採用担当者が就職活動にやってきた応募者に好印象を抱いてもらいたいと思うのは当然の気持ち。しかし、多数に嫌われようともターゲットを見定めてアピールすることも必要なことです。
 会社の入口というべきポジションにいる採用担当者。
会社の入口というべきポジションにいる採用担当者。
新規人材の採用という重要な役割を担っているだけに、就職活動にやってきた応募者に好印象を抱いてもらいたいと思うのは当然の気持ちです。
しかし、応募者に好かれようとするあまり、採用担当者として大事なことを忘れてはいませんか?
私たちは人事コンサルタントとして、様々な人事の場面に携わらせていただきました。様々な企業の採用担当者にもお会いしましたが、その経験から分かったことがあります。それは「応募者の全員に良い印象を持ってもらうとしている採用担当者が非常に多い」ということです。
もちろん、応募者から好印象を持ってもらうことは基本ですので怠ってはいけないことではあります。ただ、それを重要視してしまうあまりに、どんな応募者からも好かれようとする「八方美人な採用担当者」になってしまうことは避けるべきでしょう。
少子化のこの時代、企業は“選ぶ”立場から“選ばれる”立場となりました。今までどのような人材を獲得しようか応募者の中から選んでいた企業が、今度は応募者たちに選ばれるために、採用の仕方を工夫する必要が出てきたのです。
その工夫の仕方の一つが、採用担当者が応募者に好かれることでその企業自体にも好印象を持ってもらうというもの。逆に言えば「嫌われないこと」を重視した施策と言えるでしょう。採用担当者自身の“人となり”を気に入ってもらうことで、「こういう人がいるなら入社してみたい」と応募者に思ってもらうのが狙いです。
ただ、これはどこの企業でもおこなえることですし、実際に既に多くの企業がおこなっていることでもあります。
ご存知のように、採用活動においては、優秀な人材を巡った苛烈な競争が企業間でおこなわれています。応募者は当然あなたの会社だけでなく他の企業の採用試験を受けており、優秀な人材であればいくつもの企業から内定をもらっていることでしょう。
いくつももらっている内定先から自社を入社先として選んでもらうためには、「どうすれば自分の企業が応募者から1位として選ばれるか」を考えなければなりません。その場面において、八方美人なやり方では「いい人だったな」で終わってしまい、トップを取ることができにくくなります。大手企業や他社にはない強みを持った企業であれば問題ないでしょうが、そうでない場合競争に勝てないことは明白です。
採用担当者で勝負をしなければならない場合、重要なことは全員から好かれることではありません。10人面接を受けに着たら、そのうち8人には嫌われて、2人から好かれる採用担当者になることが大切です。
全員に好かれようとする人というのはよくいえば接しやすくはありますが、悪くいってしまえばその人にとって毒にも薬にもならない人です。ならば、8人からは毒と思われようとも2人からは薬と思われる、そういった誰かに刺さる採用担当者になるべきでしょう。
ここで重要なのはそこで「刺さる人」、つまりターゲットを見定めておく準備です。たとえば
「ガッツがあってやる気あふれる現場タイプ」
「周りを見て臨機応変に動いてくれるサポートタイプ」
「コミュニケーションが得意で初対面の人とでも難なく話せる営業タイプ」
などといったように、今のあなたの会社に必要なターゲットを事前に見定めておき、そういった人に刺さる立ち振る舞いをしなければなりません。
多くの人は、嫌われることを恐れます。しかし自社のためには時にはこういった試みも必要です。採用担当に就いた際には、ぜひターゲットの設定から始めてみてください。

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