コラム
評価者は育成責任者
オリンピックになると、感染者が増えるの?
不自由が続きますね。
さて、人事制度は、構築もさることながら、運用が大事です。
よく、制度改定のご相談をいただきますが、制度がうまく機能していないのは、
・制度そのものの問題
・運用の問題
のどちらか、あるいは両方に問題があるわけです。
あいまいな要件、評価やフィードバックがしにくい基準、複雑すぎる点数計算、説明しにくい評価と給与との関連など、制度側に問題がある場合は、それを新たに作るか、修正することになります。
これもよくあるパターンですね。
一方で、運用側の問題の多くは「評価者」と「評価調整・決定方法」、これに尽きます(多少他にもあるかな)。
評価者には、一次評価者、二次評価者などがいるわけなんですが、はっきり言えることは、「評価者は育成責任者」ということです。だから部下を評価するのです。
育成に責任を持たない人が評価するべきではありません。
(アンケートとしての360°評価はあるにしても、そこに評価者の責任はありません。だから僕は人事評価で多面評価を実施することは推奨しません。)
育成責任があるからこそ、伸ばすところを伝え、課題を伝え、改善のアドバイスをします。低い評価も、本人(被評価者)に気づきを与え、成長のきっかけとしてもらうために、とても大切なことです。
それをあいまいにしたり、甘かったりゆるかったりする評価をしてしまうのは、評価者としての責任放棄です。
それなら評価者(=管理職)からはずれてください。
また、評価者、経営者目線が必須です。
会社や部署の業績があがっていないのに、メンバーに高い評価・甘い評価をする評価者がいます。
「親心評価」といった管理職がいました。はい、それ、いりません。
なんで組織がうまくいっていないのに、メンバーの評価が高いんでしょうか。
すべての責任を、管理職としての評価者が背負いますか。背負ったとしてもそれだけの問題ですか?
部下の評価の分布よりも高い自己評価をつけた上司もいましたが、それもいかがなものかと思います。
会社の業績、組織の業績、運営状況を経営者的に見て、人事評価をしなければなりません。
その意味で、評価者の仕事は重く、高度なのです。
それができていないケースは、明らかに、制度の運用上の問題です。
また、評価者を集めた評価会議や目標・課題設定会議はぜひ行ってください。
下手な評価を下している人がいたら、しっかりとお互い指摘しましょう。
それによって評価が育っていくんですから。
というわけで、「評価者は育成責任者」。
シャキッとしてください!
・・・昨日の、北京オリンピック ジャンプ団体男女混合のジャッジは
制度の問題というより、運用の問題だと思いますね。
飛ぶ前に検査して是正させなさいって。
西尾 太