2025.12.10
人事担当者には、普遍的に求められるコンピテンシー、スキル、知識があります。キャリアステップごとにそれらを理解して身につけていくことは、これからますます大切になっていきます。今回は、人事担当者が最低限持っているべき4つのコンピテンシーを紹介します。

人事部門では時々、勘違いしたエリート意識を持った人を見かけます。「人事担当者は会社の重要な仕事を任されているから偉い」「大企業の社員だから自分はイケてる」「一流大学を出ているから自分は他の人より優れている」。こういう人は得てして他者の意見を聞こうとしないので、興味の幅が狭く、考えることが表層的です。現場に甘んじてしまうと、成長の機会を失ってしまいます。
人事担当者は、好奇心を持ってどんなことにも広く興味を持ち、前向きに物事を捉えることや、新しい考えや教えられたことを柔軟に受け入れ、それを発展させていく「創造的態度」が求められます。
ここでいう「創造的態度」とは、他者の意見や考え方、新たなアイデアや変化を前向きに捉え、それを発展させようとする姿勢と行動を意味します。人事担当者に求められているのは、さまざまな人の話に耳を傾け、変化を受け入れる謙虚な姿勢です。
なぜなら人事における最優先事項は、その時々で変化します。例えば、少子高齢化による人手不足が深刻となっている昨今は、離職を防ぐためにも若年層のエンゲージメントを高めることが特に重要になってきています。インターネットの進化にともなって、効果的な採用手法も年々変化しています。
今の自分に満足せず、人からのアドバイスを素直に受け入れ、現状がより良くなる方法を常に模索していかければなりません。上司だけではなく、同僚や他部門の社員、外部の取引会社の方や、他社の人事担当者など多くの人と交流し、幅広い情報や考え方を吸収していくことが大切なのです。
「動機づけ」とは、周囲の雰囲気を良くし、仕事の目的や意味を伝え、情熱を持って働きかけ、モチベーションを高め、チームの活性化を促すことです。
人事は、自部署だけでなく、会社全体の社員のモチベーションを高めることが必要な仕事です。すべての社員の言動に注意を払い、元気のない人がいたら「どうしましたか」と声をかけてみる、やる気が落ちている人がいたら、その原因を探り、取り除く努力をする。さらには「こういうふうにやってみたらどうでしょう?」と提案するなど適宜フォローすることを心掛けていきましょう。
特に最近の若い世代は、仕事の意味や目的、また「社会の役に立つかどうか」も重要視するようになってきたといいます。なぜそれをするのか、すべきなのか、実際に行動したらどうなるのかを具体的に示し、各自が納得して目標を達成する雰囲気をつくることが重要となります。
また、人事制度の見直しも「動機づけ」につながります。例えば、自己申告制度を導入すれば、「本人が異動を希望しています」と優秀な部下を手放したがらない上司を説得しやすくなります。少しずつでも社員の希望を叶えていけば、個々のモチベーションが上がり、会社全体の雰囲気ががらりと変わります。
どうしたら社員のモチベーションが上がり、幸せになり、会社がもっと良くなるのか。その仕組みを常に考え続けていくことも人事の仕事なのです。
人事担当者にとって特に大切といえるコンピテンシーは、「情報収集力」と「問題分析力」です。必要な情報を多方面から入手し、多くの人の意見を聞き、大量の情報の中から必要な情報とそうでない情報を選り分け、客観的に事実を捉えていく。
例えば、ある社員が「上司からパワハラされた」と訴えてきた場合、大事な情報として受け止めることも重要ですが、それが事実なのかどうかを客観的に検証することも必要になります。1人だけが言っていることなのか、それとも周囲も言っていることなのか、情報を集め、事実を確かめるのです。
人に関する情報は、真偽の判断が難しいため細心の注意を払わなくてはいけません。なぜなら、社員の一生を大きく変えてしまう可能性があるからです。
いったい何が起こっているのか、複数の社員から話を聞くと「この人とあの人が言っていることは違う」「この情報は多くの社員が証言している」など、次第に事実が明らかになっていきます。誤った情報を鵜呑みにせず、必ず複数の情報を入手し、物事の本質を見極めるようにしてください。
だからこそ大切になるのは、日頃からさまざまな社員と交流し、人的ネットワークを広げ、複数の情報ソースを持つこと。情報を収集したら、問題の本質や物事の原因を客観的かつ多面的に捉えていきましょう。
問題分析力とは、多くの情報の中から課題解決のための重要な情報とそうでない情報を選り分け、問題を客観的かつ構造的に抜け漏れなく捉えること、また物事の原因の本質を見抜くことです。複雑な問題は、図解して“見える化”することによって、わかりやすく構造的に理解できるようになります。
その際に有効なのが、「ロジカルシンキング(論理的思考)」のツールです。プロセス図、マトリクス、ロジックツリー、ピラミッドストラクチャーなどがあり、これらは過不足なく情報を整理し、問題の本質に迫ることに有効です。
「人事」という領域はエモーショナル(感情的)に捉えられがちですが、だからこそ客観的に物事を捉えることも重要なのです。ロジカルシンキングについては、簡単な本でも良いので、全体に目を通して基本を習得しておくと良いでしょう。人事担当者として確実にスキルアップできるはずです。

人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?

中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。

ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!

テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。

人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
JBpressにてビジネスパーソン向けのWebコラムを12月11日(水)よりスタートいたしました。
今回は人事担当者が持っておくべき心構えについて、
フォー・ノーツ代表の西尾がお話いたします。
人事部に配属されてまだ日が浅いうちは、目の前の仕事で精いっぱいかもしれません。
そんなときには心構えを思い出して、必要なことを再確認してみて下さい。
人事がブレると、どうなってしまうのか?あまり想像ができないかもしれません。
しかし、人事のブレは採用、育成などの
「人」に関わる事柄に大きな影響を与えるため、
「人事の基盤」としてしっかり策定することが大切なのです。
いま再び注目を集めている「ジョブ型雇用」や「成果主義」は決して新しい考え方ではありませんが、これからの働き方を考える中では重要な要素です。 その実現のためにはジョブディスクリプション(職務記述書)が必要とされています。しかし、ジョブディスクリプションの策定や運用には、様々な課題も想定されます。 「働き方」「雇用のあり方」「管理のあり方」「評価のあり方」「給与・処遇のあり方」といった「考え方」そのものをどこまで変えるのか、といったことをよく考える必要があります。 今回は代表西尾から、これからの時代の働き方や評価についてお伝えしていきます。
第4次人事革命において最も重要なのは、「どこでも通用する人材」をつくる人事施策です。それができれば優秀な人材が集まります。「あの会社に入れば、どこでも通用する」というのは、どんな求人メッセージよりも強力です。今回は、フォー・ノーツ株式会社の代表であり『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、どこでも通用する人材=「超ジョブ型プロフェッショナル」のつくり方をお伝えします。
バブル崩壊後、企業は採用を抑制し、ジョブ型雇用に切り替えようと試みました。
しかしその試みが上手くいった企業は少ないのが現状です。
ジョブ型雇用が注目を集める昨今、
会社は過去の教訓を活かしどのように動くべきなのでしょうか?
人手不足の解消は、多くの人事にとって切実な課題となっています。人材を確保する手段は、正社員だけではありません。それは「正社員」でなければならないのか。人事担当者は、慎重に検討しなくてなりません。正社員雇用の際には、「留意すべきポイント」があります。
新卒社員の「配属ガチャ」による早期離職が話題になっています。本人の希望を叶える人員配置は、人事担当者の重要な役割です。強い企業は、どのように人事異動を行っているのか、そもそも人事異動の目的とは何なのか。人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、企業における人材育成という観点から深掘りします。