2020.11.06
社員から人事評価について不満が出てきた時、それは「問題点を洗い出すチャンス」でもあります。社員の側に立って話を聞くことで不満の原因はどこにあるのかを探し出します。伝えてもらえるのは良いことなのだと思い、しっかりと向き合うことが大切です。
ある日突然、社員から人事評価に対する不満を言われた。こんな時、人事担当者はどのように対応するべきでしょうか。
「不満がある」と表明してもらうことは、「問題点を洗い出すチャンス」でもあります。伝えてもらえるのは良いことなのだと思い、しっかりと向き合うことが大切です。では、具体的にはどうやって向き合っていくべきなのでしょうか。
まず、人事担当者はその社員の側に立ち、話を聞くことが大切です。聞き出した内容から、不満の原因がどこにあるのかを冷静に探るのです。
人事評価に対する不満の原因は以下の3種類に分けられます。
1.評価の仕組み・運用上の問題
2.評価者である上司の問題
3.本人の自己評価が高すぎる故の自己評価の問題
いずれの問題なのか分かってしまえば、人事担当者がどのような対応をするべきか、自ずと決まってきます。
仕事の成果が良くも悪くも評価に紐づかない場合は、「1.評価の仕組み・運用上の問題」です。この場合は当然、人事が対応しなければいけません。「がんばっても、がんばらなくても真ん中ね!」といった制度では不満が出るのも仕方がありませんよね。
また、「評価の基準が明らかでない」というのも、評価制度によくある問題です。「なんかダメなんだよなぁ」では、言われた部下はどこを直せばよいのか分かりません。人材育成のためにも、評価の基準や結果を明確にフィードバックすることが重要です。
上司の感情的、私的な理由で評価が正当にされていないようであれば、「2.評価者である上司の問題」ですので、上司を正しに行かないといけません。「上司と部下の個人的な問題」と片づけてしまわずに、現場に入っていくことが大切です。
現場の争いが人事の耳に入るようになり、仲裁に人事が呼ばれるようになれば、似たような問題は自然と少なくなるでしょう。管理職の人と仲良くなって、現場にどんどん入っていきましょう。
正当な評価が行われているのにも関わらず、不満を言ってきた場合は「3.本人の自己評価が高すぎる」という可能性が考えられます。これは、自分のことを客観的に見ることができていないとも言えますが、一方で前述の上司の問題で、上司から適切に課題を提示されていないということも考えられます。
これをそのままにしてしまうと、当人はどこまでもそのまま突き進み、いずれ手痛いしっぺ返しをくらう羽目に陥ります。早めに本人・上司と話をして、自己認識のズレに気づいてもらう必要があります。
「上司が自分を見てくれていない…」このように不満を言われたことはありませんか。ここで再確認したいのは「評価のために、やったことを上司に説明するのは部下の責任である」という評価の原則です。
上司だって人の子ですから、部下が7,8人もいればそれを公平に見ることは不可能です。ありのままでいさえすれば勝手に良い評価を得られるというのは大きな勘違い。
「自分の努力を見せる努力」をしないと、上司は自然には見てくれないのだと伝えましょう。こうした勘違いは、自己評価が高すぎる社員に起こりがちですので、話を聞く際にはよく観察してみて下さい。
最後に、人事に大切なことは、様々な人の話をフラットに聞くことです。
しかし、ただ単に聞いてさえいれば、相手が本音を話してくれるというわけではありません。不満を言ってきた相手であっても、相手に積極的に関心を持ち、共感を表して、相手の心を開くことができれば、不満の原因がどこにあるのか見えてくるはずです。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
バブル崩壊後、企業は採用を抑制し、ジョブ型雇用に切り替えようと試みました。
しかしその試みが上手くいった企業は少ないのが現状です。
ジョブ型雇用が注目を集める昨今、
会社は過去の教訓を活かしどのように動くべきなのでしょうか?
社員の働き方をハード面で変えるのが働き方改革なら、
「働く考え方改革」はソフト面から社員の働き方を変える施策。
みんながポジティブに仕事を捉えるような会社を目指しましょう!
一見華やかに見える人事というポジション。
しかし実際は、アヒルのように水面下でばたばたと、
時に土まで巻き上げる勢いでもがきながら前進しているものです。
人事の仕事に関するありがちな誤解と、必要とされる意外な知識について解説します。
「人事異動」は誰にとっても大きなイベントですが、人事担当者にとってはまた異なった意味を持ちます。
では人事担当者はどのように進めるべきなのでしょうか?
そして人事になりたての人間は「人事異動」に向けてどのように振る舞えばよいのでしょうか。
著者の経験談も混じえて解説いたします。
労務分野の法律や制度に関する「お勉強」が
人事担当者の第一歩だと勘違いしてしまっている方は少なくありません。
しかし実は、人事担当者には専門的な知識など必要ないのです。
この記事では人事担当者に求められる知識を解説していきます。
資金不足を理由に人事制度の策定を先延ばしにする企業は少なくありません。
しかし人事制度とは本来、資金の有無にかかわらず策定されるべきものです。
まずは会社にとって人事制度がどのような存在なのかを理解してください。
新人の育成に困っている会社様は多いと思います。
いったいどのような研修及び取り組みが有効なのでしょうか?
今回は実際にあった例をもとに、どんな育成が新人を育てるのか紹介します。
管理職の能力が不足している、期待した成果を出してくれない。そんな場合、人事はどのように降格を伝えたらいいのでしょうか? 年功序列の撤廃、ジョブ型の導入などによって、今後、人事は管理職に降格を伝える場面が増えていくでしょう。そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、降格人事の伝え方と、管理職の降格基準についてお伝えします。