今再び注目を集める「ジョブ型雇用」や「成果主義」。 決して新しい考え方ではありませんが、これからの働き方を考える中では重要な要素です。これらの導入には、ジョブディスクリプション(職務記述書)が必要ですが、策定や運用には多くの困難が存在します。 今回は代表西尾から、これからの時代の働き方や評価についてお伝えしていきます。
前回は目標管理の再認識についてと、ミッション・ジョブサイズ・目標についてお話しました。今回はその先に何があるのかを考えてみたいと思います。
もしミッションとジョブサイズを社員自ら申告できれば、また、目標も自ら設定し会社に認めてもらえれば、一定の指標で給料を決められるようになります。会社が給与を決めるから不平不満も出ます。自らが申告して決めれば、そこに責任を持ち業務を遂行していきます。
フリーランスの人たちは既にそうしています。仕事の単価を下げすぎたら仕事過多になる、上げすぎたら仕事が来ない。フリーの人たちは、これは日常茶飯事です。
雇用契約で働いているからと言って、これができないとは限りません。
私は何回か転職していますが、当時から「自分の市場価値はこんなもの」という認識を持っていました。
「もうちょっともらってもいいんじゃないか」と思うこともありましたが、「給与を上げるために何が必要になるのか」については常に考えていました。
答えはジョブサイズを大きくすること。
より責任のある、重い目標を持つ仕事にチャレンジすることです。上司や周囲に働きかけ、認めてもらうために努力しました。
うまくいった時もそうでなかった時もありましたが、結果を通じて自分の収入の目安を持っていました。転職の際に年収を下げたこともありますが、それも「おそらく自分の価値はそんなものだろう」という認識があったので受け入れました。
「働く目的¬=給料を上げること」とは限りませんが、収入の目安を持っておくことは心強いものです。「他社にいってもだいたいこのぐらいの収入は確保できる」と思って働くことで思い切ったこともできましたし、経営陣にも物申すことができ、それがかえって評価されたりしたものです(そのぶん怒られることも多々ありましたが)。
友人からは「フリーのサラリーマン」と言われた時代があります。
おそらく、あまりいい意味で使われていないので自慢できるものではありませんが、となると「雇用契約で働く」という意味合いも変わってきます。
雇用契約は一定の安定感と保証があります。それがよければそれでいいと思います。
ただ雇用契約は「人事権(どこでなんの仕事をさせるかを決める権利)」と「指揮命令権(あれをしろこれをしろと命令する権利)」などが会社にあるので自由ではありません。そこを考えて、雇用契約を選ぶかどうか選択できればいいでしょう。
今後は、ミッションとジョブサイズと目標を明確にすることで、自ら収入を決められる時代になっていくのではないかと思います。
これらを実行できる人が、高いパフォーマンスと多くの収入を得ることになるでしょう。
「なぜ働くのか」という問いにあなたはどう答えるでしょう。
働くことは、雇用契約では「労務の提供」ですが、これから、「労務の提供」が見えなくなってくることにより、より「価値を提供すること」の意味合いが大きくなるでしょう。
もともと、働くこととは、「何らかの価値を誰かに提供してお金という報酬を得ること」です。これがより明確になっていくと考えます。
「どれだけの価値を提供したか」が成果。売上などの数値に限らず、価値を提供する相手は社内外にいます。
人事であれば経営者、社員、応募者です。それらの人々にどんな価値をより提供していくのかを常に考えていく必要があります。
目的は、より多くの価値を提供すること。そのための方法が、「ジョブ型」なのか「メンバーシップ型」なのか、「年功」なのか「成果」なのか……。
”やり方”ではなく、まず”考え方”を。今、改めて考える時だと思います。
【これまでの記事はこちら】
緊急提言! ジョブ型雇用は“本当に導入すべき?” 検討する際に気をつけなければいけないこと <第1回>
緊急提言! ジョブ型雇用は“本当に導入すべき?” 検討する際に気をつけなければいけないこと <第2回>
緊急提言! ジョブ型雇用は“本当に導入すべき?” 検討する際に気をつけなければいけないこと <第3回>
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採用担当者が就職活動にやってきた応募者に好印象を抱いてもらいたいと思うのは当然の気持ち。しかし、多数に嫌われようともターゲットを見定めてアピールすることも必要なことです。
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複数の課題が一気に解決することも珍しくありません。
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