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Case
九州大学病院ARO次世代医療センター

医療界の挑戦:九州大学病院ARO次世代医療センターの人事制度構築

センター長 戸高 浩司氏

九州大学病院ARO次世代医療センターは、先端技術に基づいた新しい医療の開発を支援し、推進するために設立された組織です。科学的で倫理的、かつ信頼性のある臨床研究を推進することで、医学の発展に貢献することを使命としています。医療法上の臨床研究中核病院として、重要な役割を担っています。一般企業とは異なる組織文化や価値観に人事制度をうまく取り入れた、センター長の戸高浩司氏にお話しを伺いました。

現状の課題:後発組織の特殊性とモチベーション低下

―人事制度導入のきっかけは何でしたか?

九州大学病院ARO次世代医療センターは、組織の特異性や拡大によって人事課題が山積みとなっていました。特に職員のモチベーション低下と未成熟な組織構造が大きな問題でした。知人に相談し、フォー・ノーツさんを紹介いただいたことが、導入のきっかけです。

当センターは有期雇用の職員が7割を占めていて、入職時に決まった号棒からほとんど変わらない状況が続いていました。そのため、どれだけ頑張っても待遇が変わらないと諦め、職員のモチベーションが低下していました。
さらに、立ち上げ当初は4人だった当組織も、20年経った現在では100人の規模になりましたが、組織構造はほぼフラットで、統治がうまくいかなくなっていました。

人事制度導入の難しさと成功

―人事制度導入の難しさはありましたか?

正直最初は、組織制度を変えることへの不安や反発がありました。当センターは専門職の集団なので、個人で働くという風土がありましたし、一般企業とは異なる組織文化や価値観に人事制度がフィットするのか不安でした。
また、全員がプレイングマネージャーとしての役割を持っているため、なるべく負担をかけないように段階的な導入をするように意識しました。人事のための会議を別の会議と合わせて行ったりなど、「スリム化」や「簡素化」を図り、当組織にフィットするよう工夫して構築していきました。結果として、みんなで少しずつベストな状態を見つけることができて、今は新しい文化として根付き始めています。

意外な発見:人事の重要性とその役割

―導入後に見られた変化は何ですか?

人事制度を導入してから、職員のモチベーションが目に見えて向上しました。以前は個人で動くことが当たり前だったので、管理職としての認識や自覚が薄く、部下に目が行き届きにくい状況でした。しかし、組織構造を再定義して、それに合わせた人事制度を通じて上司・部下と明確にしたことで、コミュニケーションが新たに生まれたり、円滑に行われるようになりました。
「教育なんて忙しくてやっていられない」という意識から、部下をちゃんと育てようと積極的に育成が行われるようになったことは組織として非常に大きな変化だと感じます。

また、導入を始めてから案外面白い、ためになる、といった良い意味で予想を裏切る反応もありました。不安に思っていた反発も回数を重ねるごとに組織として必要だよなという認識が広まり、今では協力的に上手く運用しようとしてくれています。
組織全体のつながりが生まれたことで人間関係のトラブルも減りました。

人事制度導入の印象に残る出来事

―人事制度を導入して一番印象に残っていることは何ですか?

適性診断やポストイットを使ったワークショップなど、ここまで手間をかけるのかと驚きました。人事制度の構築には多くの時間と労力が必要ですが、それが組織の根幹を成すことを実感しました。人事の重要性とその役割について再認識する良い機会となりました。

他にも、業界的に何かを言い出すのが苦手な人が多いんですが、人事制度導入で会話の場が生まれ、コミュニケーションが活発になりました。実はみんなもっと話したかったんだなと意外な発見もありましたね。

他の大学への提言

―他の大学機関にもおすすめしたいですか?

大きな組織や一般企業でなくても、人事制度は必要だと強く感じました。特殊性の高い当センターでも明らかな効果がありました。
どこの大学でも同じような組織では、人事に苦しんでいると思います。ほとんどの組織が概念的には人事制度の必要性を理解しているけれど、どう構築していけばいいのかわからずにもがいているように感じます。
例えば、評価システムが形だけのものになって、それが実際に反映されているかどうかに疑問を持っていても、多くの職員は有期雇用だからと諦めてしまう。基準に基づく評価とコミュニケーションをとっていかないといけません。
そして、実は評価する側にも自信がないんです。そこにちゃんと体系的な仕組みを入れたことで客観的に評価ができるようになったことが当センターではすごく強みになりました。

もし人間関係等に問題を感じているのであれば、課題の洗い出しという点から、ぜひ導入をお勧めします。

人事に悩む組織へのメッセージ

―最後に、人事に悩む組織へのメッセージをお願いします。

『人事』という言葉からイメージするものを改めて見直してほしいです。組織は人そのものであり、人事制度はその人たちがハッピーに、楽しく仕事ができることを目指すものです。人事制度は管理することではなく、働く人が幸せを感じることができる環境を作ることだと、今、実感しています。

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