金融業界を中心に、「通年採用」を採用しはじめた企業が登場しはじめた2020年。ニュースでも世の中を大いに賑わせ、注目を集めました。さて、この「通年採用」は、今までの採用制度とどう違うのでしょうか?また、通年採用は、採用力に影響はあるのでしょうか?「通年採用」を行ううえで押さえておかなければならない大事なポイントは何でしょうか?今回は、「通年採用」の効用について、お話しします。
そもそも「通年採用」とはどのような制度でしょうか?
「通年採用」と一緒に語られることが多い、「新卒一括採用」と比較して整理してみましょう。
まず、「新卒一括採用」というのは、新しく卒業する大学や専門学校、高校などの学生を対象とし、採用日程・入社時期を統一して行う採用方式です。学生は、内定を受けた企業に、卒業後に入社する流れをとります。それに対して、「通年採用」というのは、新しく卒業する学生や既卒者について、年間を通じて採用活動を行う採用方式です。
従来の日本で一般的に行われていた新卒の採用方式が「新卒一括採用」です。そして、現在でも転職希望者に対して行われている採用活動と同様に、時期に関わらずいつでも募集している方式が「通年採用」ですね。
一般的な日本企業にとって、新卒に関しても「通年採用」を取り入れることにはどんなメリットがあるのでしょうか?
「通年採用と新卒一括採用はどっちが優れているのか?」とよく聞かれますが、基本的に「通年採用は新卒一括採用よりも優れている」と考えて大丈夫です。その理由は色々とあります。
例えば、海外の大学に通う学生や、卒業時期が3月ではない学生など、短期決戦となる一括採用の時期には就活できない学生もいますから、一括採用では応募が来ない多様な人材を採用できるという面でメリットがあります。
また、インターンなどを経て随時採用をしていく形式を取れば、自社への適性を見極めて採用できることができ、ミスマッチングを防ぐことにも役立ちます。
さらに、短期決戦となる一括採用では、内定辞退も課題となります。志望企業に落ちるリスクを軽減するために、とにかく沢山の企業を受ける学生が多く、複数の内定を取得するケースも少なくないため、内定辞退が増えてしまうのです。それに対して、通年採用では駄目だったら次、というスタンスで受けてもらえるため、内定辞退が発生しにくいのが特徴です。
しかしながら、「通年採用」も万能ではありません。「特別なスキルを持つ人材」を採用する必要がある場合、一括採用や通年採用という、一般的な採用方法だけでは駄目なのです。
特殊なプログラミング技術や、ハイレベルな研究成果を上げた学生など、「特別なスキル」で企業をリードしてくれるような学生は、一括採用や通年採用だけでは確保する事ができません。なぜなら、現在の市場環境では、そのような優秀な人材は引く手数多です。外資系のIT企業など初年度年収が1000万を超えるような待遇も珍しくありません。
これらの「特別なスキルを持った優秀な人材」を採用するには、どうすればよいのでしょうか?答えはとてもシンプルです。「より良い待遇を用意すること。しっかりと評価の見える化をすること」が解決策です。
先ほど例示したような、高い報酬を用意するというのは一つの手段です。ですが、予算的に現実的でない場合は、人事制度をわかりやすくし、将来の待遇に魅力を感じてもらうことや、経営陣みずからの説得など、やれることはたくさんあるはずです。
コロナ禍が象徴する激動の時代。この激動の時代を乗り越え生き残れば、次世代をリードする企業になれるはずです。そのために多様な人材を確保することは、重要な人事の仕事です。多様な人材を採用できるよう、通年採用の導入や、特別なスキルを持つ人材を確保するために制度を工夫するなど、今の時代の人事には様々なチャレンジが期待されています。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
新型コロナウイルスの影響で業績が悪化した企業による「内定取消」。 「よく耳にするから」「経営が厳しいからしかたない」とよく考えずにその選択肢を選んでしまっていませんか? 今回は「内定取消」に至る前に人事担当者がどのような認識と覚悟で向きあう必要があるのかお伝えします。
給与の額は評価によって決まります。
そのため、評価は給与を額を決めるための手段に過ぎない、
と考える人も少なくありません。
そのような考え方は、正当な評価につながらないことがあるので注意です。
脱・年功序列とは、社員のパフォーマンスを適切に評価し、パフォーマンスに応じて給与を比例させる仕組みを構築することです。人事担当者は、人事ポリシーをもとに、一貫性のある評価制度や給与制度を構築する必要があります。脱・年功序列を成功させるためには、3つのポイントが重要です。総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP )の著者・西尾太が、脱・年功序列を実現する人事制度の作り方をお伝えします。
社員の働き方をハード面で変えるのが働き方改革なら、
「働く考え方改革」はソフト面から社員の働き方を変える施策。
みんながポジティブに仕事を捉えるような会社を目指しましょう!
脱・年功序列を実現するために最も重要なのは、運用です。新しい制度の運用が始まると、様々な横槍が入ります。人事担当者は抵抗に立ち向かいながら、毅然とした態度で運用をしていかなければなりません。総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP )の著者・西尾太が、脱・年功序列を成功させる人事制度の運用における3つのポイントを紹介します。
360度評価とは、「上司が部下を評価する」という従来の評価手法とは異なり、部下や同僚なども人事評価を行う評価方式です。この手法を導入する場合、どのような点に注意したらいいのでしょうか? そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、リアルな事例から360度評価のメリット・デメリットについてお伝えします。
リストラが増えています。コロナ禍の影響だけでなく、実はそれ以前から70歳までの雇用延長努力義務などを見据えて「黒字リストラ」と言われる施策をとる企業が増えていました。終身雇用や年功序列も終わりを迎えようとしています。40歳を過ぎたら希望退職を勧められてしまうかもしれません。今、求められているのは、いざという時に他にも行ける力です。今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、「どこでも通用する力」を育む、評価基準のつくり方を解説します。
年功序列の処方箋としてブームになった成果主義やジョブ型雇用で、日本企業は本当に「脱・年功序列」を実現できるのでしょうか? 多くの企業はポリシーを持たずに、小手先の手法を取り入れて痛手を負っています。手法の導入だけに走った企業はどうなってしまうのか、改めて考えてみましょう。総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP )の著者・西尾太が、年功序列を脱するための方法についてお伝えします。