コラム
新入社員研修
新入社員研修のお仕事をいただくこともあるが、各社の人事の皆さんは、導入研修たいへんなことだと思う。
22年前、僕もご多聞に漏れず、1ヶ月の導入研修と、2ヶ月の工場実習をさせてもらった。
導入研修は・・・・ほとんど覚えてない。入社時の「昔の当社だったら、君たちは入社できなかったかもしれない」というまったくもってモチベーションを下げた役員さんの一言と、研修中に実家が火事になって徹夜したけど有給が使えなかったから徹夜明けに会社に行ったとか、社歌を毎朝斉唱したとか(最後のフレーズだけ覚えている)、そんなものしか思い出せない。
あーでも、5月から2ヶ月間、工場で実習したことはものすごく覚えている。きつかった。景気もよくって残業や休日出勤もあった。仕事を覚えちゃうと時間がまったく過ぎない。「早く終わりの時間が来ないかな」ということを切望している時って、これほど時間って経過しないものなんだなあということをものすごく実感した。
そういう経験もありつつ、つい最近まで新入社員導入研修を企画運用してたわけだけど、新入社員の皆さんにお願いしていたことは、「いろいろな情報をお伝えするけど、すべて覚えきれるものではない。でも目次を確認するように、全体観を作ってほしい。必要なときにスイッチが入ることが大事なんで、覚えようとするのではなく、付箋紙を貼るように、自分の中に地図を作るように、景色を捉えて欲しい」ということだった。
これは多くの仕事で、そして人事の仕事でも大事だけど、細部にこだわったり、片っ端から覚えようとしてそれができずに投げてしまうよりは、いざというときにスイッチを入れて、資料を見るなり、人に確認するなりすることが大切だ。それが幅というものであり、視野というものなんだろう。
ということで、研修を運用する人事の皆さんも、新入社員の皆さんも、大変だと思うけど、もうしばらくがんばっていただきたいものだと思う。
・・・やっぱり実習は大事だな。強烈に覚えているもんなあ。6BG1のエンジンには、この種類のオイルを11リッター入れるんだ、ってなことは、忘れないないもんあ。