2024.05.01
50代になってくると、若い社員との世代間ギャップを感じることが増えてきます。世間話でテレビの話をすると、まったく通じないことも多く、「テレビ見ないんで」と言われて愕然としてしまったりします。これは私だけではないと思います。職場で世代間ギャップを感じている中高年の方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、「世代間ギャップを超える中高年の技」についてお伝えしたいと思います。
50代になってくると、若い社員との世代間ギャップを感じることが増えてきます。世間話でテレビの話をすると、まったく通じないことも多く、「テレビ見ないんで」と言われて愕然としてしまったりします。
これは私だけではないと思います。職場で世代間ギャップを感じている中高年の方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、「世代間ギャップを超える中高年の技」についてお伝えしたいと思います。
弊社が行った「50代社員に関する意識調査」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000073219.html)によると、20〜40代社員が50代社員に感じる課題として最も多かったのは、「デジタルツールに対応できない」(29.3%)と「新しいスキルや知識の習得に取り組めない」(25.0%)でした。
若い世代からすると、デジタルツールや新しいスキル・知識の習得について50代社員に対して激しい世代間ギャップを感じているようです。
テレビの話ができなくても仕事には何ら影響はありませんが、デジタルツールは今や必須です。これはとにかく覚えるしかありません。デジタルツールや新しいシステムの操作を若手にやらせる、自分で覚えようとせず、同じことを何度も聞く。こうした態度は、若い世代からいちばん嫌われますので、絶対にNGです。
ただ、それはそれとして、会社の中で存在感を発揮し、リストラされないようにするためには、世代間ギャップを超えるスキルや経験をアピールすることが重要です。
前述の調査によると、20〜40代社員が50代社員に対して最も期待している能力は、「豊富な経験に基づく的確な判断能力と危機管理能力」(48.0%)と「長年の経験によって身につけた、専門性の高い知識や高度なスキル」(45.0%)でした。
この結果からもわかるように、50代社員が若い世代に絶対に負けていないのは経験値です。長年の経験で培ったスキルや知識を体系化すれば、世代間ギャップを超える技にすることができます。これはリストラ時代を生き抜く強力な武器にもなります。
体系化とは、自分だけでなく「こうやったらうまくいくよね」と他の人にも使える方法論を示すこと。自身のスキルや経験を体系化することによって、後輩に継承したり、仕事のマニュアルとして人材育成の役に立ててもらうことができます。
会社が50代社員に最も求めているのは「人を育てること」です。人材育成は、評価基準の重要なポイントでもあります。自身のスキルや経験を継承し後輩を育てることは、会社に対する多大な貢献になり、自分自身も高い評価を得ることができます。
この体系化をする際にぜひ意識していただきたいのは、「普遍性」「汎用性」「網羅性」という3つの視点です。
普遍性とは、変わりにくいもの。
汎用性とは、どこでも使えるもの。
網羅性とは、抜け漏れがないこと。
普遍性とは、時代とともに変化しないもの。たとえば、タスクマネジメントにおける「目標設定」「計画立案」「進捗管理」といった要素は、どんな時代になっても、どんな世代においても、その重要性は変わりません。
明確な目標を立て、それを実現するためのリスクも想定した計画を立て、その進捗を管理する。計画通りにいかなかったらプランB・プランCを発動させ、目標を達成する。こうしたスキルの重要性は、時代も世代も関係ありません。
汎用性とは、いつでも、どこでも、誰でも使えるもの。自分だけができることや、自分の会社だけで通用するものではなく、他社でも、世の中でも使えるもの。
たとえば、営業のスキルです。営業は、お客様の話を聞くことから始まります。世間話から始め、お客様と共通の話題を見つけ、「この人の話を聞きたい」と思っていただく。いわゆる「ラポール」と呼ばれる最初のアプローチから始まり、次に「ヒアリング」を行う。お客様の困りごとを確認し、ニーズを探っていく。
どのような聞き方をすれば、お客様は話してくれるのか。話すのが好きじゃないお客様にはどうしたらいいのか。こうしたテクニックは、どんな会社でも、どんな商材であっても変わりません。オンラインでもリアルでも一緒です。
ヒアリングをしたら、提案書にまとめ、プレゼンをする。わかりやすく、簡潔で、かつ相手の心を引く提案を行う。この「プレゼンテーション」のスキルも、汎用的かつ普遍的です。会社も職種も関係なく、いつでも、どこでも、誰でも使えます。
最後に「クロージング」を行って、契約をいただく。このような営業のアプローチを「抜け漏れ」のない視点でできれば、たいていの会社では通用します。
このように重要なポイントを体系化してマニュアルをつくれば、誰でも参考にでき、一定の成果があげられるようになります。
自分の仕事で「普遍性・汎用性・網羅性」があるのは、どのようなスキルや経験なのか。こうした視点で自分の仕事を振り返ってみてください。体系化できれば、世代間ギャップを超える中高年ならではの技として自分自身の強みになります。
長年の経験によって体系化されたスキルや経験は、信頼性や確実性があります。そのテクニックに「普遍性・汎用性・網羅性」があれば再現性も高く、誰でも応用することができます。
ただ、ひとつ注意しておきたいのは、その伝え方です。「それはこうやってやるんだよ!」「なんでこうやらないんだよ!」などと説教が始まったら、誰も聞いてくれなくなります。偉そうな態度や説教は、50代がやりがちな超NGポイントです。
若い世代から「これってどうやったらいいんですかね」と聞かれたときに、「それはね、こうやったらうまくいくと思うよ」と答えられる。
50代社員がいちばん喜ばれるのは、このような態度です。若い世代の相談には乗っても、説教はしない。命令でなく、示唆を与えるにとどめる。こうした姿勢であれば、世代間ギャップはあっても若い世代から信頼を得ていくことができるはずです。
自身のスキルや経験を体系化することは、人材育成の役に立つだけではありません。いつでも、誰でも、どこでも使えるスキルがあれば、もし会社を辞めることになっても、転職や独立が可能になります。定年後の武器にもなります。
世の中で活躍している人たちのことを考えてみてください。どの人も「普遍性・汎用性・網羅性」があるスキルや知識を持っているからこそ、それをビジネスにできたり、講演をしたり、著作を発表したりしているのです。
自身のスキルを体系化することは、社内外を問わず、あらゆる世代に求められる価値を創出することになります。
これまで20年、30年も働いてきたのです。こうしたスキルや経験は必ずあるはずです。自分が長年やってきたことで、いつでも、誰でも、どこでもできることは何か。普遍的・汎用性・網羅性があるスキルや経験は何か。ぜひ一度考えてみましょう。
次回につづく
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
私たち50代がリストラ時代を生き抜くために避けて通れないポイントは、若い世代から「老害」と思われないことです。 「50代はまだ老人じゃない」と思われるかもしれませんが、年齢は関係ありません。老害とは、自分より若い世代に迷惑をかけること。 30代であっても、20代に迷惑をかけていれば「老害」と呼ばれます。
年収とパフォーマンスが一致していない人は要注意 コロナ禍以前から増えてきた、45歳以上の早期退職・希望退職という名のリストラ。その候補となっているのは、パフォーマンスより年収が高い人です。それはどういうことなのか、詳しく説明しましょう。
あなたは「磯野波平さん」の年齢を知っていますか? そう、あの国民的人気アニメ『サザエさん』に登場する、サザエさん、カツオくん、ワカメちゃんのお父さんで、フネさんの旦那さん。家ではいつも着物姿で、ハゲた頭頂部に1本だけある髪の毛がトレードマークの波平さんです。
「日立 全社員をジョブ型に」というニュースが日経新聞の1面トップになっていました。日立製作所は今年7月にも事前に職務の内容を明確にし、それに沿う人材を器用する「ジョブ型雇用」を本体の全社員に広げるということです。ジョブ型雇用、テレワーク、ワーケーション、週休3日制など、働き方の多様化が急速に進み、戸惑いを感じている人も多いでしょう。ですが、働き方が変わっても、大事なことは変わりません。
中高年の皆さん、暇ってありますか?もし暇な時間があるのでしたら、その活かし方こそが生きる道となります。中高年になると、仕事はそこそこでいいかなと考え、プライベートを充実させようとする人が増えてきます。それはそれで、いいことだと思うのです。プライベートが充実していれば、「暇」ではなくなります。
新連載「人事の超プロが明かす、リストラ時代の生き残り戦略」 2021年4月1日、高年齢者雇用安定法が改正されました。これによって「70歳までの就業機会の確保」が企業の努力義務になりました。 少子高齢化が急速に進展し人口が減少する中で、経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者が活躍できる環境の整備を目的として、「高年齢者の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」の一部が改正され、令和3年4月1日から施行されています。
東京商工リサーチによると、2021年に希望退職を募った上場企業は80社以上。上場企業の希望・早期退職募集は2019年以降、3年連続で1万人を突破。2021年の募集者数は判明しているだけでも1万5000人を超えています。 コロナ禍によって経営が悪化した企業もありますが、大手企業の多くは黒字経営にもかかわらず希望退職・早期退職という名目の大規模なリストラに踏み切っています。なぜこれほどリストラ増えているのか。いま一度、その背景を理解しておきましょう。
「今の部署が辛い……中高年社員でも部署異動を望むのは現実的にありなのでしょうか?」このようなご相談をいただきました。今回はこの質問にお答えしたいと思います。