2019.09.27
人事は、様々な情報を取り扱います。
若手人事だとその万能感かプレッシャーからか、「勘違い」を起こすこともしばしば。
今回は、若手人事がうっかり陥ってしまう「勘違い人事」のパターンをご紹介します。
経営と現場の間に立ってバランスを取りながら、センシティブな情報も扱う人事部。また、採用をはじめとして労務管理、給与計算や人事制度企画・運用など、人事部内の領域は多岐に渡り、必要とされるスキルも異なります。
そんな人事に配属されたプレッシャーからなのか? はたまた、様々な情報を知っているという万能感からなのか? 若手人事が走りがちな3つのパターンがありますので、ご紹介しておきましょう。
まれに見かけるのが「資格コレクター」になる若手人事。一例を挙げると、メンタルケアに役立つカウンセリングやコーチング系のスキルから、給与計算、労務に役立つと思われる簿記、中小企業診断士、社労士などです。
誤解のないようにお伝えしておくと、資格を取得するのは決して悪いことではありません。しかしながら「資格さえあればうまくいく」訳ではないのが人事という仕事です。専門知識はもちろん大切ですし、業務上有利に働くこともあるでしょう。
しかし同時に、経営や現場の部門関係者など、多くの人々と円満な関係を築く能力も大切です。資格取得に一所懸命になるあまり、こうした人間関係の構築をおろそかにしないようにして下さい。
人事担当者であればたとえ若手であっても、社内の評価会議に出席する機会があるかもしれません。そういったケースでは、他部門に配属された自分の同期や、以前から顔見知りだった社内の先輩などの評価や査定、それに基づく給与額が分かってしまうこともあります。
また、社内で不祥事が起きた場合に処罰を下すかどうか、についても人事部が関与することは多いもの。「Aさんはセクハラをした」とか「Bさんは経費を不正請求した」とか、知ろうとせずともトップシークレットを耳にしてしまうこともあるのです。人事部とはそういう部門でもあります。
ところが、そうした情報を多数入手するうちに、なぜか他部署の社員(特に年齢の近い同期など)に偉そうにふるまい始めてしまう「残念人事」が一定数存在します。
「他の人が知らない情報を知っている」、場合によっては「相手の弱み(になりうる事項)を知っている」という優越感からかもしれませんが、当然ながらそういった態度は回りまわって人事部の上層部も知るところになります。あくまで職責上知りえた情報によって、態度を変えることのないようにして下さい。人事部の上層部も、そういった「要注意若手」がいないか、よく観察しているはずです。
最後に、これは悪気があってやっていることではないのだと思いますが、目の前の作業に没頭しすぎるあまり「作業のエキスパート」になってしまう若手人事もいます。
特に若手の頃は、一定時間の「作業」は当然要求されます。例えば、採用であれば目標数の内定を出すまで面談をひたすらこなす。給与計算であれば、間違いがないようにひたすら計算をし続ける。就業規則関連であれば、違反者をどう処罰するか、などということも入ってくるかもしれません。
効率よく、正確に作業をこなせるのは若手として素晴らしいことです。しかし、自分がいま担当している一領域の作業だけに没頭してしまうと、よくありがちなのが「横ぐし」を通す視点を持てなくなってしまうこと。
例えば、人事部内に限った話で言えば、人員増の採用契約を立てて採用したが、社内研修担当と連携ができておらず「採用したらしっぱなしで、どんどん人が辞めてしまう」。現場との連携に関しても、人事部内で社内イベントの企画を考えたけれど、現場の負荷を全く考えておらず、現場からクレームが来る。
皆さんの所属する企業でも、一度や二度はこうした場面を目にしたことがあるかもしれません。
専門性を持ったり、速く正確に作業をこなせたりするのは素晴らしいことです。しかし、どんな時も視野は広く持つことを心がけてください。許されるなら若手のうちから、人事の全機能を把握した上で、経営や現場の考え方、世の中の動きを知っておく余裕を持ちたいものですね。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
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ー「なぜ、あの人が?」
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