2024.07.15
リモートワークは、社員が働いている姿が見えません。プロセスが見えない以上、会社がより重視するようになるのは「成果」です。前回の記事(前回記事のリンク入れて下さい)でそのようにお伝えしましたが、 今回は個人が成果を出し、より評価を上げていくための具体的な方法をお伝えしたいと思います。成果を出し、高い評価を得る方法は、極めてシンプルです。
リモートワークは、社員が働いている姿が見えません。プロセスが見えない以上、会社がより重視するようになるのは「成果」です。前回の記事(前回記事のリンク入れて下さい)でそのようにお伝えしましたが、 今回は個人が成果を出し、より評価を上げていくための具体的な方法をお伝えしたいと思います。
成果を出し、高い評価を得る方法は、極めてシンプルです。
前回お伝えしたように自身の「ミッション」を「〇〇を、より〇〇する」といったように明確にし、そのうえで自ら「目標」を立て、それを達成すること。
ここで重要なのは「目標」の「達成基準」を明確にすることです。
達成基準とは、何をしたらOKといえるのか、目標を達成したといえるのか、
上司に対して、ハッキリとわかるように示すこと。これがより重要になってきます。
なぜなら「頑張りました」では、もはや評価されない時代になっていくからです。
社員が働いている姿が見えない以上、会社は「成果」で評価するしかありません。
社員が提供する「成果」に対して、会社が対価として給料を払う。リモート時代における社員と会社の関係は、そんな「企業と顧客の関係」に近いものになっていくでしょう。
雇用契約とは本来「労務を提供して賃金を得る」というものですが、特に日本では一緒に同じ場所で過ごした「時間」から生まれる「人間関係」や「頑張り」といったプラスアルファの、しかし曖昧な要素に対しても給与を払ってきました。
けれど、リモートワークが中心となるこれからの時代では、同じ場所と時間を共有することがなくなり、人間関係も希薄になっていくかもしれません。頑張る姿も、直接目にすることはできません。会社(=顧客)が求めるのは、「成果」に絞られていきます。
一般的な顧客との関係においても、お客様に対して「いやぁ、頑張ったんですけどね」などと言っても、商品やサービスに価値を認めてもらえなければ、お金を払ってもらえませんよね。社員と会社の関係も、それと同じようになっていきます。
ましてや、いまや多数の企業が廃業を迫られる、未曾有の不況が訪れようとしています。社員と会社の関係は、よりシビアでドライな、本質的な雇用関係、いや「契約関係」に変化していくはずです。
日本では、約8割の企業が「目標管理制度(MBO」を導入しています。これはもともと経営学者のピーター・ドラッカーが提唱したもので、上司から一方的に指示して業務を遂行させるのではなく、社員一人ひとりが組織の目標について考え、自分で目標設定を行い、上司と相談したうえで実行し成果を出すという、「自身と組織の目標をリンクさせるマネジメント手法」です。
上から目標を与えるのではなく、個々が何をすべきかを考え、自分自身で目標を決めるので、社員も「やらされ感」がなく、意欲的に仕事に取り組め、かつ組織の成功にも貢献できる、とされています。
MBOは目標達成と人材育成が一体化した優れた人事制度ですが、残念ながらうまく運用できている会社は多くありません。そもそも上から目標を落としているケースが多く、ドラッカーが提唱していた本来の考え方とは違ったものになってしまっているのが実情です。
しかし、リモート時代に必要になってくるのは、本来の意味での「目標管理(Management of Objectives and Self Control)」=「目標と自己統制によるマネジメント」です。
「目標とは、与えられるものではなく、自分自身でつくるもの」
ドラッカーがそう提唱したのは1954年。今から70年近くも前のことですが、当時も肉体労働から知的労働へと人々の「働き方」が大きく変わる時期でした。
今、私たちも「働き方」が大きく変化する時代の転換点に立っています。「目標と自己統制によるマネジメント」という発想を改めて捉え直し、実行すべき時期が来たのだと思います。
では、どのように「目標」を明確化したらよいかというと、次の4つの視点が必要になります。これらは「バランス・スコアカード」(Balanced Scorecard/BSC)と呼ばれる業績評価の仕組みの視点です。
①財務の視点
お金の視点、要は最終的な「数字」です。営業であれば売上目標。総務や経理といった成果を数値化しにくい職種であっても、「業務効率化5%」「経費精算を中4日から中3日に」などと数値化し、成果を「見える化」することによって正当な評価(給与)を得やすくできます。
②顧客の視点
その数字を上げるために、顧客にどんな価値を提供するのか。顧客とは、いわゆるエンドユーザーだけではありません。お客様と接する機会のない職種であっても、仕事には必ず価値を提供している相手がいます。経営者、役員、株主、上司、社員などを「お客様」として捉えることが重要です。そうした顧客に、どんな商品やサービス、あるいは仕事の成果といった価値を提供するのか。顧客を明確化することは、目標設定をするうえで非常に大事なポイントです
③プロセスの視点
顧客に価値を提供するためには、どんな仕組みをつくって実現するのか。どのように効率化するのか。目標達成のための「プロセスの視点」も重要です。顧客に安定的に価値を提供していくための「仕組み」や品質向上のための仕組みや取り組み、業務の効率化など、過程提供の仕組みの視点は、今年だけでなく、来年以降の財務的価値、顧客への提供価値を高めていくために大切なことです。
④人材の視点
上記のプロセスを行うためには、どんな能力が必要になるのか、その学習のために必要なものは何か、自身の成長ステップも明確にする必要があります。管理職だったら、部下の育成方法もここに含まれます。目標達成をするうえで必要となる能力を明確化し、それを獲得する手段、あるいは育成する手段を明示しましょう。
以上の4つの視点に加え、今までやったことがない新たな取り組みをする「革新の視点」を加えることができたら、言うことありません。
この4つ、ないし5つの視点を個人の目標設定に応用するのです。
1990年代のバブル崩壊後にも、現在と同じように「成果」を重視する、いわゆる成果主義がブームになりましたが、結果的には失敗に終わりました。それは①の「財務の視点」しかなかったからです。数字だけを目標にしてしまうと短期的視点に陥りがちで、顧客への価値提供・プロセス・人材の育成といった、企業や個人にとって大事なものを失ってしまいます。
しかし、これら4つの視点をバランスよく持つことができれば、今期や今年度といった短期的な目標だけでなく、来年以降の価値提供も含めた長期的な成果を目標にすることができます。
これらすべてを満たす目標設定は、最初は困難かもしれません。しかし、このように自ら目標を立体的にし、上司に承認をもらって、達成のための計画を立てて実行し、高い成果と評価を得ることができれば、これまで以上の年収を得ることも可能でしょう。
リモートワークでは、上司によるマネジメントが徹底できなくなります。だからこそ、社員に必要になるのは「セルフマネジメント」なのです。
逆に言えば、自ら目標を立て、実行し、成果を上げられる人にとっては、大きく飛躍できるチャンスなのです。リモート時代とは、ここで紹介した「4つの視点」で、目標設定を明確にして実行することこそが、ビジネスマンの価値となるのです。
次回に続く
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
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どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
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その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
ビジネスパーソンにとって、大きな悩みのひとつが「上司」です。ダメな上司の部下になってしまい、悩んでいる人も多いでしょう。私も先日、このような相談を受けました。 「うちの部署は離職率が高い。上司がダメ管理職なので困っています」 人材育成は、管理職の重要な役割。上司が本当にダメな管理職だったら、然るべき対処が必要です。ただ、その前に知っておいてほしいことがあります。
業績をあげているのに評価されない、給与が上がらない、昇進できない、そんな不満や悩みがある場合、自分では気がつかない原因があるものです。 そのひとつとして考えられるのが、「提出物」です。 交通費や経費の精算、業務報告書、決裁書、請求書、タイムシート、年末調整申請書、自己申告制度のアンケートなど、会社にはさまざまな提出物があります。
「うちは、好き・嫌いで評価していますから……」 給与、昇進、ボーナス、異動、さらには左遷やリストラなど、会社員の人生はすべて「評価」によって決まります。 評価が高ければ、給与が上がり、昇進し、ボーナスも上がる。 評価が低ければ、給与は上がらず、昇進もできず、リストラもあり得る。 ビジネスパーソンにとって本来「評価」は極めて重要なものです。 にもかかわらず、何をすれば評価が上がり、評価が下がるのか。ほとんどの会社では、その基準を明らかにしていません。
今回は「残業」について、人事がどのように考えているかをお伝えしたいと思います。残業については、もちろん厳しく見ています。だらだら残業をして毎月7〜8万円稼いでいる人は、半年たったら残業代だけで50〜60万円くらいの収入になります。ボーナスで50〜60万円はなかなかつけられません。となると、効率よく仕事して毎日定時で帰っている人よりも収入が多くなってしまいます。
がんばっているのに評価されない、給与が上がらない、昇進できない。 そういう人に多いのは、がんばり方がズレているケースです。 まずは自身のミッションを改めて確認してみましょう。ここからすでにズレている人が多いのです。会社や部署が求めていることと、自身が思っているミッションが違っていたら、会社からは評価されません。
あなたは、現在の自分の評価やポジション、給与などに満足していますか? このような悩みはないでしょうか。「高い業績をあげているのに、会社から評価されない」「実力と給与が見合わない」「自分ではなく、○○が昇進するのが納得できない」 私はこれまで1万人以上のビジネスパーソンの昇格面接や管理職研修を行い、300社以上の企業の評価・給与・育成などの人事全般にたずさわってきました。そして、多くの方々から上記のような不満や悩みを伺ってきました。評価されない、給与が上がらない、昇進できない。これらのケースの場合、その理由はさまざまですが、実は多くの人が気付いていない盲点があります。
「人事は『老害社員』と『経験値が高い社員』をどのように判断しているのか」 今回は、そんなテーマについて掘り下げたいと思います。 中高年の会社員の処遇は、日本企業が直面している大きな問題のひとつです。私自身も、さまざまな会社から以下のような相談を受けることが増えてきました。
のハラスメントが、深刻な社会問題になっています。2019年5月には、パワハラを防止するための「パワハラ防止法(改正労働施策総合推職場進法)」が成立。大企業では2020年6月1日から、中小企業では2022年4月1日から、パワハラ防止のための措置が義務づけられました。これによって必要な措置を講じていない企業は、是正指導の対象となります。そこで今回は、パワハラやセクハラの「加害者」にならないように、人事の立場から防止策をお伝えしたいと思います。