コラム
断絶のキャリア形成
年末となり、恒例となったフォー・ノーツ合宿も無事終了。
4NOTESのビジョンと来期目標と課題解決についてじっくり話ができた。
社長が手堅く行こうとしているのに、「それでいいのか!」とメンバーに突き上げ?られる。
そう来るかあ・・・。そーかい、じゃあお互い覚悟を持ってやろうじゃないの!
場所は今回「ホテルニュー岡部」。
昨年の「ハトヤ」に引き続き、温泉ホテルシリーズだったが、
うーん、やっぱり去年の「ハトヤ」の昭和っぷりに軍配があがる。
さて、まじめに、断絶のキャリア形成について
人のキャリアと向き合って人事領域で仕事をしていて、時々思うことがある。
この図。
経験を積むにしたがって、より価値あるアウトプットを出せるというもの。
より影響力のあるキャリアを形成するためには、2つ以上の異なった分野での経験が有効だと言う。
それらの組み合わせが、他にないユニークな価値を作る。
中途採用場面などで時々聞く、
「これまでの経験を活かして」というのは、上図の経験①の延長線上でキャリアを形成しようというものだ。
それはそれで価値があると思う。アウトプットは大きくなる。
でも、異動、転職、不意な出来事などで、そのキャリアをそのまま伸ばせないことがある。
その時、これまでの経験が直接的には活きない上図経験②を作ることになる。
アウトプットは一時的に下がるだろう。
肝心なのは、この経験②に遭遇した時にどう考えるか、だ。
「経験②」をそのまま伸ばし、図のように順調に経験値を積めればそれもいいだろう。
ところがこれがうまくいかないケースが散見される。
それは何か。
「経験①」が邪魔をするんだ。
それまでの成功体験、それによって出したアウトプット、地位、年収などへの拘りが、
経験②を素直に体験すること、そこで必要な知識・スキル・コンピテンシーを素直に吸収することを妨げる。
アウトプットが一時的に下がること、あるいは年収が一時的に下がることを認めない。
その結果、経験②の緑色の線のように右肩あがりで上昇することができない。
あるいは、なんとか経験①のなかで何とかできないかともがいて、そしてうまくいかない。
経験②を避け、また違う環境に移ろうとする。
移った先で素直になり、経験②を積めればいいが、そういう時はやっぱり経験①が邪魔をする。
僕がありがたかったし、よかったなあと思うのは、CCCの人事部門で、上司にKさんが来たことだ。
彼は僕と歳はあまり変わらないが、僕が20代に営業をしていたのとは違い、10年の人事経験を積んでいた。
「わ、こりゃ敵わない」と人事領域での力の差をもろに感じた。
それから数年、自分でも良くやったと思うけど、すべてそれまでの自分の経験や能力はいったん横において、「Kさんならどうするだろう」「どう考えるだろう」ということを第一に考えて、自分を(完全じゃないけど)捨てられた。
それはそれでつらかったけど。
でね、「経験②」を積んでいるときは直接生きてこない、あるいは捨てた、横に置いた「経験①」は、その後のある時期から生きてくる。
それまで見えなかったことが見えてくる。
そう、③の「広がり、深まったキャリア」になっている。
一段ギアが上がっている。
違った角度、より高い視点、より広い視野で物事を見て、判断し、行動できるようになっている。
経験①は長期的に見れば無駄ではないんだ。
僕が③の領域にほんとうに行けたのかはわからない。でも20代の営業経験と30代の人事経験は、40代以降に有効に活きていると思う。
学ぶべきことがあれば、素直に学ぶべきだ。
「守・破・離」と言う。「教えを素直に守り、それができたら自分なりに手を加え、そして自分の流派を確立する」というものだ。
自分がいま「守」にいるなら、徹底的に「守」になることが大切だ。そこにそれまでの自分なんて関係ない。価値は後から出てくるものだ。
これは何歳からでもできると思う。
2017年になり、転機を考えたり迎えたりする人も多いだろう。
ぜひこのことを、考えてみてほしいと思う。
僕のゴルフは、いつまでの「守」です。ほんとになかなかうまくなりません・・・・。