コラム
自分が好き?
最近転職に成功したらしいSくんに代表されるように、人事パーソンの大事な資質として「自分が好きである」ということが挙げられよう。断っておきたいが、ここで言う「自分が好き」とは、「ナルシスト」とは違う。決して自分に陶酔しているわけでもなく、水面に映る自分の姿に恋するといった類とは違う。
自分が好き、とは自分を信頼している、ということだ。自分を信じられない人がどうして他人を信頼できようか。
自分を信頼するということは、自分に対する約束を守るということだ。とはいえ、人の常で、いつもそうはいかないのが一般庶民だろう。でも「これはきっとできない、やらないだろうなあ」ということと「これだけは絶対にやり遂げる」ということをしっかり分別して、絶対にやり遂げるということについてはやり遂げる、ということだろう。わかりますか?
大人になるにつれ、やはり少しずつ自分というものが見えてきて、「これはきっと怠けるだろうなあ」「これならできるだろうなあ」という自分の将来について予測はつきやすくなる。
僕の場合、自宅で仕事をしようとおもってもなかなかはかどらず、ついついソファーに寝そべってテレビ見てしまうわけで、オフィスじゃないと基本的には仕事ができない、ということはわかっている。決して安くない家賃でオフィスを構えているのも、「自分が怠けずに仕事をする環境」を作らなければならないというのが最も大きな理由だ。
そんなわけで、ある程度自分がどこまでできるのかはわかっていて、その中に自分に対する一定の信頼感を持っている、ということを僕は「自分が好き」であると思う。
そりゃあ、時には「俺ってイケてるぜ!」という陶酔にも似た瞬間がある。でも一方で「俺ってダメだよなあ」という時もあり、そういう時は自己嫌悪に陥っている。まあ総じていえば日々反省の連続でもある。
でもそういう波を登ったり下ったりしながらも、それでも根底に自分を信頼している、ということが特に人事パーソンには大切だろうと思う。
人事の仕事には、自分について自信を持っていなければならない時が多い。採否を判断するとき、経営を説得するとき、社員と面談するとき、自分に一定の自信がなければ相手を不安にする。自分に自信を持っているということが「自分が好き」ということだ。だから、大切だと思う。
・・・とはいえ、過信はいけない。多くの場合は「イケてない」ということも多いわけで、あくまで根底であり、事象事象に関しては常に反省しなければいけないけど、自分が嫌いだったら落ち込んでいくばっかりだから、やっぱり自分が好きでなければならないということだ。
まどろっこしくなったけど、このコラムも僕はほとんど自宅では書けないわけで・・・・
今日はおしまいにしよ。