コラム
モチベーション3.0
アイレップで役員をしている永井さんは、一緒に仕事をさせていただいた人の中で極めて優秀な人のひとりだ。
彼は昔からよく勉強していたし、たっくさん本も読んでいる。難しいこともたっくさん知っている。すごい。
で、ちょっと前になるけど、彼と飲んだ時に紹介してもらった本のひとつが、「モチベーション3.0」。
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人事担当の方は、ぜひお読みいただくといいと思う。
コンピューターと同様に、社会にも人を動かすための基本ソフト<OS>があるとして、
モチベーション1.0とは、生存を目的とする人類最初のOS
モチベーション2.0とは、アメとムチ・・・信賞必罰に基づく、外から与えられた動機づけによるOS。ルーチンワーク中心の時代には有効だったが、21世紀を迎えて機能不全に陥っている。
モチベーション3.0とは、自分の内面から湧き出る「やる気」に基づく)OSで、人間には、学びたい、創造したい、世界をよくしたい、人のためになりたいという代さんの動機づけがある。
・・・としている。
多くのモチベーションの研究において、内発的動機づけについてはずいぶん前から述べられているけど、今の時代になってその重要性はますます高まっている、ということが書いてある。
モチベーション2.0は、20世紀の古いOSであり、アメとムチによる動機づけには限界があって、逆に人のやる気を低下させるとしている。
詳しくはぜひお読みいただきたいが、要するに、信賞必罰は古い、ということとも言える。
本の中には、モチベーション3.0を引き出しているいくつかの先進的な企業の事例が書かれている。
人事制度は現在多くの場合、モチベーション2.0をベースとして考えられている。がんばった人に報いてそうでない人には報いない。それでなければ、がんばった人がやる気をなくす。「やってもやんなくても同じだったら、やんない方がマシだ」ということだ。
これが古いかどうかだが・・・、たしかに古かろう。「マネジメント」という概念さえ古いとされている。
うん、古かろう・・・。
ただし、マズローの欲求説もそうだけど、生理的欲求が満たされなければ、安全の欲求には至らないのと同じで、モチベーションも、1.0と2.0が整っていて3.0に至るものだと思う。
モチベーション3.0が発揮されるのは、最低限のモチベーション2.0が整っている時だ。それが消極的理由であったとしても、少なくとも、「がんばって成果を出したら認めてもらえる」という背後への安心感、信頼感がなくしては、次の段階には行けないのではないかと思う。
つまるところ、やっぱり信賞必罰から由来する最低限の人事制度は整えておかないと、会社は信頼されず、社員は報われず、その場においてはモチベーション3.0は発揮されがたいと思う。
ただ、過度の信賞必罰は3.0を阻害するというのは、もう今世紀に入ってからみんなが気付いてきていることだ。
洗い替え制度における、「去年高い評価だから給与が上がったが、今年の評価は標準だから去年より下がる」という仕組みなどは、モチベーション3.0を阻害する要因だと思う。
標準評価とは、「あなたは現給与に見合った仕事をしましたよ」ということだから、少なくとも給与維持のはず。
人事制度を作るときには、こういうことを意識しておかないと、運用段階で違和感を覚えてしまう。
長くなったけど、モチベーション3.0まで至っていれば、働く人は幸せだ。
だから土台としての2.0は整えておこう。最低限の土台としての人事制度は整えておくべきであり、それが社員から会社が信頼され、その環境によって内発的動機づけにより意義のある仕事がなされ、会社の業績があがるというもんだ、と思っている。
ぜひお読みください。
(夜中なので、文章をまとめる力が低下している気がするなあ・・・。そもそもその力、あんまりないかも