コラム
考える癖
労政時報は人事担当者の必須アイテムと言っていい。詳しく読まなくても(そうそうじっくり読む時間がない人も多いだろう。ごめんなさい)、月2回送られてくる表紙を見ておくだけでもいい。ネットの労政時報クラブ(リニュアルされるそうだけど)で、調べたいものを調べるのにもとても便利だ。
今日送られてきた労政時報の特集は「ワーク・ライフ・バランス」だけど、その定義や誤解についても詳しく記述されており、これも興味深い。
で、今回の3793号の随想ブラザというコーナーは、「人事の青本」を一緒に書かせていただいているコンサルタントの堀田氏の寄稿があって、おそらく僕が書いた部分をちょっと誉めてくださっているので、ありがとうございます。
それはそれとして、その随想のテーマが、“「考えない癖が身についている」人事パーソンをいかに戦力化するか”である。
考えない癖が身についている、というのは手厳しいが、やはりほんとに人事担当のみなさんは、「考える癖」を身につけてほしいと思う。
やっぱりさ、「研修は目的じゃなくて手段でしょ」としたら、じゃあ研修の目的ってなんなの?ってことを考えてほしい。
「採用も目的じゃなくて手段でしょ」としたら、採用の目的ってなに?
「正社員」ってなに?
「非正規雇用]っていうけどなに?
正社員ってほんとにそんなにいいものなの?・・・とかね。
「たばこは体に悪い!」って言うけど、本質的にどうなんだろう・・・。だから「禁煙!」って短略的に結び付けちゃだめだよ。
というのは余計なことだけど、とにかく、一元的に物事をとらえないことがとても大切だ。
景気が悪いから採用を減らす、っていうのも最も短絡的なそれだ。
リーマン前とリーマン後の採用戦線を見ると、そのもっとも短略的なそれが行われていた。
(とにかく新卒採用で雇用調整をするっていう考え方は絶対違うと思う。安易に新卒採用数を変えすぎる。特に大手!)
景気が悪いから研修を減らす、っていうのも同様だ。投資と経費をごっちゃにしちゃいけない。
そんなんで辞めちゃう研修って、そもそも不要だったんじゃないの?ほんとに必要な研修って何?
そういった人事のことを人事担当者が考えなくていったい誰が考える?
採用の先にあるもの、教育に関連しているもの、制度の真の目的・・・・。
ぜひ、自分がいま直面している問題・課題に対して、その先に何があるのかを「考える癖」をつけてほしいと思う。
「ワークライフバランスだから、定時退社日を設けよう・・・」っていうんじゃないんだよ。きっと。