2019.12.20
評価制度の導入は会社にとっての変化。
中には良く思わない人もいるかもしれません。
しかし、だからといって引き下がると制度の導入が進められないばかりか、
人事が“なめられる”原因になってしまいます。
今まで評価制度がなかった、もしくは機能していなかった企業で、しっかりと評価制度を運用していこうとすると、仕事のしかた自体が変わってきます。必然的なものではありますが、このような変化に拒否感を覚える人がいるのも事実です。
とくに、企業に長く勤めている方の場合、発言に影響力を持っていることがあります。影響が大きいので企業全体の不和や分裂につながるのでは・・・と制度を推し進めるのに二の足を踏む人事担当者は少なくありません。では、どうすれば評価制度が浸透させられるのでしょうか?
もちろん、勤続年数が長い方すべてが評価制度を始めとした新しい仕組みに否定的なわけではありません。また、勤続年数に関わらず新しい制度に反発する方はいらっしゃいます。そもそも人は、「変化」という事象そのものを恐れる傾向にありますので、一般的な感覚と言っても良いでしょう。ただ企業の中を見てみると、強く反発の姿勢を持ったり拒否感を持ったりしている方は、長く働いている方の割合の方が高くなっています。それはなぜなのでしょうか?
勤続年数が長ければ長いほど、その企業を長く見続けてきています。結果として、今までたくさんの施策や制度を行っては失敗しているのを知っているのです。
つまり、反発の姿勢や拒否感の裏側には「どうせ今回も上手くいくわけない」という思いが隠れています。それは本人の性格や考え方だけではなく、企業がそのように考えさせてしまった、とも言えるのではないでしょうか。
もしかすると、ますます「そのような方を切り捨てるように制度を推し進めるのは忍びない」と感じているかもしれません。しかし、そこですぐに方針を曲げてしまうことは、経営陣や人事への不信につながりかねないため避けた方がいいでしょう。「ちょっと強く言えばすぐに言うことを聞いてくれる」と、“なめられて”しまう可能性もあります。
人事ポリシーや経営の方針に則った評価制度であれば、多少強く推し進めても必ず理解が得られます。もしかしたら賛同が得られずに、企業を去る人が出てくるかもしれません。しかしそれは、評価制度を導入したことが問題だったわけではなく、企業の経営方針や人事ポリシーに合わなかったからだと考えられます。
時には柔軟な対応が求められることもありますが、基本的に経営陣や人事は持っているメッセージがぶれないことが大切です。そうすると、他の社員にもメッセージが浸透し全員が同じ目的意識で動きます。それが企業の成長につながるのです。その評価制度を作り上げるまでには、たくさんの検討を重ね、時間をかけられたことと思います。自信を持って進める姿勢を大事にしてください。
導入すれば終わり、というわけにはいかないのが評価制度です。基本的な軸はぶれさせないことが大切ですが、運用方法や評価の結果については常に考え続けなければなりません。
評価は評価される社員と評価する上司がいますが、上司が評価した後は必ず、評価者全員で集まって「評価会議」を行うことを勧めています。評価会議の場では、社員一人ひとりの評価を細かく見ていきます。すると必ず、「この人、目標を達成していないけど何でAなの?」「しっかり目標を達成しているのにA-なのはなぜ?」と、評価が分かれるポイントが発生するはずです。
この時には、「本当にA評価なのか?」「本当にA-評価なのか?」と徹底的に話し続けることが大切です。その人自身への理解だけでなく、評価制度とはどういうものかの理解をも深めることができます。一人ひとりの評価を見ていくため、多くの時間がかかるでしょう。とはいえ評価のシーズンは決まっているので、あらかじめスケジュールを押さえてしっかり時間を確保しておけば問題ありません。
そのように評価にまっすぐ向き合って運用を続けていけば、社員の意識も変わります。「今度は本気なんだ」と、過去の失敗をたくさん見てきた社員にも伝わることでしょう(もちろん過去の施策が本気でなかったわけではないと思いますが)何よりも、経営陣と人事がぶれずに居続けること。それが評価制度を浸透させるのに最も大切なことですよ。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
人事ポリシーとは会社の「人」に対する考え方を表明したものです。
会社が抱える「人」の悩みの大半は、社員との間にある意識のミスマッチが原因です。
自社に即した人事ポリシーによって意識をすり合わせることができれば、
複数の課題が一気に解決することも珍しくありません。
「これはルールだから」と融通のきかない人事担当者は嫌われるもと。
とはいえ、人によってルールを変えていてはルールとして機能しません。
柔軟に対応することが大切ですが、
ではどのようにバランスをとればよいのでしょうか?
総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社は、代表取締役社長・西尾太の著書『この1冊ですべてわかる 人事制度の基本』出版記念特別セミナー【聞いた後でジワジワくる‼西尾太の「地味な」人事の話】を2022年11月17日、TKP東京駅日本橋カンファレンスセンターにて開催いたしました。本記事は、このセミナーの内容を再構成・加筆してお届けしています。最終回のテーマは「人事担当者の要件」。人事部長や人事担当者は、どんな人が適しているのでしょうか、大事な条件についてお伝えします。
脱・年功序列を実現するために最も重要なのは、運用です。新しい制度の運用が始まると、様々な横槍が入ります。人事担当者は抵抗に立ち向かいながら、毅然とした態度で運用をしていかなければなりません。総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP )の著者・西尾太が、脱・年功序列を成功させる人事制度の運用における3つのポイントを紹介します。
新卒採用というのは、
本来であれば明確な目的意識をもって取り掛かるべきことです。
しかし世の中には、
目的があいまいなまま新卒を採用している会社も少なくありません。
新卒採用を始める前に、
もう一度その意味を確かめてみましょう。
360度評価とは、「上司が部下を評価する」という従来の評価手法とは異なり、部下や同僚なども人事評価を行う評価方式です。この手法を導入する場合、どのような点に注意したらいいのでしょうか? そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、リアルな事例から360度評価のメリット・デメリットについてお伝えします。
管理職って評価することはあっても評価されることはないと思っていませんか?
実は管理職であっても、評価基準やコンピテンシーは存在します。
会社が管理職に求めているコンピテンシーを理解して、
もう一歩先のステージへ挑戦しましょう。
不正やパワハラなど、内部告発によって明るみに出る企業の不祥事。内部告発はとても勇気のいる行為ですが、人事に影響するのか、どんなデメリットがあるのか、気になる人も多いでしょう。そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、内部告発に対して会社や人事担当者がすべきことを解説します。