コラム
人事制度と運用
明日は人事の学校の土曜日コースの2回目です。まるまる1日「人事制度」!。
人事制度の設計と運用をずいぶんやってきましたし、多くの会社の現行人事制度も見させていただきましたが、やっぱり問題は運用だ、と思います。
設計だけならば、比較的簡単にできます。もちろん人事ポリシーなど、思想的基盤がなければ運用・定着をしないので、作りこみはしっかりする必要があります。
しかしながら、大切なことは運用力です。運用力を無視ないしは軽視して設計された制度が多くあるように思います。その意味で、僕たちコンサルティングを行う者は、設計だけでなく運用の支援をもっとさせていただかなくてはいけないと思います。運用力を図りながら制度を作りこんでいくことに妙があります。
設計して、「はいどーぞ」で、適切に運用されずに泣いている制度が多くあるように思います。運用をどれだけ視野に入れたか、そもそもそのような制度を過去に運用したことがあるのか、その際の課題点はなんだったかを想定して制度は作らなければいけないと思います。
過度に詳細だったりメンテナンスにパワーがかかる(組織変更のたびに要件書を書き変えなくてはならないものなど)要件設定、評価にものすごくパワーがかかる評価制度や項目や評価の頻度、評価と給与のつなぎが厳密すぎて、最後にえんぴつをなめてしまい、「結局評価はなんだったんだ」ということになる給与制度など。
運用は、経営と職制の理解と人事担当部門の根性が必要になります。最初に回すところではものすごいパワーがかかります。制度関連の仕事に時間をさける人事担当がどれだけいるのか、その人の現状の経験値はどうか、なども含んで制度は作っていきたいものです。
まずは基盤を小さく作って、まずは回して、そのうえで運用力が着いて必要なら詳細を積み重ねていくような、制度づくりと運用のサイクルを作りたいと思います。