2020.08.28
リモートワークが日の目を浴びるようになって、はや数ヶ月。
上手く機能している企業とそうでない企業に分かれ始めています。リモートワークをより効率的にするためには、どのような人事評価を行えばよいのでしょうか。
リモートワークの特質と、そこでの評価項目の決め方についてお話しいたします。
リモートワークでの勤務であっても、会社と社員との間の労働契約はオフィスでの勤務と変わりはありません。ですので、例え勤務場所が自宅であっても、社員には様々な義務があります。
例えば、勤務時間中は指揮命令に従い職務に専念しなければならない「職務専念義務」や、会社の秘密を漏らしてはならない「守秘義務」、競合する会社と取引してはならない「競業避止義務」などです。
これらを厳密に果たしていれば、リモートワークは意外と不自由であるはずなのです。しかし、リモートワークではこの意識は薄れてしまいがちです。自宅であるばかりに勤務時間内であっても、つい他のことをやってしまうかもしれません。
「業務時間中に電話を鳴らしたらすぐ出る」、「オンライン会議の際は企業情報の漏洩に気をつける」など、当たり前のことではありますが、リモートワークが導入されているのであれば、今一度こうしたリテラシー教育が必要になるでしょう。
リモートワークでは、社員一人一人の働きぶりを把握することが非常に難しいです。
そのため、何時間働いたかではなく、どのような成果を挙げたか評価する成果主義にシフトしていくことは避けられないでしょう。
では、人によって異なる成果をどのようにして見つけ出し、評価すればよいのでしょうか。
成果を評価するにはまず、達成したかどうか明確に判断できるよう、目標が当然必要です。
目標を立てること自体はどこの会社でも行っていることではありますが、重要なポイントは「達成したかどうか明確に分かる目標にすること」です。そのように目標管理できている会社は多くありません。
各ポジションで異なる目標を考える時に重要なのは、経営者と社員自身がその役職の「メインミッションは何?」という問いから始めることです。何のために会社に勤めていて、誰にどのような価値を提供するため仕事をしているのか。
そこを明確にしていくことで、それぞれのメインミッションが見えてくるかと思います。
そして、メインミッションを設定するコツは「××をより〇〇にする」という言い方で表すことです。
例えば、経理部であれば「今の経理システムを”より”効率化する」、人事部であれば「人事の仕組みを”より”効果的にする」などといったようにメインミッションを設定します。そこから、明確かつ細かな目標を立てていくのです。そもそものメインミッションの認識が経営者と社員自身で食い違っていたら、正しい目標が設定できず、ひいては正しい人事評価もすることができません。
また、最近はリモートワークの普及に合わせて、PC監視ツールなどを社員の生産性の向上を目的として導入する会社もあります。間違えてはいけないのが、これらは社員の生産性を上げて成果を生み出すためのものではないということです。
監視されているという緊張感から社員の集中が増す可能性はありますが、こうしたツールは成果が上がっていない場合にその原因を探る目的で用いられるものです。それよりも、監視ツールの前段階として、会社側と社員側でメインミッションの認識にズレがないか対話をすることが重要です。
リモートワークの広がりで成果主義にシフトしつつある昨今、従来の年功序列を見直す動きが広まっています。このような転換期だからこそ再度、根本的な所から考え直してみる必要があるのではないでしょうか。
それぞれのメインミッションをはっきりさせること。
そうすることでリモートワークが機能し、人事の評価も適切に行えるようになるでしょう。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
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この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
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その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
360度評価とは、「上司が部下を評価する」という従来の評価手法とは異なり、部下や同僚なども人事評価を行う評価方式です。この手法を導入する場合、どのような点に注意したらいいのでしょうか? そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、リアルな事例から360度評価のメリット・デメリットについてお伝えします。
「そろそろ評価の時期だから、気にしておかなきゃ」
このように考える人は、評価する管理職にも、評価される社員にも少なくありません。
「評価の時期だけ自分の評価を気にする」――果たして、それで良いのでしょうか?
パワハラの防止措置は、大企業では2020年6月1日から雇用者側の義務となりました。中小企業でも2022年4月1日より適用されます。そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、ハラスメント研修の目的やその必要性について解説します。
「オンライン会議に臨むときの服装」や「ZOOMの背景」など、テレワークには注意すべきポイントがいくつかあります。
テレワークでは身だしなみについては決まったルールがありませんが、客観的にみて「今の身だしなみが周りにはどう映るのだろう」と考えでふさわしいか否かを検討するのがよいでしょう。
「これはルールだから」と融通のきかない人事担当者は嫌われるもと。
とはいえ、人によってルールを変えていてはルールとして機能しません。
柔軟に対応することが大切ですが、
ではどのようにバランスをとればよいのでしょうか?
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しかしその試みが上手くいった企業は少ないのが現状です。
ジョブ型雇用が注目を集める昨今、
会社は過去の教訓を活かしどのように動くべきなのでしょうか?
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会社における「困った人」を出さないために、人事は社員を評価する制度をしっかりと定めましょう。