2020.03.13
AIや副業やアウトソーシングといった多様化する昨今の働き方。
様々な雇用形態から最適なリソースを選び取る必要がある
人事という役職に求められる人事統括としてのポジションとは。
これまで、企業における人の働き方としては、正規雇用が主流でした。もちろん、現在でも大手企業を中心に日本ではまだまだ正規雇用を主軸とした考え方は深く根付いていると言えるでしょう。しかし、2000年代以降労働者の働き方に対する意識は多様化が進んでおり、非正規雇用を筆頭として現在では様々な働き方が認められる世の中となってきています。
中でも優秀なスキルを持つ人は“正規雇用”という枠組みにとらわれることなく、自身の力を発揮できる働き方をしています。それに伴い、最近ではあるひとつの業務に対して、企業が他のその業務を専門としている企業や個人に業務を委託するアウトソーシングも、中小企業を中心に活発な動きを見せています。
こうした多様化する働き方のなかで、人事には必要なリソースを適切な箇所に配置する人材統括としての機能が求められるようになっているのです。
「働き方の多様化」という言葉は労働者側の視点です。企業側の視点で言うと、「労働力の多様化」と言えます。
これまで大きく分けて、人材のリソースは「正規雇用(=正社員)」か「非正規労働者(=正社員以外)」か、と2種類しかありませんでした。それが、技術の進歩や考え方の変化によって大きく枝分かれしていっています。近年では職場に「AI」を導入する企業や、従来は組織内部で行っていたビジネスプロセスをアウトソーシングする企業も珍しくありません。このように、労働力不足が叫ばれるなかで企業が人手不足を補完するためにこれらを利用しているケースが増えています。
また、2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を制定したことで、副業への関心も高まりを見せています。これは、自社の社員が副業を可能とする制度づくりをすると同時に、副業人材という新たな労働力が増えたことを意味します。
このように、働き方が多様化しているということはつまり、人事は様々な雇用形態の中から自社に必要なリソースを最適な形で選ぶ必要があるということ。ただ正社員やアルバイトを雇用していればいい、という時代は終わっているのです。
人事統括としての機能が求められるのはなにも人材選択の場面だけではありません。
・人材の種類の判断
・人材の獲得
・人材の育成
・人材の評価
・人材の配置や異動
大きく分けても上記のような場面において人事統括としての機能を求められます。
特に長期的にわたるものとして、人材の配置や異動についてはしっかりと考えなければなりません。自社の利益のためにはどこの部署にどのリソースを配置するのが最適かを検討する必要があります。
その際は、自社の利益を最優先に考える方が多いと思います。ただし、それと同時に社員の望むキャリアプランをある程度考慮した方がよいでしょう。なぜなら、自社の都合ばかりを優先した人事は、最悪の場合社員の退職につながることもあるからです。
また、社員が副業を要望している際に判断を下すのも統括としての人事機能を持つ人事の役割です。たとえ自社があまり副業に寛容でなかったとしても、必要性を感じたのであればその意識を変えられるよう働きかけてほしいと思います。そういった人材にまつわる仕組みや体制の変化を進めることができるのは人事だけです。
こうして人事統括として様々な判断をするためには、自社のことについて誰よりも詳しくなければなりません。自社の状況について詳しくなければ、人材の雇用契約の判断だけでなく、どの社員をどのように配置するかも判断できない人事となってしまうからです。
自社を知り様々な雇用形態を知っておくことで、これからの時代に必要な“人事統括”のできる人事を目指しましょう。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
人事制度の基本的な構成は「等級制度」「評価制度」「給与制度」の3つです。
面倒だからと策定を後回しにしている会社も多いですが、
社員を会社に必要な人材に育成するために、人事制度は欠かせません。
今回の記事で人事制度に意味を理解して、なるべく早いうちに策定しましょう。
戦略、企画、運用、オペレーション、そして、人員計画、採用、異動、労務、評価、給与、規程、教育研修など、業務の幅が非常に広い人事職。人事担当者は、どのように学習し、キャリアを構築していったらいいのでしょうか?本記事では、新任担当者から主力メンバーになるまでのキャリア構築の方法を「人事の学校」主宰・西尾太が解説します。まずは反面教師として「イタイ人事担当者」について知っておきましょう。
会社にとって社長は意思決定者であり、常に先頭を走り続ける存在です。
それでも、いつでも正しい判断ができるわけではありません。
社長の指示や行動が会社の人事ポリシーに沿わない場合、
自信をもって「待った」をかけられる人事担当者になってください。
脱・年功序列とは、社員のパフォーマンスを適切に評価し、パフォーマンスに応じて給与を比例させる仕組みを構築することです。人事担当者は、人事ポリシーをもとに、一貫性のある評価制度や給与制度を構築する必要があります。脱・年功序列を成功させるためには、3つのポイントが重要です。総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP )の著者・西尾太が、脱・年功序列を実現する人事制度の作り方をお伝えします。
今再び注目を集める「ジョブ型雇用」や「成果主義」。 決して新しい考え方ではありませんが、これからの働き方を考える中では重要な要素です。これらの導入には、ジョブディスクリプション(職務記述書)が必要ですが、策定や運用には多くの困難が存在します。 今回は代表西尾から、これからの時代の働き方や評価についてお伝えしていきます。
コロナ禍での企業のリストラが止まりません。45歳以上の早期退職制度などによって、今年だけでも既に1万人以上の中高年が退職しています。ただし現在のリストラは、業績悪化によるものだけではありません。「黒字リストラ」は、果たして本当に適切な施策なのでしょうか。人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、中高年に対する施策についてお伝えします。
テレワークの普及、副業の推進、社員の個人事業主化、AIやRPAの活用――。働き方もキャリアプランも多彩になってきたアフターコロナの時代、「正社員」も「雇用契約」もすでに過去の遺物になろうとしています。そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、多様化するワークリソースの活用方法についてお伝えします。
日本企業はなぜ年功序列から脱却しなければいけないのでしょうか? 90年代のバブル崩壊からながらく脱年功序列、脱日本型雇用が掲げてられていましたが、結局ほとんどの企業は年功序列を脱し切れていません。企業を破滅に導く「年功序列」の弊害を改めて考えてみましょう。 総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP )の著者・西尾太が、年功序列の現状と課題についてお伝えします。