コラム
黒字リストラに思うこと
最近、西尾の趣味は「有酸素運動」です。
前回のこのコラムで、2万キロカロリーに行きたいと書きましたが、
昨日時点で、1万キロカロリーを達成しました。
自分史上、これだけ継続的に頻繁に有酸素をしたことはあんまりないように思うので、
自分でも驚いております。
効果は測定していません。効果が出ていなかったりするとモチベーションを維持できないので、
ひたすら有酸素におけるカロリー消費の数字の積上げのみ、しています。
さて表題。
三菱電機が、過去最高益を達成しているにも関わらず、
53歳以上で募集人員を設定せず、早期退職を募集するとのことです。
記事では、早期退職制度について、
「新たなキャリアのステージに進むことを計画している従業員に対するこれまでの貢献への感謝と、会社としての経営課題への対応の両面から実施する」とあります。
ふーん。
で、「人員構成の若返りをはかる」と記事にはあります。
ふーん。
うーん。
パナソニックをはじめとして、近年黒字リストラは増えています。
まあそれを全面的に否定するものではないのですが、
人事屋として思うことは、
「これまでにやるべきことはやったのかな」という疑問です。
早期退職の募集は必ずしもすべてが悪いことではないと思うけど、
「いつでも辞められるような汎用的スキル、コンピテンシー」や
「他社で通用する専門的知識・スキル」を
身につけるよう、これまで社員に働きかけてきたのか。
そのための教育体系や等級制度設計と運用をしてきたのか。
早期退職制度を導入する前に、それらの汎用性や専門性を、きちんと評価をして、
本人にフィードバックしていたのか。
中高年が対象になることが多く、
「人件費が高止まりしている年齢層を対象にする」という別の記事もあるけど、
そもそもなんで「高止まり」しているんでしょうか。
バブルはじけて以降30年にもなるというのに、相変わらず年功序列で、
きちんとした評価もせず、フィードバックもせず、
給与を上げてきたら、ということだからではないですか?
とまあ、社内の事情はわからないので、外野がとやかく言ってもしかたないんですが、
大企業ほど、ちゃんと向き合って評価して、高止まりを是正するなどの、
正面切った対応をしてこなかったのではないか、と感じます。
(何社かの有名大手企業の人事制度まわりの話を聞くと、そう思ってしまいます。)
若返りを図る、のもよいのかもしれませんが、
これから若年層は減っていき、こんな早期退職制度を見せられたり、
成長のステップを漠然と見せているだけでは、入社してもさっさと辞めることでしょう。
だったら、日本人の平均年齢が50歳という今、
耳の痛いことも伝えながら、現在の社員にもっと向き合ってもいいんじゃないでしょうか。
社員側も、リスキリングも含めて、真摯に変化に向き合わないと、キャリアが作れず、
逃げ切りはもはやできない時代でもあると思います。
「その前にやるべきことがあるんじゃないですか」
と、お伝えしたいと思いますね。
半導体、白物家電などの電機業界の凋落、
ITの遅れ、自動車も危なくなってきた昨今、
個々人も改めて気を引き締め直さないといけないと感じます。
昨日、別の記事で「残業キャンセル界隈」というのも見ましたが、
そういうのを聞くと、改めてこれからが心配になりますね。
僕は、体重2キロに相当する14000キロカロリーを目指しますよ。
(今月中は、出張も多くて難しいかもしれないけど)
西尾 太