必要があるかもしれないのです。
私が人事担当者だったときには、このような個々の社員の問題にとても多く遭遇しました。そして、多くの場合、「早く動くこと」が問題を大きくしないために重要であることを学びました。
人事担当者には、経営陣、上司、他部門の状況などを把握し、考えを聞いていく「受信力」と、状況や事実、そして自分の考えをわかりやすく伝える「発信力」の双方が必要です。定性的なことが多い人事という領域ですから、客観的事実と仮説、そして意見をしっかり切り分ける必要もあります。
一言で「コミュニケーション力」といっても、人事担当者には新入社員教育で学ぶようなレベルとは違う相当高度なコミュニュケーション力が必要なのです。ひとつ間違えば、小さな誤解が生まれ、それが大きな問題に発展することもあります。
採用面接の場面では応募者、人事面談などの場面では経営・ラインの管理職・社員それぞれに対して信頼感のあるコミュニケーションをしなければ信用は失墜してしまいます。そして、人事マネージャーになると、よりレベルの高いコミュニケーション力が求められます。
人事マネージャーは、担当者よりも強い「発信力」が必要です。上司の部長に対してはもちろん、経営層や現場の管理職に対する発信も望まれます。どんな相手に対しても伝えたいことを効果的に伝え、理解と共感を得られるプレゼンテーションのスキルも磨いていく必要があります。
例えば、社長に何か伝えようとしても相手は多忙です。「1分」とか「エレベーターの中だけ」などと言われてしまうことも珍しくありません。簡潔かつ的確に物事を伝えるコミュニュケーション力が必要になります。
また、積極的で能動的な「受信力」も求められます。人事は、話をしたくない人からも、話をしない人からも、話を聞かなければいけない仕事です。受動的な態度では、そういう人たちから話を聞きだすことはできません。
相手の口が重いときには、「はい」「いいえ」で答えられる簡単な質問から始め、話の大事なところではその都度、相手の考えや想いを引き出す質問をする。相手の言いたいことを正しく理解するために話のポイントごとに要約する。さらに、自分の価値観を混ぜずに言い換えて、徐々に質問の幅を広げていきます。
交渉の場面では、相手から同意を取りつける「説得力」も必要になります。相手のメリットも伝え、合意が形成できるポイントを提示し、自分がやろうと思っていることを相手に納得してもらうことが重要です。
説得力は、発信力と受信力の両方がなければ生まれません。論理や客観性だけで押し通すのではなく、相手から感情的な否定をされないように理解を示しましょう。そして、相手の話をよく聞き、想いや立場を理解したうえで自分の考えを伝え、自分が意図した方向へと導いていくのです。
人事担当者は、職務や立場によって、さまざまなコミュニケーション力が必要になってきます。それぞれのスキルを磨き、高めていきましょう。

人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?

中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。

ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!

テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。

人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
会社が大きくなるについて、「社員からの批判」は増えていきます。
そういった批判にはどのように対処していくべきなのでしょうか?
そもそも、対処する必要がないのでしょうか?
悩んだときは、その批判が会社に与えるインパクトを考えてみましょう。
予期しない退職報告や退職希望にあたふたしてしまう「びっくり退職」。退職者には辞める前にいくつか特有の"兆候"が見えるものです。昔と比べて若手社員の退職が当たり前になった時代だからこそ、人事の恥とも言える「びっくり退職」に陥らないように、人事担当者には退職者が出す兆候を見逃さないスキルが求められています。
新しく人を雇う新規採用は、多くの企業が困っているところです。
「せっかく雇ったのにすぐやめてしまう」「求める社員が来てくれない」。
これらの原因は、意識のミスマッチであることがほとんど。
人事ポリシーを利用して、応募者と事前に意識をすり合わせておきましょう。
あなたの会社に「社長の右腕」と呼べる人はいますか?将来の経営を任せられる人材は育っていますか? 中小企業では事業を継承できる後継者問題が深刻になっています。今回は「人事異動」シリーズ第3回。フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、社長の後継者の育て方についてお伝えします。
優秀な若手社員ほど、数年、時には数ヶ月で突然辞めてしまうことがあります。
「この会社にいても外で通用しない」など理由は様々。こうした時、若手社員の不満に耳を傾けたり、柔軟な働き方を提案することで退職を思いとどまらせることができるかもしれません。
注目されている「ジョブ型雇用」は、
すべての会社にとって有効というわけではありません。
会社が人材についてどのような問題を抱えているかによって、
毒にも薬にもなり得るのです。
今回はジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用について、
そしてそのメリット・デメリットについて解説いたします。
MBO(目標管理制度)は、PDCAサイクルを回し、メンバーの成果評価につなげていく際、大きな効果を発揮する仕組みです。ここで最も重要なポイントは「目標設定」です。適切な目標を設定するためには、5つの観点でチェックすることが大切です。人事評価をするすべてのマネージャーの必携書『この1冊ですべてわかる 人事評価の基本』(西尾太/日本実業出版社)から抜粋してお届けします。
企業内の評価は、一般的に「上司が部下を評価する」ものですが、被評価者を上司・同僚・部下が評価する「多面評価」(360度評価)という方法もあります。私たちの会社でも問い合わせをいただくことが多く、実際に多くの企業が導入しています。ただし、この評価方法には多くの問題点もあります。メリット・デメリットを改めて検証してみましょう。