2018.12.07
今の日本には仕事そのものにモチベーションを持てない人がたくさんいます。
その理由は「働くこと」を押し付けられていると感じているから。
解消するには「目の前に広がる選択肢に気づいてもらい、
どれかを自発的に選んでもらう事」が重要です。
「人事の仕事」と聞いて、人事担当者のあなたはどんなものを思い浮かべるでしょうか?社員の評価をまとめたり、給与基準を決めたり、快適な職場環境を作るためにアンケートを取ったり。「働く」ということにまつわるもの全てが人事の仕事と言っても過言ではありません。
でもその中で、意外と意識されていない仕事があります。それは、「働く意味」を社員に気付かせること。働く意味に気づかせて、自発的かつ能動的に仕事に取り組めるようにする。それも人事の仕事の一つなんです。
アメリカのギャラップ社という調査会社が行ったアンケートによると、今の日本に「熱意溢れる」社員はわずか6%しかいないそうです。そのくらい、現在の日本には「仕事自体にモチベーションがある」という人は少なくなっています。
では、どんなものをモチベーションに働いているのでしょうか?エン転職によると、「収入を得て家族を養うため」「収入を得て自立するため」「自分自身の成長のため」が働く目的のトップ3でした。また、20代に限れば「仕事を選ぶ際に重視すること」のトップ3は「給与・賞与などの待遇がいい」「労働時間や休日などの勤務条件が良い」「福利厚生や手当が充実している」でした。
なぜ社会全体、特に若者は働くということに対してここまでネガティブになってしまったのでしょうか?その原因は、「働くとはこういうものだ!」という思い込みにあると考えています。日本という社会が、働くことに対して視野狭窄に陥ってしまっているのです。
確かに今の日本社会では、働かなくては生きていけません。生活するためにはお金が必要ですし、税金だって納めなければなりません。それに仕事をしていないと、人との関わりが極端に減って社会的な孤独に陥ってしまうことだって考えられます。だからこそ働くことが義務のように感じられ、「自分の好きなように働くことはできない」と思い込んでしまうのです。
しかし実は、「働くということ」の中には選択肢があります。本当に仕事が大好きでワークライフブレンドでも構わないと言う人は「コア」、自分の好きな分野を極めてそこでスペシャリティを発揮したい人は「スペシャリスト」、仕事もプライベートもどちらも楽しみたいと言う人は「オペレーティングマネージャー」、働くのは最低限で自分の時間を最大限確保したいと言う人は「オペレーター」。
加えて上記4つにはそれぞれ間があるので、「オペレーティングマネージャー寄りのオペレーター」など個人や環境によって調節することも十分可能です。つまり、「働く」と一口に言っても、その先には数多くの選択肢があり、その中から自分に合った選択肢を選ぶことができるのです。
残念ながら働き方に幅広い選択肢があることに人々は気づいていません。先程も申し上げたとおり、「働く」ことはあくまで我慢しなければいけないことで、自分の好きなようにはできないこと、と思い込んでしまっているからです。
人事担当の皆さんは、ぜひこの思い込みを打ち破ってあげてください。少なくとも上に挙げた4つの選択肢があることを社員に説明し、その中で自分がしたいのはどのような働き方か自発的に選択してもらいましょう。ここで大切なのは「自発的に選択する」ということです。
人間にとって「選択」することは大切です。その「選択」が自発的であればあるほど、そこには「意志」と「責任」が発生し、その選択を肯定的なものにしようと努力します。一方で押し付けられたものに対しては、どうしても嫌悪感を抱いてしまうようになります。これはもちろん、働き方でも変わりません。現状を見てみると、「働く」という1つしかない選択肢を押し付けられていると感じるために、労働に対してネガティブな感情を抱く人が増えてしまっているのです。
冒頭で、働く意味を社員に気付かせることも人事の仕事だと言いました。その具体的な方法とは、自分の目の前にどんな選択肢が広がっているのか、どれを選ぶとどんな働き方になるのかを社員に知ってもらい、選んでもらうことです。その結果自らの選択肢に気づき、働き方を自発的に選ぶことができた社員は、きっと自分なりの「働く意味」を見つけられるはずです。それさえ見つけられたら、働く事に対する意識やモチベーションも、前向きで健康的なものになっていくはずですよ。
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