約70%の企業が副業を禁止していると言われています。
そもそも副業はなぜ禁止されているのでしょうか?
副業のメリット・デメリットや
これからかかせない”副業制度”導入に必要なポイントを説明します。
Side view of businesswoman working on laptop while looking business chart on smartphone with other office supplies in comfortable workplace
「働き方改革」の考え方が世に広まってから数年が経ち、労働時間の短縮や有給取得といった働き手の労働環境の改善が進んでいます。
その中で、2018年1月に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表してから意識の高まりを見せているのが「副業」です。
しかし、そういった動きの中でもいまだ多くの企業が「副業」について議論しきれずにいるというのが現状があります。
2018年にリクルートキャリアが企業向けの調査として「兼業・副業に対する企業の意識調査」において、副業を容認している企業は3割ほど。
残りの7割の企業が副業を禁止していると回答していることからも、まだまだ企業の副業に対する理解は進んでいないといえるでしょう。
そもそもなぜ、多くの企業で副業が禁止されているのでしょうか?
それは、企業に“副業を認可することは自社にとってデメリットだ”という考え方がいまだに根付いているからです。
もちろん、副業を認可することに少なからずデメリットが存在します。
しかし、一方で自社にとって“大きなメリットがある”ということもしっかりと認識しておく必要があるでしょう。
副業のデメリットとメリットをご紹介します。
【デメリット】
・自社の情報が漏えいするリスク
次の「競合他社との利益相反」の項にも関連してくる内容ですが、やはり副業先に自社の情報が漏えいするかも、と不安視する声は多く見受けられます。
一方で、「情報漏えいのリスクは個人の裁量次第だ」とする声もあります。
副業をしていてもしていなくても、情報漏えいをする人はする…ということですね。
・自社と利益相反が発生するリスク
自社と競合状態にある他社の業務を担っている場合など、自社の利益を阻害するリスクがあります。
先ほどの情報漏えいも含めて他社に自社のノウハウや技術が流出してしまうことは防ぐ必要があるでしょう。
・始業前や就業後の副業により自社業務に支障が出るかもしれないというリスク
たとえば自社での業務の前後に副業をしていた場合、その疲れなどから自社の業務に影響が出るかもしれません。
【メリット】
・自社の人脈の拡大
副業によって得た情報や人脈を入れることで、他の企業や団体とコラボレーションして技術開発をしたり、オープンイノベーションを生み出したりといった新たな事業拡大につなげることができます。
・人材のスキルアップ
副業を通して新たな知識や経験が身につき、社員のスキルアップにつながることは企業側にとっても大きなメリットになるでしょう。
社員が本業にもやりがいを持って主体的に働けるようになったり、社員同士の競争力を向上させたりなどの効果も期待できます。
・事業機会の拡大
自社では身につけることができないスキルや知識を副業を通して身につけることで、自社の事業機会の拡大につなげることができます。
近年における労働者の副業のニーズは膨らんでおり、副業を認めなかったために離職した、というケースも目にします。
“終身雇用神話”が破綻し、労働者は自らのスキルで生活するための基盤を作っていく必要があるという考え方が浸透していっているのです。
副業は現代の多様化する働き方においては、もはや禁止できるものではなくなってきています。
それでは、いざ自社で副業制度を整える場合、いったいどのようなポイントに気をつけるべきなのでしょうか?
・労働時間の管理体制を整備する
先ほどデメリットでも述べたように、社員の健康管理はしっかりと行う必要があるでしょう。
2019年の7月には厚生労働省から副業や兼業をする人の労働時間について、社員の健康確保を前提として、月100時間未満を上限とする残業規則が示されました。
企業として社員の副業の状況や勤務時間などを把握するために、月に1度の報告を義務付けるといった体制づくりは必要になるでしょう。
・評価方法を制定しなおす
副業を申請した社員が営業職や販売職である場合はノルマで成果が分かりやすいですが、それ以外の職種の場合は新たに評価方法をしっかりと見直す必要があります。
誤った評価をしてしまった場合、社員のモチベーションの低下や離職につながる恐れがあるので、副業制度を制定する際には確実に考えなければならないポイントです。
自社で副業制度をこれから制定する場合は、こうしたポイントに気をつけながら体制づくりを進めていきましょう。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
人事にとって「離職」は悩みの種の1つです。採用難に加えて「定着せずに辞めてしまう」という課題が、人手不足をますます深刻にしています。離職率が高いのは、いわゆるブラック企業に限りません。近年はホワイト企業であっても辞める若手が増えています。その根本的な原因を探ってみましょう。
人事部門が優れている企業ほど、業績がいいことをご存知でしょうか。人事担当者の優劣は、実は企業の業績や成長力に大きく影響しています。では、優れた人事担当者を育てるには、どのような教育が必要なのでしょうか? そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、人事向けの研修に必要なカリキュラムを解説します。
様々な企業で支給されている「手当」。
中には手当を求人の売りにしているのも見かけます。
手当に対する考え方を今一度見直してみましょう。
求めるものがはっきりしていなければ、何をしても「ブレる人事」になります。
ブレない人事を実現するに、会社が求めるものを人事ポリシーで示しましょう。
日本企業はなぜ年功序列から脱却しなければいけないのでしょうか? 90年代のバブル崩壊からながらく脱年功序列、脱日本型雇用が掲げてられていましたが、結局ほとんどの企業は年功序列を脱し切れていません。企業を破滅に導く「年功序列」の弊害を改めて考えてみましょう。 総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP )の著者・西尾太が、年功序列の現状と課題についてお伝えします。
キャリアステップが必要なのはわかるけど、
どのタイミングで導入するべきかわからない。
今回はこの疑問に、フォー・ノーツ株式会社の曽根がお答えいたします。
人事異動は、多い人と少ない人がいます。また、多い人には2つのタイプがあります。どちらにしても人事担当者は戦略的に人事異動を行うことが重要です。今回は「人事異動シリーズ」第1回。『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、人事異動に関する基本的な心得を紹介します。
人事の仕事というのは売り上げ・利益に直結するものではありません。
そのためか、人事担当者には「会社に貢献している」という意識が低いようです。
今回は人事対象者を対象に行われたアンケートを参考に、人事担当者の現状とあるべき姿を見ていきます。