MBO(目標管理制度)では、「進捗管理」が重要です。進捗管理における8つの留意点、そして、マネージャーがすべき「目標達成行動」とは何か。人事評価をするすべてのマネージャーの必携書『この1冊ですべてわかる 人事評価の基本』(西尾太/日本実業出版社)から大事なポイントを抜粋して紹介します。

目標設定」「計画立案」を行ったら、次にやるべきことは「進捗管理」。計画が動き出してからは、進捗の管理を行わなくてはなりません。
計画における「進捗管理」とは、計画時に設定されたマイルストーン(確認ポイント)時点で、計画通りに進んでいるかどうかを検証することを指します。
計画と現実の乖離を把握し、乖離があった場合の打ち手を発動するかどうかを見極める。計画を実行する上での優先順位をつけ、必ず実行しなければならないことがきちんと実行されているかを常にチェックする。チームの中で一部に負荷がかかっていたり負荷がなさすぎたりという状況を確認し、それに適切に対応し計画的に物事が進行しているかを監視する。これらのことが重要になります。
そのために大事なのは、当初設定されていた日次・週次・月次ごとの会議やミーティングを必ず実行し、計画に抜け漏れがないかを確認すること。データなどから計画値と現在値を常に把握し、計画と現状の乖離が激しい場合は計画修正を行ない、その際に再度優先順位(緊急度・重要度)を見直し、必ず目標を達成するように管理していくことが求められます。進捗管理の際には、次の8点に留意しましょう。
【進捗管理でマネージャーが留意すべき8つのポイント】
① 一部に負荷がかかりすぎていないか
② ミーティングは定期的に行なわれ、現状がしっかりわかる仕掛けや仕組みができているか
③ 常に納期や品質を確認し、確実に実行するように働きかけているか
④ 予算管理などの数値管理がきちんとできているか
⑤ いま、目標に対してどこにいるかわかっているか
⑥ いつ計画を修正するか、予定に入っているか
⑦ 不測の事態が起こった場合に、適切に対応する準備ができているか
⑧ その場合に何を捨て、何を優先するかの基準ができているか
目標や日常業務の進捗管理は、マネジメントそのものとも言えます。「わかっちゃいるけど、なかなかできない」というマネージャーさんもいらっしゃるでしょう。それでも上記のポイントを意識することで、やるべきことが明確になるのではないでしょうか。
定期的な報連相のためのチームミーティングをしっかり行うことで、毎日のマネジメントがうまく進むこともあります。だからこそ、定期的なミーティングの優先順位は高く位置づけたほうがいいのです。
「毎週水曜の10:00〜12:00」などと決め、よほどのことがない限りキャンセルやスケジュール変更をすべきではありません。これを自分のチームのみならず、他のチームにも周知しておくことで、組織内の情報共有が円滑になり、計画の遂行が順調になっていきます。
そして、マネージャーとして絶対に欠かせないのは、「最後まであきらめず目標達成を働きかける」こと。「目標達成行動」の実現は、進捗管理の中でも特に重要なポイントになります。
目標達成行動とは、最後の最後には必ず目標を達成する、そのための行動です。目標達成を実現するためには、あらゆる可能性・方法を動員し、必ず目標を達成するように動くことが重要です。目標達成にこだわり、そのためのエネルギーを失わないようにしましょう。
|「どうせ目標には届かない」「これ以上やっても評価は変わらない」は絶対NG
マネージャーは、決してあきらめず、どうしたら達成できるかを常に考えていかなければなりません。マネージャーがあきらめ、それがメンバーに伝わってしまったら、行くべき水準までも行かないかもしれません。「どうせ目標には届かない」「これ以上やっても評価は変わらない」などといった言い訳が出てくると、活動抑制や成果の繰り延べ(「来期に取っておこう」という発想)を誘発してしまいます。
メンバーのモチベーションが落ちないように励まし、相互に助け合う風土を作り、組織目標を達成させる。とにかく「手の施しようがない」という状態の前に手を打っておくことが大切です。
【マネージャーがすべき目標達成行動】
・どうしても無理だと思ってやる気をなくしてしまう前に手を打っているか
・最後まであきらめず、達成にこだわり、あらゆる可能性を考えているか
・あきらめかけたメンバーを励ましているか
・いざというときに使う方法をあらかじめ用意し、いつでも発動できる準備をしているか
・手の打ちようがないという状況になる前に、プランBを発動しているか
マネージャーは、チームの目標達成に責任を持っています。それと同時にメンバー個々の目標達成もさせなければなりません。一人ひとりの進捗を確認し、遅れがあれば上記を参考にフォローしてください。
それでも誰かが目標に対して大きくショートしそうなのであれば、他のメンバーでそれを補う必要もあるでしょう。メンバーが最後になって投げ出したりしないよう、マネージャーは常に目標を達成する段取りをつけておき、いざというときの最後の手段も用意しておくのです。
ある種ドライに考える必要があるわけですが、「あいつの分までがんばってチーム目標を達成させよう」といった目標達成に向けた風土づくりもマネージャーの重要な仕事なのです。
拙著『この1冊ですべてわかる 人事評価の基本』(西尾太/日本実業出版社)では、進捗管理におけるタスクマネジメント上の注意事項、達成度評価(成果評価)の留意点など、より具体的なマネジメントの方法を紹介しています。こちらも参考にしてみてください。

『この1冊ですべてわかる 人事評価の基本』
西尾太(日本実業出版社)
「人事評価」をするすべてのマネージャーの必携書。本書を読めば、人事評価制度の意義と目的、評価者としての正しい態度・考え方、組織に合った評価指標の選び方、タスクマネジメントや目標管理の手法 、評価面談と評価会議の進め方、部下のポテンシャルを引き出すコミュニケーション方法などが一気通貫に理解できます。

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