2020.09.04
働き方の変化に伴い、日本全体に副業という制度が広まりつつあります。
しかし、まだまだ副業人材を積極的に採用し始めている会社は少なく、普及したとは言い切れないのが実情です。なぜ、副業人材を採用する会社が少ないのか。
今回はその要因と、今後の人事部に必要なポイントについてご紹介いたします。
働き方の変化に伴い、日本全体に副業という制度が広まりつつあります。
「副業を認めることで本業に支障をきたさないか」「副業を行う社員をどのような基準で人事評価していくか」といった不安がある一方で、社員が副業によってスキルアップをしたり見識を広げたりすることで、その知識を会社に還元してくれるというメリットもあります。また、副業人材を雇用する会社にとっても、総コストを下げてスポットで優秀な人材に仕事を頼むことが可能になります。そのため、自社の社員に対して、副業を勧める会社が増えているのです。
しかし、一方でこうした副業人材を積極的に採用している会社はあまり見かけません。
今回はその要因と、今後の人事部に必要なポイントについてご紹介いたします。
副業を希望している人の数は年々増加している一方で、求人数が追い付いていないのが副業の現状です。そもそも、副業人材を入れようという考えをもっていない会社が多いということもありますが、それ以外にも求人数を少なくしている(=会社が副業人材を採用しづらい)要因があります。
1つ目は場所と時間の制約です。副業のほかにメインで働く会社があるわけですが、そちらで正社員をしている場合には、週5日8時間労働といった働き方がほとんどでしょう。場所や時間が決められている中で副業を考えた場合、当然ですがリモートワークを考える方がたくさんいます。
しかし、副業を受け入れている会社側はそうではありません。すでに自社の社員に対してリモートワークを許可していればともかく、そうでない場合は「リモートワークは絶対にダメだ」「現場に来なければ仕事はできないだろう」という考え方の会社も多かったのです。これが副業の求人数が伸び悩む第1の要因でした。
しかし、今年に入ってからこの「場所と時間の制約」について変化がありました。新型コロナウイルスによるリモートワークの増加により、在宅勤務が当たり前になってきました。ですから、勤務場所と時間の制約は現在、一時的にせよ解消されたといってもよいでしょう。
2つ目の要因は管理の難しさです。
副業人材を組織に入れる際に、いったい誰が採用をしてハンコを押すのかという問題があります。例えば転職や人材紹介などで採用した人であれば、配属先などはある程度人事部が決めるものです。一方で、業務委託のコンサルタントなどであれば経営者の方が許可を出すのが一般的でしょう。では、こうしたケースでは副業人材はどの部門に配置するのでしょうか?
「雇用」なのか「業務委託」なのか、副業に対する線引きの曖昧さが、副業人材を採用するハードルを高めていると言えるでしょう。
基本的に副業制度を導入している会社では、自社社員に対して、週5日で働いたうえで土日など時間外での副業を認めているケースがほとんどです。
しかし、このようなケースだと社員が副業に充てる時間が限られてしまいます。
対して、週4日勤務であれば、会社としてもその時間分の人件費を削減することができますし、副業をする時間を生み出すことで社員のスキルアップも期待できます。削減できた時間分で副業人材を採用することで、業務の効率化を図るという方法もありえますので、全体にとって最適なリソース配分をしやすくなるかもしれません。
それまで自社で採用した社員のみが働いていた会社などでは、副業人材は「外部の人」という意識があり、業務を任せることにセキュリティ面の不安を感じるかもしれません。しかしそんな時こそ人事部の出番です。契約を結ぶ際に、社内の秘密保持に関する縛りをしっかりと入れておくことが重要です。
是非、週休二日制に囚われずに、新しい人事制度を考えてみてはいかがでしょうか。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
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テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
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プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
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優秀な若手社員ほど、数年、時には数ヶ月で突然辞めてしまうことがあります。
「この会社にいても外で通用しない」など理由は様々。こうした時、若手社員の不満に耳を傾けたり、柔軟な働き方を提案することで退職を思いとどまらせることができるかもしれません。
給与の額は評価によって決まります。
そのため、評価は給与を額を決めるための手段に過ぎない、
と考える人も少なくありません。
そのような考え方は、正当な評価につながらないことがあるので注意です。
360度評価とは、「上司が部下を評価する」という従来の評価手法とは異なり、部下や同僚なども人事評価を行う評価方式です。この手法を導入する場合、どのような点に注意したらいいのでしょうか? そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、リアルな事例から360度評価のメリット・デメリットについてお伝えします。
労務分野の法律や制度に関する「お勉強」が
人事担当者の第一歩だと勘違いしてしまっている方は少なくありません。
しかし実は、人事担当者には専門的な知識など必要ないのです。
この記事では人事担当者に求められる知識を解説していきます。
総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社は、代表取締役社長・西尾太の著書『この1冊ですべてわかる 人事制度の基本』出版記念特別セミナー【聞いた後でジワジワくる‼西尾太の「地味な」人事の話】を2022年11月17日、TKP東京駅日本橋カンファレンスセンターにて開催いたしました。本記事は、このセミナーの内容を再構成・加筆してお届けしています。今回のテーマは「制度づくり」。職位制度・評価制度・給与制度の大事なポイントを簡単に説明します。
社員から人事評価について不満が出てきた時、それは「問題点を洗い出すチャンス」でもあります。社員の側に立って話を聞くことで不満の原因はどこにあるのかを探し出します。伝えてもらえるのは良いことなのだと思い、しっかりと向き合うことが大切です。
明確な人事評価制度を持っている企業はほんの一握りだと言われています。
しかし社員の成長、ひいては会社の成長のためには、
評価基準を作り、人事評価制度を導入することが必要不可欠です。
ではそのメリットはどこにあるのでしょうか?
コロナ渦という前代未聞の事態に見舞われた今、人事の課題はますます山積みしています。人事が強い会社でないと、これからの荒波を乗り越えていけません。人事が強い会社とは、どんな特徴があるのか?また、どのようなメリットをもたらすのか? 今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、人材育成の考え方や方法を解説します。