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第20回 会社で「暇」を感じているなら、あなたは「リストラ対象」である

中高年の皆さん、暇ってありますか?もし暇な時間があるのでしたら、その活かし方こそが生きる道となります。中高年になると、仕事はそこそこでいいかなと考え、プライベートを充実させようとする人が増えてきます。それはそれで、いいことだと思うのです。プライベートが充実していれば、「暇」ではなくなります。

会社のなかで「暇」があるなら「危ない」と思え

中高年の皆さん、暇ってありますか?

もし暇な時間があるのでしたら、その活かし方こそが生きる道となります。

 

 

中高年になると、仕事はそこそこでいいかなと考え、プライベートを充実させようとする人が増えてきます。それはそれで、いいことだと思うのです。プライベートが充実していれば、「暇」ではなくなります。

私自身もそんなに暇ではありません。最近太ったので時間があればスポーツクラブに行きますし、休日のどちらかはゴルフです。実家の母親の様子も見に行かなくてはならないので、空いている時間はあまりないです。

しかし、もし会社のなかで暇があるようでしたら「危ない」と思ったほうがいいです。週のうち半日ぐらい暇ならいいですが、毎日のように暇があるとしたら、会社にとって「いらない人」になってしまっているのかもしれません。

暇であること自体が危ない。そう認識したほうがいいでしょう。すぐにリストラされることはないとしても、時間の使い方について考える必要があります。

人生、先が短いのですから、暇な時間を無駄にしている場合ではありません。

会社にいる以上は、仕事に役立つことをすべきです。

 

 

では、何をしたらいいのでしょうか?

私のおすすめは、「小ネタのモジュール」を作ることです。

 

時間があるなら「小ネタのモジュール」を作りましょう

「小ネタのモジュール」とは、私の元上司が使っていた言葉ですが、要はちょっとしたエピソード集。自分が経験したことを、後進のために書き残すのです。

ネタは何でもいいのです。「クレームがあったときは、こうしよう」といった対応の仕方でもいいですし、「謝りに行くときは、〇〇の羊羹を買っていこう」といったちょっとしたアドバイスを残してもいい。「上司とうまくやるには、こうしよう」でも「お客さんと飲みに行くなら、〇〇がいいよ」でもいいでしょう。

大事なポイントは、抽象論ではなく、具体的なエピソードを簡潔に書くこと。

「仕事はマジメにやるべし」なんて書いても、誰も読んでくれません。「やりがいのある仕事だよ」だけでは、抽象的すぎてピンときません。

「こういう大事件があったときに、こういう対処をしたよ」とか「こういうヤツがいて、こういう失敗をしていなくなったよ」などと、できるだけ具体的に書く。

起承転結をつけて長々と書く必要もありせん。原稿用紙1枚くらいで十分です。

具体的で簡潔なエピソードなら、誰かに読んでもらえるでしょうし、そういう小ネタって面白いじゃないですか。

書きためたものは、会社のサーバーに上げてもいいですし、退職するときにデスクの上に置いていってもいいでしょう。きっと誰かの役に立つはずです。

たとえ誰にも読まれなくてもいいのです。「小ネタのモジュール」を作ることは、あなた自身の役にも立ちます。

 

相手が望むことを具体的に語れる人は強い

具体的なエピソードを簡潔に語れるスキルは、いろいろな場面で役に立ちます。

例えば、人事の場合、面接の際に「こんなエピソードがありました」とか「こんな面白い人がいてね」と、会社の様子をありありと伝えられる採用担当者は強いです。

具体的なエピソードは、会社の様子がイメージしやすいので、応募者にも会社の魅力がシンプルに伝わり、新卒の内定辞退も少なくなったりします。

それは求職者も同じです。私はクライアント企業の「社長の近くで働く人を募集」という採用活動のお手伝いをしているのですが、自分の経験を具体的なエピソードとして話せる応募者は、自身の魅力が相手に伝わりやすく、経営者のウケもいいです。

逆に、抽象論しか語れない人は、どんなに立派なことを語ったとしても、風景がまったく見えてこないので、だいたい面接で落ちます。

会社で暇な時間が多くなってしまっている人は、リストラに備え、転職についても考えておいたほうがいいでしょう。自身の経験やスキルを端的に伝えることができるエピソードをまとめておけば、転職活動でも活かすことができます。

 

 

キャリアの振り返りは、今の会社でも定年後でも役に立つ

キャリアの振り返りは、今の会社でも定年後でも役に立ちます。小ネタのモジュール作りは、キャリアの棚卸しになります。「あ、自分の強みってこういうところだったんだ」と改めて気づくことができるはずです。

自分の強みを仕事で活かすことができれば、成果が上がり、活躍の場も広がったりします。暇ではなくなり、会社にとって必要な人材になれます。

書くだけではなく、口頭で伝えてもいいでしょう。この連載の第15回で「年を取ってやっちゃいけないのは、説教と昔話と自慢話」(リンク:https://www.alphapolis.co.jp/business/official/nishio/6132)とお伝えしましたが、1分で簡潔に話すことができるのなら、昔話もありかもしれません。

「昔はこうだった」という中高年の昔語りも、具体的なエピソードとして簡潔に話すことができれば、若い世代にも興味深く聞いてもらえるのではないでしょうか。

具体的な小ネタは聞いている方も面白いですし、仕事に活かせるネタであれば、後進や会社の役に立てます。

私たちの世代は、60歳や65歳で定年退職しても、その後も何かの仕事をしていく可能性が高いです。「自身の経験値を具体的に話せる」「1分で簡潔に相手に伝えられる」、こうしたスキルは、定年後の仕事探しにも活かせます。

暇になっている人だけに限りません。空いた時間を有効活用して、小ネタのモジュールを書いてみましょう。いろんな場面で、あなたの役に立つはずです。

 

次回につづく

 

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