コラム
自己投資
就活生にしても転職者にしてもビジネスパーソンにしても、そうでない人でも(要するにみんな)、自己投資をうまくしている人は、やっぱりしっかり成長している。いいポジションでしっかりと成果を出しているように思う。
自己投資とは、「自分の成長のためにお金をかける」、ということにしよう。
「本を読む」ということもそれである。新聞を購読するということもそれだ。
カウンセリングやコーチングを受けるというのもそれだろう。
土曜日や平日夜に「人事の学校」に来てくださる方々も自己投資していらっしゃる。
就活生と転職希望者に限って話をしよう。
就活・転職については、ほとんどのサービスは、採用する企業側(一部は学校側)が費用を負担している。だから、就活生・転職希望者(これをここでは受益者と言おう)側が、個人でこの活動において一般的に費用を負担することはない。ドワンゴの取り組みはそこに一石を投じているわけだが(僕はこれに対してとてもポジティブな意見だ。大学受験には受験料払うのに、なぜ企業を受けるときにはそれがないんだ?)、それに対する批判もあり、やはり一般的には受益者側が費用を負担することはない。
ようするに、就活・転職活動にかかる費用は「無料」だと思われている。
世の中に「タダほど高いものはない」という教訓があるが、そこまで言わないけど、ナビにしてもエントリーにしても、キャリアセンターでの相談や面接指導にしても、そういうサービスが無料だからあえてお金をかける必要はないと思われている。
僕の就活本は、そういった中で「内定が取れない学生向け」に書いたものだ。しかしたいして売れない。
内定がなかなか取れない子に読んでほしいが、彼らは「買わない」。そこに投資しない。だからそこに書いてあることを学ばないので、やっぱり内定が取れない。
無理に買ってほしいとは思わないからそれはそれでいいんだけど、要するにそういう人たちは、人生の中で大切な局面であるにも関わらず、そこへの費用を負担しようというスイッチが入らない。
だからいつまでも悪循環は続く。
学ばない⇒失敗する⇒どうしてなのかわからない⇒学ばない⇒失敗する⇒どうしてなのかわからない・・・・。
Career Lampは新卒紹介事業ではない。将来的にはわからないが、学生さんが集まってきてくれても、当社は新卒紹介事業に進出しない。
もし企業に費用負担をお願いする新卒紹介事業であるとすると、そこにはおそらく「上位校」とか「優秀層」とか「体育会系」などの企業側が求める要件がクローズアップされるだろう。それに違和感があるから、やらない。
でも、そういうもんでしょ。企業からお金をもらえば、企業が求めるものを提供しなければならないんだから。
就活塾、というものがある。それはそれでいいと思う。でもちょっと僕には違和感(たぶんこれはその金額からして、本人ではなく、親がその費用を負担しているのでは?、ということが違和感なのかも)あるので、まだやらない。でもこっちはやり方を考えてやるかもしれない。
受益者側からお金をいただけば、それは受益者が求めるものを何としてでも提供しようとするだろうから(でもやっぱり親が負担するのはちょっと違うように思う。立て替えてもらうならいいけど)。
転職市場も多くはそうである。紹介会社は、「売れるものしか売らない」。
「売れないものを売れるように」はしない。社員でない人の成長のために企業側はお金を払ってはくれない。
そういう論理で動いている。
これは、就転職市場でも、住宅市場でも、クルマ・中古車市場でも、結婚式市場でも、同じことである。情報を得る側に費用負担はほとんどない(おや?これはRという会社が作ったビジネスモデル?)。
そこに一石を投じるにはどうしたらいいか、を悩みながらCareer Lampはやっている。
でもタダで提供できるものには限りがある。
自己投資がうまい人、あるいは要領がいい人、については内定はでる。お金をかけなくてもできる人はできる。
(ただ、要領がいいだけで内定とっても、就職後苦労するからね。いつ苦労するかの違いだけだよ。)
望んだものが手に入らないときには、自己投資するしかない。その方法はいろいろあるけど、お金をかける覚悟はしてほしい。
キャリアセンターがあるから、そこだったらタダだから・・・・。でもそれでダメなんでしょ?
なんで落ちるかわかる?
普通なら、誰も教えてくれないよ。君の論理で、世の中動いていないんだから。
ということで、ほんとうに困ったら、方法はある。それは今のところ、当社のサービスではない。だから僕らの儲けを目的としていないけど、
いくつかある、自己投資としてのお金がかかるけど、解決する方法を紹介することはできる。
それはアルバイトで何時間も、あるいは何日かで稼いだお金を出さなければいけないかもしれない。
でもいざというとき(というか本当は普段から)、自分の成長のためにお金をかける必要はある。
これは、社会に出てからもそうだと思う。
無駄なお金をかける必要はない。でもいざというときには「身銭を切る」ことも必要だということ、わかってほしいと思う。
タダのサービスでうまくいかなければね。
僕だって今でもお金をかけて勉強しているんですよ。まだまだ学ぶことはたくさんあります。