今回は人事担当者が持っておくべき心構えについて、
フォー・ノーツ代表の西尾がお話いたします。
人事部に配属されてまだ日が浅いうちは、目の前の仕事で精いっぱいかもしれません。
そんなときには心構えを思い出して、必要なことを再確認してみて下さい。
例えば営業一筋で10年やってきました!というような場合、管理部門と呼ばれる職種の具体的なイメージってなかなかつかめないと思います。まして新卒で人事部に配属されたら、右も左もわからないのではないでしょうか?
今回はそんなちょっとわかりにくい人事の仕事について、心構えをお教えします。
人事担当者の仕事は、大きく分けて5つの領域に分けることができます。()内は該当する仕事の具体例です。
・経営理念(理念浸透、経営計画、人事ポリシー)
・人事制度(評価制度、等級制度、福利厚生制度)
・人事管理(就業規則等の整備、勤務形態・勤務時間管理)
・人材フロー(労組対応、採用、異動配置、人員計画)
・人材育成(階級別教育、組織活性、社員教育)
ただし、これら5領域は各々独立しているわけではありません。例えば福利厚生制度などは人材管理の側面もありますし、人員計画は長い目で見たときの社員教育の一環でもあるからです。
人事の仕事というと給与管理や人材採用というイメージが強いかもしれませんが、実は人材に関わることはほぼすべてが人事の担当なので、その仕事の幅はとても広いです。
もちろん一定以上の規模の会社では、人事部内でも「採用担当」「教育担当」などと担当が決められていたり、勤務時間の管理などは総務部が行っている場合もあります。しかし、採用担当だからと言って他の領域、例えば社員の育成や働きやすい職場づくりとは関係ないかと言われればそれは否です。
よく「自分は採用が得意で、〇人採用してきました」というアピールをされるのですが、採用というのは会社全体から見ればあくまで入り口にすぎません。本当に知りたいのは、数年たったときに採用した人がどれだけが会社に残って貢献しているのか、というところです。
採用が得意というのは、採用した人がきちんと会社の方針にあっていて、活躍できているかどうかを確認して初めてわかることです。「採用した人のその後はわかりません」というのはよろしくありません。もっと全体観を持って仕事に取り組んでください。
もちろんこれは採用だけに言えることではありません。育成担当者ならば、「社員と人事ポリシーとのミスマッチが最近目立つから採用方針を考え直してほしい」と採用担当に提案するなど、できることはいろいろあります。やはり自分の冒頭で挙げた5領域をしっかりと意識して、人材に関する問題を包括的に考えてもらいたいです。
人事には嘘をつかなくてはならない場面がたくさんあります。ただし、同じ嘘でも誰かを貶めたり、罠にはめよう、といった影のある嘘は絶対に言ってはいけません。
例えば給与制度を改定するときの発端が、上層部の「人件費を抑えたい」という意向だったとしても、まさか社員にそのまま言うわけにはいきませんよね。「適正な評価を可能にするために改定します」という嘘をつくわけですが、ここには「誰かを貶めよう」「誰かを贔屓しよう」という影がありませんので、人事として仕方のない嘘です。
反対に、誰かを貶めたり、罠にはめようという影のある嘘をつくようになると、人事として仕事ができなくなってしまいます。というのも、人事にとって社員は貴重な情報源。信頼を損なうような立ち居振る舞いは、自分の首を絞めるだけです。
人事として仕事をスムーズに進めるためにも、影のある態度はとらないようにしましょう。
メガベンチャーなどの先進的な企業では、たびたび斬新な人事制度が話題になります。こうした人事制度がセミナー等で紹介されると「うちも導入しよう!」と飛びつく人がいますが、おそらくすぐ廃止されてしまうのでおススメしません。
なぜなら、多くの会社ではいわゆる人事の基礎ができていないからです。講演やセミナーなどの場で語られることはほとんどありませんが、斬新な人事制度の裏にはいたって真面目な基幹人事がしっかりと整備されていることがほとんど。だからこそ斬新な人事制度でもうまく機能するのですが、これを知らない人事担当者はとにかく表面だけを真似して、失敗していくのです。
トレンドを知ることは確かに大切です。しかし、それが実行できるかと言われれば話は別。スポーツの世界でも、地味な基礎練習をしっかりこなさないと次のステージには行けませんよね?人事だって同じなのです。まずはベースとなる基幹人事をしっかりと整備し、うまく運用できて初めて、トレンドを取り入れた斬新な人事を機能させることができるのです。
今回は人事担当者としての心構えとして
・全体像を意識する
・裏はあっても影はつくらない
・流行に飛びつかない
ということをお伝えしました。
もちろん今回は心構えの中のごくごく一部です。これからも色々なところから情報を吸収して、人事担当者として成長していってください。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
人事制度の改革には反対意見がつきもの。
私たち人事はその反対意見に対して
どのように対処していけばいいのでしょうか?
今回は人事制度改革を行うにあたり、
意識しておくべきことをご紹介いたします。
会社は利益を追求する組織ですが、社員に求めるものはそれだけではありません。
会社における「困った人」を出さないために、人事は社員を評価する制度をしっかりと定めましょう。
バブル崩壊後、企業は採用を抑制し、ジョブ型雇用に切り替えようと試みました。
しかしその試みが上手くいった企業は少ないのが現状です。
ジョブ型雇用が注目を集める昨今、
会社は過去の教訓を活かしどのように動くべきなのでしょうか?
コロナ禍で活用されているリモートワークですが、社員から不満の声があがっている、という企業も多いようです。 一口に“不満”といっても様々なタイプの“不満”があります。例えば「集中できる自室がない」「自宅のPCの処理速度が遅い」「機密性の高いデータにアクセスできない」「インターネット回線が安定しない」といった労働環境面の不満。そして、「チームメンバーに気軽に声かけができない」「正当に評価されないのではないか?という不安」といったコミュニケーション面の不満などがあります。 今回は人事課題として、「コミュニケーション面」に絞ってリモートワーク環境下で起こりがち不満とその解決方法についてお話しします。
「離職率を下げる」という目標を持っている会社は少なくないでしょう。
その目標を持って私たちにご相談いただく企業様は、
ブラック企業でもなく、労働環境が悪いわけでもない、ごく普通の企業様ばかりです。
ではなぜ人が辞めてしまうのでしょうか?
その理由は、「人事ポリシー」にありました。
キャリアステップの策定は、人材育成と離職率の低下に欠かせない施策です。
しっかりとしたキャリアステップを描き、浸透させ、社員の成長を促しましょう。
新型コロナウイルスの影響から、多くの企業でテレワークが普及している昨今。しかし「出勤することが当たり前」な働き方に慣れていると、「テレワークでも本当にちゃんと評価されるだろうか」と不安を抱いている人も多いものです。正当な評価を「されて当然」と考えるのは危険です。 では、正当に評価される行動とはどういったものなのか。逆に、ちゃんと仕事をしているのに損してしまうパターンには、どんなものがあるのか考えてみましょう。
AIや副業やアウトソーシングといった多様化する昨今の働き方。
様々な雇用形態から最適なリソースを選び取る必要がある
人事という役職に求められる人事統括としてのポジションとは。