2024.01.29
私たち50代がリストラ時代を生き抜くために避けて通れないポイントは、若い世代から「老害」と思われないことです。 「50代はまだ老人じゃない」と思われるかもしれませんが、年齢は関係ありません。老害とは、自分より若い世代に迷惑をかけること。 30代であっても、20代に迷惑をかけていれば「老害」と呼ばれます。
私たち50代がリストラ時代を生き抜くために避けて通れないポイントは、若い世代から「老害」と思われないことです。
「50代はまだ老人じゃない」と思われるかもしれませんが、年齢は関係ありません。老害とは、自分より若い世代に迷惑をかけること。
30代であっても、20代に迷惑をかけていれば「老害」と呼ばれます。
私が代表を務める総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社では、全国のオフィスワーカー400名を対象に「50代社員に関する意識調査」を実施しました。
「50代社員に関する意識調査」アンケート結果
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000073219.html
50代の社員は、今、20〜40代の社員からどのように思われているのか?
20代〜40代の社員たちに意見を聞いてみると、概して50代自身の自己評価より50代社員を評価しており、期待もしてくれていました。
しかし、一方でネガティブな意見も多くあり、次の3点が共通していました。
●何かを変えることに抵抗を示す
●周囲を不愉快にする
●給料に見合う活躍をしていない
会社にとっての老害の基準とは、「いないほうがいい」と思われることです。いないほうがいいと判断されれば、リストラの対象となります。上記の3つは、老害の基準とも一致しています。それぞれ細かく見てみましょう。
新しいことをしようとしているのに、ネガティブな反応をして動こうとしない。ビジネス的には変えなくてはまずいのに、変えたがらない。デジタルツールに対応できない…。50代社員について、若手の管理職からよくこんな悩みを聞きます。
何かを変えることに抵抗を示すのは、50代によく見られる傾向のひとつです。今回のアンケートでも、20〜40代の社員から次のような意見が多く寄せられました。
・デジタルツールの導入を忌避する傾向があり、今後のIT化の弊害になる(20代・女性)
・ひたすら邪魔でしかない。せめて何もしないでほしい(20代・男性)
・保守的。自分で学ぶ気がないように感じる(30代・女性)
・新しいことを覚えることを嫌に感じていそうだが、やってほしい(30代・女性)
・まったく仕事をせずに世間話ばかりして文句ばかり言っている。邪魔。新たな知識、技術を取り入れないようとしない。特にデジタルツール(30代・女性)
・ルーチンワークはこなすが、新しいことを行うことはあまりない(40代・男性)
ネガティブな意見の中でも特に目立ったのは、デジタルツールに対応しない・できない50代に対する批判的な意見でした。デジタルツールは今や必須です。
他にも「パソコンなどでわからないことが多い気がするので、自分でも少し勉強してみてはと思うことがある」(40代・女性)、「教えても同じことを何度も訊いてくるので、メモを取るなどしてほしい」(40代・女性)といった声も多く、50代の学ぼうとする姿勢が見られないことに対しても、厳しい目が向けられています。
新しいことを学ぼうとしない、考え方を変えない、昔の経験だけが頼り。こうした頑固な態度はビジネスにおける障害となり、会社からも「いないほうがいい」と判断されます。50代の皆さんは、ぜひ自身の言動を振り返ってみてください。
すぐに感情的になる。人のいうことを聞かない。昔話ばかりする。話が長い…。このような周囲を不愉快にする態度も、老害と呼ばれる典型的なパターンのひとつです。
50代で特に問題となるのは、セクハラ・パワハラなど、ハラスメントに対する意識の低さです。ハラスメントは深刻な社会問題になっていますが、20代〜40代の社員たちから、次のような意見が多く寄せられました。
・上から目線だったり、女性蔑視な態度に、自分で気付いていないのが気になる(20代・女性)
・自分の周りのその世代は全員男性であり、自分はセクハラなどされたことはないが、他の若い男性社員がパワハラなどの被害にあっていないか心配(20代・女性)
・セクハラ、パワハラに該当するような言動を控えてもらいたい(30代・女性)
・自分をいつまでも若いと勘違いしていて、自分がやっていることがセクハラだと気付いていない(30代・女性)
・とにかく頭が凝り固まっていて、偏見や差別がひどい。 そしてこのコロナ禍でも夜な夜な飲み歩き、飲みニケーションをまだやっていて迷惑(40代・女性)
ハラスメントは、企業にとっても重大なリスクとなるため、厳しい措置が取られます。民法上の不法行為であれば、懲戒処分に問われる場合もあります。
人間は生きている限り、周囲に迷惑をかけるものです。しかし、迷惑をかけすぎてはいけません。「いないほうがいい」と思われたら、組織にいられなくなります。
今の世の中は、50代が育ってきた昭和の価値観とは大きく変わっています。古い認識を捨て、現在の常識を確認し、早急に意識を切り替えましょう。
仕事ができるかどうか。これも老害の重要な基準です。50代は最も年収が高い層となるため、給与に見合った活躍をしていない人には、特に厳しい目が向けられます。20〜40代の社員たちからは、次のような意見が多く集まりました。
・給料に見合う活躍をしていない(20代・男性)
・何もしてないし、正直困る(30代・男性)
・経営圧迫(30代・男性)
・人生の経験はあるが、仕事自体が出来るとは思えない。よくこれで生きてきたな〜と思う(30代・女性)
・もっと働いてほしい(30代・女性)
・仕事をしてほしい。しゃべっている時間が長すぎ。プライベートの雑用を業務時間中にしている(30代・女性)
・年功序列で出世しただけで、特にスキルも無く、管理能力があると勘違いしている人が多いです(40代・男性)
積極的に仕事をしない人がいるので仕事をしてほしい(40代・女性)
その他にも「年齢というより人によって、良い悪いが分かれている」(20代・女性)、「人による個人差が大きく、できる人は本当にできますが、ポンコツな人は本当にポンコツだと思います」(30代・男性)といった意見がありました。
会社も、社員の働きをシビアに見ています。現在の給料に見合ったパフォーマンスを発揮できていない人は「いないほうがいい」と判断され、真っ先に黒字リストラや早期退職・希望退職の対象となります。
そんな状況に陥らないためにも、改めて自身のスキル・経験を棚卸しして、会社に対して「給料以上の価値」を提供できているのか確認してみてください。
「50代社員に関する意識調査」では、他にもさまざまアンケートを行っています。今後の働き方を考えるうえでも、ぜひ参考にしてみてください。
次回につづく
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
2021年は、黒字リストラが2020年の1.7倍に増えました。日本たばこ産業、KNT-CTホールディングス、LIXIL、オリンパス、アステラス製薬、藤田観光、博報堂などの上場企業を中心に希望退職・早期退職が実施され、1万人以上が退職に至っています。今後もさらに増えていくかもしれません。
最近、日本の賃金が上がっていないことが話題になっています。日本の平均賃金は1990年代の半ばまで世界でもトップクラスでしたが、他国にどんどん抜かれ、現在はアメリカの半分程度。ドイツやフランスなどの欧米諸国はもちろん、韓国よりも低く、OECDの最下位グループになっています。
遅くなればなるほど、次の選択肢が少なくなる ウクライナ侵攻や新型コロナによる物価高騰や過度な円安、国力の低下な […]
「ベテランはリストラの対象になりませんか?」ある人からそう聞かれました。今回は、この質問に答えてみたいと思います。ベテランとは、基本的には褒め言葉です。「あの人、ベテランだよね」「さすがだよね」と言われるのは、技術・技能に長けていて、知識も豊富で信頼が置ける人ですよね。
年収とパフォーマンスが一致していない人は要注意 コロナ禍以前から増えてきた、45歳以上の早期退職・希望退職という名のリストラ。その候補となっているのは、パフォーマンスより年収が高い人です。それはどういうことなのか、詳しく説明しましょう。
50代のリストラ対策のひとつは、若手の指導です。「あの人、若手を育てるのがうまいよね」「あの人に預ければ、育ててくれるよね」と社内で評判が立つのは、リストラを防ぐ有効な手立てとなります。
コロナ禍前後からリストラの対象となっているのは、おもに45歳以上の中高年です。しかし40代、50代になったからといって、誰もがリストラされるわけではありません。歳を取っても会社で生き残れる人には、3つの特徴があります。 1つは、マネジメント力があること。マネジメント力には、「タスクマネジメント」と「ヒューマンマネジメント」の2つのスキルがあり、どちらも重要です。
タレントの高田純次さんが、以前にテレビでこんな話をされていました。「年を取ってやっちゃいけないのは、説教と昔話と自慢話」その通りでしょうね。若い人たちからしたら、説教・昔話・自慢話は聞きたくないはずです。言いたいことがあっても、そこはグッと我慢する。それが私たち50代に求められている基本的なスタンスでしょう。