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第6回 次はあなたがリストラ候補!?「定期昇給」の給与の仕組みと落とし穴

あなたは自分の会社の「給与の仕組み」を知っていますか? 何をしたら、どれくらい給料が上がるのか? そもそも、なぜ給料は毎年上がっていくのか? 昇給の具体的な仕組みを知っている人は、おそらくあまりいないと思います。 なぜなら、ほとんどの企業では「給与の仕組み」を公開していないからです。

給料が上がる仕組み、知っていますか?

あなたは自分の会社の「給与の仕組み」を知っていますか?

何をしたら、どれくらい給料が上がるのか?
そもそも、なぜ給料は毎年上がっていくのか?

昇給の具体的な仕組みを知っている人は、おそらくあまりいないと思います。
なぜなら、ほとんどの企業では「給与の仕組み」を公開していないからです。

給料が上がる仕組みにはいくつかの型があり、会社によってそれぞれ異なりますが、
もしあなたの会社に「定期昇給」という仕組みがあるのなら注意が必要です。

どんな注意が必要なのかというと「リストラされる確率が高い」ということです。

定期昇給とは、成果や行動とは関係なく、勤続年数や年齢などによって、
ある一定の期間ごとに自動的に給与が上がっていく仕組みです。

最近の日本の定期昇給率は、おおよそ2.1%程度。給与が20万円だとしたら、
年に1回、あるいは年に2回といったペースで、
4000円から5000円くらいずつ給料が上がっていきます。

「それって当たり前のことじゃないの?」

そう思う人も多いでしょう。事実、こうした年功序列型の賃金制度は昭和初期から存在し、戦後から高度成長期にかけて広く日本に定着してきました。近年では「勤続年数」や「年齢」ではなく、「成果」や「行動」に対して給与を払う考え方が主流になってきましたが、今でもこの定期昇給を続けている会社は数多くあります。

しかし、昭和から平成、そして令和となった現在、時代は大きく変容しています。
定期昇給に安心している人は、気をつけてください。
この制度には、あなたの将来を決定的に左右する、危険な落とし穴があるのです。

入社7〜8年目がターニングポイント

定期昇給のある会社では、若年層においては大きな問題や個別の事故(勤怠異常)がない限り、ほぼ一律に昇給します。ここでは給与にあまり大きな差はつきません。

その後、主任やチーフに昇格すると、誰が先に課長になるかなどで差がついてきます。ただし基本的には早いか遅いかの問題なので、一定の層まではほぼ一律に昇給します。

課長以上になると、トーナメント型になり、はじめて選抜が行われます。部長になれない課長層も出てきます。役員も同様です。

このような漠然とした昇進イメージは、多くの人が認識しているでしょう。
問題はこうして昇給していった場合、勤続年数や年齢、あるいは自分のポジションと給与との間にギャップが生まれることです。

給与とは、社員が会社に提供した「価値」の対価です。月給20万円の人は月給20万円に見合った「価値=働き」を、月給30万円の人は月給30万円に見合った「価値=働き」を求められます。

たとえば、入社1年目と2年目の社員では、入社2年目の社員のほうがより多くの「価値=働き」を会社に提供できるでしょう。2年目と3年目でも、同様のはずです。だから給料が上がるのです。

しかし7年目と8年目に、明確な違いがあるでしょうか?

課長や主任といった管理職に昇進するなどして、マネジメントがおもな業務となり、
20代の頃とは明らかに違う「価値」を提供できているのならともかく、
そうでない場合、どんどん高くなる給与と実際の業務が釣り合わなくなってきます。

モノの値段は、価値が上がらないと、上がりませんよね。会社員も同じです。
20万円の価値しか出していないのに、給料が30万円だったら、ヤバいのです。

その先に何があるかというと、リストラです。

定期昇給の先には、リストラが待っている

年功序列型の「定期昇給」が日本に広く定着したのは、1950年代から1970年代にかけての高度成長期のことでした。当時の日本人ビジネスマンの平均年齢は20代でしたが、2020年の現在、その平均年齢は40代後半、ほぼ50代です。

「若い頃は給料が安くても、毎年上がって、年を取ったらたくさんもらえますからね」

こうした給与制度は、日本人がみな若く、経済が右肩上がりに成長している時代だからこそ可能でした。たとえ給与と価値が見合わない社員がいても、多くの会社には、そういう社員でも雇用し続けていくだけの余裕がありました。

今は、それから50年以上が過ぎています。超高齢化社会に突入し、経済も停滞している現在の日本では、こうした給与制度を維持するのは極めて困難です。

利益も売上も伸びていない会社が、高齢化していく社員の給与を一律に引き上げていったらどうなるでしょうか。当然、その会社は破綻します。

となると、給与と価値にギャップのある社員に対しては、給料を下げるか、辞めてもらうしか選択肢がありません。

こうした場合、社員の「成果」と「行動」に対して給与を払う会社なら、提供された価値に見合った給与にすることが可能ですが、「勤続年数」や「年齢」に対して給与を払う「定期昇給」を採用している会社では、こうした対処ができません。

残る選択肢はひとつ、リストラです。これが定期昇給の怖さなのです。

ギアチェンジを繰り返し、給与とのギャップをなくす

では、リストラされないためには、どうしたらいいのでしょうか?
それは、自分が提供できる「価値」を増やしていくしかありません。

会社が社員に求めることは、経験や年齢、ポジションによって変化していきます。
だから給与も違うのです。

たとえば、新人に求められるのは、個人のPDCAサイクルを回すことです。段取りを組み、ミスなく実行し、品質をチェックし、納期を守り、よりよい改善をし、成果をあげる。
上司に指示されたことを抜け漏れなくできること、任された仕事を自己完遂できるようになることが求められます。

管理職に昇格すると、個人ではなく、組織のPDCA サイクルを回すことが求められるようになります。計画を立案し、メンバーの進捗を管理し、マイルストーン(プロジェクトを完遂するために重要な中間目標地点のこと)を設定し、必要に応じてプランニング変更を行い、目標を達成する。
課長なら課全体の、部長なら部全体の、組織レベルのPDCAサイクルを回していくことに役割が変化するわけです。

こうした役割の変化を常に意識し、提供できる「価値」の量を増やしていかないと、給与とのギャップが年々広がっていき、ある日突然リストラを告げられます。

モノの値段が毎年上がることがないように、
給料が毎年上がるのも、実は当たり前のことではないのです。

会社は社員に対して、成長と変化を求めています。
現状維持ではマイナス評価。リストラ候補になってしまいます。

今の自分に求められていることは何か、給与に見合った価値とは何なのか。
常に意識して新たな目標を設定し、自身のギアチェンジを繰り返していきましょう。

次回に続く

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