評価制度も人事の悩みも、
普遍的な体系で
一気に解決する人事のプロフェッショナル

Column

安定という幻想

2011.4.8

すべての呪縛は「安定性」という言葉だと思う。

安定とは、辞書で見ると(大辞林より引用)
1.物事が落ち着いていて、激しい変動のないこと。「心の―を保つ」「物価が―する」
2.平衡状態に微小な変化を与えても、もとの状態とのずれがわずかの範囲にとどまること。「―のいい花瓶」
3.物質が容易に分解・反応・崩壊しないこと。「この元素は―している」

である。

人事の世界での安定性とは、ほぼ、勤めている会社の安定による収入の安定のことだと思う。

結論・・・「無理!」
とくにこれからの世の中、無理。

「安定性」に代わる用語として、「定年まで働く」「正社員で働く」「最後の転職にする」「大企業に就職する」などだろう。

この「安定性」とそれに通じる言葉が、見るべきものを見えなくしているような気がしてならない。

安定性は、求めるものではなく、結果としてもたらされる(かもしれない)ものだ。

何ひとつ、安定なんてないということに気付く。あるいは、安定なんて忘れる。そんなものはないと思うと、呪縛から解き放たれるのではないか。

安定とは、変化しないことだ。もう、ずいぶん前から、みんなが言っている。「変化しなければならない。」

そう、逆に言えば、変化し続けること、それが安定性をもたらすともいえる。

正社員は、企業ステージや業態、事業所の場所、職種、地位などの変化に対応する雇用形態だ。

つまるところ、正社員だって安定なんてしちゃいない。ただ、ちょっとだけながく、何かが保障されているような気がする、程度のものだ。

それに、安定性を会社などの「外」に求めてはならない。

自分を変化し続けることにより、自分の安定性を高めることはできる。そう、安定性とは、何があってもどうにかなる、「個人の力」が継続的にブラッシュアップしていくことではないだろうか。

というわけで、諸悪の根源、それが「安定性という呪縛」だと、最近つくづく思う。

ところで西尾は安定、したくないかって? そりゃーしたいですよ。そのために変化しなきゃと思っているんです。でもいつまでもきっと安定しないことはわかっています。そう、幻想を追いかけてるんです。

お問い合わせ・資料請求はこちら

ご相談から質問まで、
まずはお気軽にお問い合わせください。