コラム
朝ドラ
僕はNHKの朝ドラが好きだ。
3月までは僕にとっては生理的に受け付けられない内容だったので半年間見なかったが、4月からはじまった「あまちゃん」は面白い。よい!
女性が自らのキャリアやライフをもがきながら確立していく、というのが一連のテーマだと思うが、だいたいの朝ドラを見る中で(見るものは毎日楽しみにしてみるが、違うと思ったものは一切見ない)、主人公の成長を一緒に願っていくシリーズと、「まあ、これはどうでもいいな」というシリーズは明確に分けられ、最も好きだったのは「ちゅらさん」で、最近では「カーネーション」で、今回の「あまちゃん」はまったくもって脚本の妙なのか、音楽も朝らしく、元気をもらっているわけだ。
自分の道を見つけるまでの時間として、「ちゅらさん」は看護師になろうと思うまで相当の時間がかかり、「カーネーション」と「あまちゃん」はほぼ第一週目から「そういう方向」というキャリアが見えていた。
僕の住む月島をテーマにしていた、タイトルを忘れたそれは、なにやら「ダンス対決」とかやってて、よくわからなくて途中で見なくなったものもあれば、築地をテーマにした「私の青空(だったと思う)」はシングルマザーをテーマにしながらとても興味深い内容だった。(自分の道を見つける前に子供ができて、ちょっと違ったけど。)
子供のころから好きなことがあってそれを一筋に職業にしたり、ある日突然「これだ!」と思ったり、次第に「人事って領域で生きていくしかないなあ」って思ったり(これは僕)、キャリアの道を見つけるまでの時間は様々だ。「これだ!」と思ってもそれが違ったりすることもよくあることだ。(僕は音楽がそれだったけど、今考えれば、強烈に「これだ!」と思った瞬間はなかったように思うので、結局、そこを自分の職業にするという道はなかったように思う。)
あまちゃんは海女になる、というのを一瞬のうちに見出して、今日もがんばっていたけど、それが見えるまでの時間は人によってさまざまで、僕は社会に出てからほぼ10年かかっている。それでもその道を見つけた(というよりそれほど前向きなそれではなく、どちらかというと他になかったともいえる)ことは幸運だったと思う。道を見つける、というのは、すべての人にとっての極めて重要なテーマだと思う。
就職活動の相談を受けるけど、その就職活動が、内定がとれたとれない、というのはさほど重要ではなくて、「自分の道はこれだ」というものを見つける道程のひとつに過ぎないのかもしれないとも思う。
最初に就職した会社でそれを見つけた人は、幸運なのかもしれないし(それがほんとうに自分にとっての「これだ!」ならね)、そうじゃない人は僕を含めてたっくさんいるわけだけど、それでも自分の道を模索し続けていくのが、ある種のキャリア形成なのかなと思う。
というわけで、僕は毎日「あまちゃん」を応援しながら、現在の自分の状況を振り返りつつ「いったいどうしてくれよう」と、道を見出したはずなのに、それでもその道の中で迷うのであった。
がんばろうね、みんな。