2026.01.27
人事担当者には、普遍的に求められるコンピテンシー、スキル、知識があります。キャリアステップごとにそれらを理解して身につけていくことは、これからますます大切になっていきます。今回は、前回に引き続き「人事担当者が最低限持っているべき」コンピテンシーについて紹介します。

人事担当者としてステップアップしていくうえで重要度が増していくコンピテンシー、それが「状況把握」と「自己客観視」です。「状況把握」は、自分自身やチームが、今どういう状況にあるかを客観的に捉える能力です。「自己客観視」は、自分の長所や短所を客観的に捉え、批判を受け入れる強さを持つことを意味します。
古代ギリシャの哲学者ソクラテスの言葉に「無知の知」があります。これは「自分が物事を知らないことを自覚している」という意味なのだと考えられ、非常に大事なことです。
自分は何を知っていて、何を知らないのか。何ができて、何ができていないのか、まずはそこを自覚することが重要です。自分の知らないことや、できていないことを自覚して、勉強や努力をしていく。この姿勢がなければ、人は成長できません。
問題なのは、「知らないこと、できていないこと」を「気づいていない、自覚していない」ことです。一流の大学を卒業し、MBA(経営学修士)を取得している超エリート人事担当者でも、職場で「困った人」になっているケースは珍しくありません。
彼らは新人であっても、会社の戦略について雄弁に語ることができたりします。「戦略策定」は、部長以上に求められるコンピテンシーです。若くしてそれができるのですから、潜在的に非常な優秀な人といえるでしょう。
しかし、人事担当者に最初に求められるのは、給与を計算することや、必要な資料を作成することです。あるいは、チームワークやマナーといった社会人としての一般常識であり、会社員としての基礎力です。それらが身についていない状態で組織全体が取り組むべき「戦略」について語っても、何の説得力もありませんし、評価の対象にもなりません。
むしろ“評論家”と揶揄され、やるべきことをやらない「困った人」として問題視されてしまうでしょう。実際に、私は多くの経営者の方々から「評論家はいらないんだよ」という言葉を聞いてきました。たとえ超エリートであっても、まずは順番が大切なのです。
「状況把握」は、自身と周囲の人々や物事の関係性およびその環境を的確に理解し、適切な言動を取ること。「空気を読む力」といってもいいでしょう。「自己客観視」は、自身を客観的に振り返ることができ、自身の良いところ、改善すべきところを把握し、常に自らをより良くしようとすることです。
これらは、コミュニケーションの根底にあるものです。人間関係のトラブルの多くは、この2つのコンピテンシーから発しているともいえます。自分自身が今どういう状況にあるのかを客観的に捉えること、自己評価を適切に行うこと、場の雰囲気を把握しながら適切な言動をとること、どれも非常に重要です。
どちらも非常に難しいコンピテンシーですが、逆にいえば、「状況把握」と「自己客観視」を身につけることによって、人事担当者として大きく飛躍できることでしょう。以下のチェック項目を常に意識するようにしてみてください。
<状況把握・自己客観視CHECK>
□自分自身を客観的に捉えている。つど振り返り、反省している
□場の雰囲気を察し、適切な言動をとっている
□場の雰囲気を良くする。浮かない。沈めない。
「状況把握」と「自己客観視」は、職位が上がり、マネージャーや部長になっても常に求められます。だからこそ、早いうちから意識して身につけてほしいのです。自分に求められていることは何か。自身や部署が置かれている状況を客観的に捉えて、適切な言動を心がけていきましょう。
そして、人事として大切になるのは、相手の話をよく聞き、理解を示し、信頼を得ることです。「共感力」「傾聴力」「チームワーク」も、持っているべき最低限のコンピテンシーとなります。
「共感力」とは、自分とは異なる考えを持っている人の話でも最後まで聞き、理解し、同じ気持ちになってみようと努めることです。自分の価値観を押しつけたり、話を途中で遮ったり、否定したりせず、まずは相手に「受け止めてもらえた」という安心感を与えることが重要です。
また、相づち・うなずき・言い換え・要約などを会話の中に挟み込んで、相手を理解しようとしていることを言葉や態度で示しましょう。
「傾聴力」は、共感力を発揮し、相手の話を聞き、相手が「この人にわかってもらえている」と思うまで「聞き尽くす」ことをいいます。これが相手との信頼関係の構築につながるのです。
「チームワーク」は、メンバーと協調し、積極的に他者に協力することです。困っている人がいたら助け、チームの方針を理解して働きます。チーム内の自分の役割を認識し、責任をもって、その役割を果たします。自分が得た情報をチームに提供する姿勢や、自分の意見と異なっていても、チームが決めたことに協力することが大切です。
共感力、傾聴力、チームワークは、「受信力」のコンピテンシーといえます。人事は、人の話を聞く仕事です。社員の悩みを聞く、管理職の相談に乗る、応募者の話を聞く、すべて人の話を聞くことから始まります。相手の話を聞かない、理解しようとしない、自分の話しかしない、相手の感情や異変に気づかない。周囲に協力せず、他者を助けない、情報を囲い込み、他者に有益な情報を与えない。これらはすべて人事担当者としてのNG行動です。
相手の話を遮らず最後まで聞く。相手を受け止め、安心感を与える。他者の異変に気づく。人の意見を受け入れ、協調する。自分が得た情報をチームメンバーと共有して対策を練る。人事担当者は、これらの行動を意識して「受信力」のコンピテンシーも高めていきましょう。

人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?

中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
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ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
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テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。

人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
求めるものがはっきりしていなければ、何をしても「ブレる人事」になります。
ブレない人事を実現するに、会社が求めるものを人事ポリシーで示しましょう。
「オンライン会議に臨むときの服装」や「ZOOMの背景」など、テレワークには注意すべきポイントがいくつかあります。
テレワークでは身だしなみについては決まったルールがありませんが、客観的にみて「今の身だしなみが周りにはどう映るのだろう」と考えでふさわしいか否かを検討するのがよいでしょう。
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採用に関する問題を解決していくためには、「自社が求める人材像」を明確にすることが必要です。今回は「心と能力」という観点に着目してみましょう。「心はきれいだけど、能力が低い人」と「心はきれいではないけれど、能力は高い人」、あなたの会社ではどちら採用しますか?
「離職率を下げる」という目標を持っている会社は少なくないでしょう。
その目標を持って私たちにご相談いただく企業様は、
ブラック企業でもなく、労働環境が悪いわけでもない、ごく普通の企業様ばかりです。
ではなぜ人が辞めてしまうのでしょうか?
その理由は、「人事ポリシー」にありました。
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