しかし、テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
会社のミッションを理解し、チームの目的を理解し、その達成のために自分がやるべきことを洗い出し、遂行できる人材。つまり、自分のジョブディスクリプションを自分で書ける人材しか、テレワークを任せきれないのです。そして、そのような人材は副業などの「多彩な働き方」を希望するケースが多い傾向にあります。
つまり、「そもそも雇用契約でなければならないのか?」が問われる時代が来たのです。
「辞めなければいつかは収益化できる」と思って雇った人材は「やる気のない中高年」となり、リストラの対象となる時代。もはや、辞めないだけでは人材の価値がない時代になったのです。
成長し続ける超ジョブ型プロフェッショナル人材を採用し、新卒採用についてはコア人材を育成を目的とするなどして、意識的に組織文化を醸成する。一人ひとりが自立して自分の仕事を生み出し、実行できる組織を形成していく…。
この本を読んでいただければ、そんな理想的な組織への第一歩を明確にイメージしていただけるはずです。
- HRの施策は他に様々な影響を及ぼす
- 課題①ジョブ型:自分のジョブディスクリプションを自分で書けない社員はいらない
- 課題②テレワーク:テレワーク推進には「ミッション」と「目標」の明確化が不可欠
- 課題③契約形態の多様化:優秀な人は契約形態にこだわらない
- 課題④DX対応:CTOやCIOと共にHRを考える
- 課題⑤黒字リストラ:その前に取り組むべきこと
- 課題⑥副業:「副業OK」の会社に人材は集まる
- 課題⑦3年でやめる社員:「やめない人を採用しよう」ではコア人材は作れない
- 課題⑧労務リスク:「危機の匂い」をかぎ分けて毅然とした対応を
- 課題⑨管理職教育:「1 on 1」を面倒がる管理職はいらない
- 課題⑩脱・東京:「地域限定社員」は慎重に
- 課題⑪SDGs:きちんと対応しなければならないこと
- 課題⑫ワークライフバランス:「働き方改革」よりも「働く考え方改革」を
- 課題⑬上昇志向の低下:「成長意欲のない人」をどうしていくか
- 課題⑭従業員シェア:雇用を守るために本当にすべきこと
- 「どこでも働ける人材」を作る
- 超ジョブ型プロフェッショナルが働きやすい環境を作る
- 超ジョブ型プロフェッショナル採用のチェックリスト
- 社員のレベルとビジネスモデルの優秀さ
- 企業の成長ステージとHR
- HRの優劣が企業の将来を決める
- HR部門の役割と構築
〈付録〉
セルフジョブディスクリプションの記入フォーマット
・記入のポイント
・記入例(人事部門長、営業マネージャー)
いすゞ自動車人事労務部門、リクルート人材総合サービス部門を経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)にて人事部長、クリーク・アンド・リバー社にて人事・総務部長を歴任。2008年フォー・ノーツ株式会社設立。以来300社以上の人事制度に携わり、「人事の学校® 」においては企業人事を体系化したプログラムによって3000人以上の人事担当者教育を行う。またパーソナリティと職務行動発揮予見を可視化する適性検査B-CAV testを開発し、人事制度と個人のパーソナリティとの関連性を科学的にフィードバックする体制を確立する。2015年に自身4冊目となる「評価基準(三笠書房)」を出版しベストセラーとなるなど、著書多数。