コラム
年上部下 ~ 70歳までの雇用について
「超ジョブ型人事革命」増刷になりました!
ありがとうございます!
さて、4月から、70歳まで終業させる制度の導入に努めることが義務化されます。
(改正高年齢者雇用安定法)
「努めることが義務です(努力義務)」というのはいつも「よくわからんなあ」とも思いますが、それは置いといて、
65歳以降も働いていただくということになっていく、ということです。
「超ジョブ型」にも書きましたが、それを踏まえて、中高年を早期退職制度などで、早めに手を打っている企業もあります。
それも考えていった方がいいと思うんですが、これまた本に書きましたが、
50代だからとか60代だからとか、「だから何なの?」と思うところもあります。
なんで50代や60代を雇用することで騒ぐのでしょう。
いいではないですか、元気に働いていただけば。
「そう簡単なもんじゃない」というお声が聞こえてきそうですが、
なんでですか?
適正な給与で、気持ちよく働いてもらえばいい、それだけではないですか?
年功序列で給与が高くなっちゃったから、問題だということですか?
だったら、それこそ「適正な」給与にしていくことを経営も人事も考えればいいのです。
ところで、こういうことも相まって「年上部下」というのはこれから増えていくでしょう。「扱いに困る」というご相談もあります。「困りますか?」
普通に応対していただければいいと思います。年上でもなんでも。
ここでひとつ言えることがあります。
40代の上司の下に、50代の部下がいたとしましょう。
この40代の上司は、50代を経験したことがない、ということは確かなことです。
30代の人は、40代も50代も経験したことがない、ということも確かですよね。
だから、年上の年代って、ちょっと「得体のしれないもの」と思っちゃうところがあるんじゃないでしょうか。
でも、皆さん。あなたがいま何歳であっても、
10年前、今のあなたの年齢を想像したら、「かなり大人だなあ」とか「そうとう分別がついているだろうなあ」などと思っていませんでしたか?
でも、どうですか?10年前のあなたと今のあなた、どれほど変わっていますか?
僕も50代半ばですが、確かに、以前より物事が見えるようになっている気はしますが、さして変わっちゃいません。50代ってもっと大人だと思っていましたが、まったくそうなっていません。これは僕だけでしょうか。
意味なく「若いつもり」でいるわけではないですが、40代とさして変わっていない今があります。
だから、40代の上司の下に50代の部下がいたとしても、歩んできた年月に対して尊敬の念を持つことは大事ですが、それ以外は、「同じ生き物」だと思っていただいてよいと思います。
変われる人は何歳になっても変われます。気づけば変われる人は何歳にでもいます。
変われない人は20代の人でもたくさんいます。
まあせいぜい、その出現比率が多少違うぐらいではないでしょうか。
「伝えるべきことは伝え、改善してほしいところはそれをしっかりお願いすること」。年上だって関係ありません。
ただ、言葉遣いなどは気をつけましょうね。立場が違うだけですから。
だから、中高年を諦めない、腫れ物と思わないで、ビジネスとして普通に接していただきたいと思いますね。
すべて本人次第です。
経験したことがない年代の人について、自分とは違うと思い過ぎないこと、
ぜひお願いしたいと思います。
50代になるとね、叱ってくれる人が減ってしまうんですね。
それは寂しい事でもあるんですよ。
内臓脂肪と血圧で妻に叱られましたけどね。
西尾 太