コラム
給与以上の仕事をしていると思っているとき
それが幸せな時だ、と思う。
もし逆だったら・・・。
自分のパフォーマンスより、いただいている給与の方が高いと思っているとき、これはとてもしんどい。
そういう時期があった。20代の時。
とてもつらかった。
残念ながら仕事があまり好きになれず(自分の仕事に対する考え方が甘かったからです。まったくもって自分の責任です)、仕事をするのが苦痛で、それでも給与は世の中水準より高い。
ということは、もし転職すれば、下がるに決まっているということだ。
本当につらかった。
その後転職に失敗して、また職種も変えて(営業⇒人事)、年収をドーンと落としてリスタートしたときは、「こんなもんだろうなあ」と思えて、ほんとうに気持ちが楽になったことを覚えている。
逆に、僕は勤勉ではないと思うが、がんばるときにはがんばるので、自分の給与が「もっと高くてもいいよなあ」と思っていられるときは、前向きだったし、「いつでも辞めたるぜー」という気になってもいられたので、気持も楽だった。
そう、転職=年収UPではない。
モチベーションUP=年収UPでもない。
キャリアアップ=年収UPでもない。
採用担当の立場でいると、年収を落としても、やりたい仕事や役割に就きたい、という希望を持たれている人については、信頼感をもつことが多かった。
一方、高い年収で、「鳴り物入りで入社した中途入社者」が「鳴らなかった」ということは多いと思う。この原因は、会社側の期待値が高すぎたことと、本人の市場価値認識が違ったこと、ポータブルな能力と、それまでにいた会社特有の能力の区別が見えなったことではないかと思う。
転職のとき、「ちょっと低いけど、まあいいか・・・」というぐらいがちょうどいいんじゃないだろうか。
もちろん、適切な評価の仕組みがあって、その後年収があがる機会があるかどうか、は会社を見るときに大切な視点ではある。