コラム
還暦と体系化
参議院選挙の投票日に、遂に還暦を迎えてしまいました。
選挙の結果についてはコメントしませんが、還暦についてコメントをすると、
「実感はない」「まったく還暦にふさわしい精神年齢ではない」ということでしょうか。
孔子は、「六十にして耳順う」とおっしゃっていますが、
これは、グーグルAIによれば、「人の言葉を素直に聞き入れられるようになる、他人の意見に反発することなく、冷静に受け入れらるようになるという境地」だそうです。
うーん。どうなんだろ。
確かに以前に比べて(あくまで比べて、ですよ)、反発するよりも、
「それ、違った面もちゃんと見てから言った方がいいよなあ」と聞き流したり、
「真に受けない」ということをちゃんと判断したり、といったことができてきた気はします。
今回躍進した政党についても、「ほんとうに言っていることはどのようなことなのか」を
表面的な言葉で反応せず、じっくり見ようと思ったのは、
それは若干「大人になった」ということなのでしょうか。
(コメントしない、としながら少しコメントしました)
その意味で、「体系化」という言葉なのです。
「それってどういうことなの?」「その言葉の意味合いはどのようなことなの?」ということや、
「うまくいっている理由はなに?」「うまく行かない理由はなに?」
といったことを系統だてて考え、活用できるようにまとめていくことを、
僕は「体系化」と呼んでいます。
目標を達成するためには、「明確な目標」と、「リスクを想定した計画立案」と「進捗管理」が必要で、
これらをちゃんと行っていれば、目標は自ずと達成するわけだし、
適切なコミュニケーションは、「傾聴力」と「プレゼンテーション能力」が発揮されればうまくいきますが、
傾聴力にもプレゼンテーション力にも、一定の体系があります。
思えば、独立してこの会社を作ってから(実は作る前の人事部時代から)、
僕は人事回りの体系化をしてきたように思います。
「人事の学校」は「人事の体系化」をしたものです。
売り出し中の「評価の学校」も「人事評価の体系化」を目指したものです。
体系は、どの業界でも、どの会社でも、活用できる成果につながる構造化されたもの、です。
オリジナリティはもちろん大切ですが、その前提に基本があるよね、それが体系です。
コンピテンシーモデルも、成果を出す人の欠かせない行動の型としての体系です。
結局、仕事ができる人とできない人の違いって、ご自身の中に、人に伝えられる「体系」があるかどうか、
ではないかと思っています。
ということで、人事回りの体系化、については、それなりのものを作ってきたという自負はあるわけで、
還暦を迎えて、「まあまあちゃんとやってきたかいな」と自分で自分を褒めてもいいように思っています。
一方で、それに対してのご異論(あまりいただいてないんですよね)があれば、
耳順う、ですし、
これから作ろうとしているある体系も、耳順いながら作って行こうと思っています。
お、少し大人になったか?
ということで、還暦に際してはとても多くの方にお祝いをいただいたり、
遠くまでご一緒いただいたりしました。感謝申し上げます。
次の10年(うーん、5年でなんとかしたいなあ)を考えて、
これからも普通にやっていきます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
西尾 太